vol,1『憔悴』



          留学レポートvol,1『憔悴』


 1ヶ月...過去、こんなに、海外に居続けた経験はない。初めての体験だ。だが、今そんな感傷に浸っている余裕は、まるでない。TOEFLへの心配が、常に頭から離れないのだ。これは、点数の高低はあれ、一緒に来た日本人皆同じ状態である。自分の進路をどうすべきか?...こちらに来て授業を受け、同じクラスの大半の生徒が、1期で進路を決めきれず(もしくは、TOEFLの点数が足りず)2期目をここで過ごしているという現実...それが、更に悩みを加速させる...気持ちを焦らせる。だが、時間は容赦なく進み続ける。早くも今日、1回目のTOEFLが行われた。自分の結果は...2回目に期待したい。ともあれ、この1ヶ月で最も印象深く感ぜられたのは、そうした時間の流れに対応しきれず、翻弄されながらもなんとか自分のペースを見い出そうとする人達であった。もっと、周囲の新しい生活環境に対するレポートを期待されているのかもしれないが、まだ、そこまでの余裕が自分にもない。そこで今回は、この1ヶ月間で感じた、一緒に来た日本人達(自分も含めた)の様子や適応に焦点を当てて考えてみる。

 GSWは、小さい。その中で、同じ寮に住み、同じカフェテリアで食事をし、人によっては同じクラス...1ヶ月もすれば、嫌でも仲良くなり、それぞれの状況が見えてくる。そんな中、皆、何かに追い立てられていると強く感じた。それは、経済的状況、自分の年齢や、家族、恋人など親しい人からのプレッシャー....と人によって様々だ。ただ、なにかしらストレスを抱えた状態で、次を目指す為に何をすべきか、考え、もがいている。必死になっている。そんな必死さから見えてくるものー自分の人生にとって大切な事に対する思いーには、本当に勇気づけられる。日本にいては、よほど親しい人に対してしか、恥ずかしくて見せる事ができないそういった姿を見るにつけ、その人に対する見方が変化し、刺激される。自分の考え方もプラスの方向に感化される。これだけでもすごい貴重な体験だなと日々感じている。

 この1ヶ月で、皆の表情は確実に変わってきた。当初は、皆、期待に満ち溢れた表情であった。しかし、毎日同じ繰り返しの生活に退屈し、慣れない食事に憔悴し、厳しい現実に振り回される事で、確実に焦りと疲れが表情に蓄積されてきた。その中で、黙々と図書館に通い続ける人、アメリカ人の中に溶け込もうと積極的に話しかける人、自分をこちらでの生活に慣れさせるのに苦労している人...その状況は様々だ。ただ、「帰りたい。」...その言葉は、まだ誰の口からも聞いていない。誰も口にできないのだろう。実際、理想と現実のギャップは大きく、当初の予定を大幅に変えざるを得ない人が大多数で、不満と不安に気持ちが覆い尽くされている、というのが正直な皆の現在の状況だろう。しかし、なにかしら夢や希望を持ってここまでやってきたからには、なにかを得るまで帰るわけにはいかない...その意地を通す為に、歯をくいしばって、現在の状況に立ち向かっている。....僕もその一人だ。

 先がどうなるのかは、まだわからない。しかし事実、時間は進み、現実は、僕達に決断を迫る。そんななか、自分にとって最良の決断がくだせる様、一日一日を大切に過ごしていきたい。...レポートというよりも、感情論に走り過ぎた気もしますが今回はこれで終わります。


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