バスにひかれた場合。



 京都の道路は、常に混雑していて、混乱している。これは、
*観光地であり、公共市民バス、タクシーが異様に多い。
*独り暮らし大学生がやたら居て、彼等の原付自動車、二輪自動車数がやた  ら多い。
 の二点から来ている。しかも、この2大勢力のマナーがどちらも最悪で、常にお互いを敵対視しているから更にタチが悪く、道路は、常にブッブーブッブー...という状態。

 僕も例に洩れず、原付に乗っていて、その日は、遅れそうで学校に急いでいた。その時、後ろからブーっと音が...市民バスである。

 車の制限速度60kmを保って走っているのに鳴らされる筋合いはない...少々、頭にきた僕は、絶対抜かれへんっと意地になり、路肩に寄って道を譲る気は一切なく、思いっきり前を走ってやった。

 そしたら、向うも意地になったのか、僕の後ろ1、2mにピッタリ着いて、マークしてきた...大人気ねーなぁ、っと思いながら真ん前で走り続けてると、向うはバス停で停止...思わず、ニヤっと笑いながら後ろ振り向いて、運転手に手を振ってしまった...あれがアカンかったんやろなぁ。

 それから、普通の速度に戻してシバラク進んでると、後ろに殺気が...さっきのバスである。やべぇ、狙われてる...雰囲気でわかった。でも、無茶はしてこないだろう...そう思ってたが、京都のバス運転手をなめていた...グングンせまってくる。さっき以上に近い距離に。

 その後、僕が、右折するトコに来たので、右折表示をだし、右に曲がろうとしたその瞬間...ヤツは、確実に狙っていた...そのバスは、僕を追い抜こうと対向車線に出て、スピードを上げ、右に曲がろうとした僕と激突...愛車、ジョルノと共に、ふっとんだ。

 体の丈夫さと悪運の強さには、絶対の自信がある僕はかすり傷程度...原付きも、傷と、照明が壊れるだけで済んだ。でも、感情はそうはいかない...完全にきれてた。...でも子供でした。こういう時の大人のズルサはホントにすごいなぁっと思った。うまーく、コントロールされた。

 運転手のオヤジは、まず、僕をバスの中に入れて寝かし、全ての乗客を他のバスに乗り移し、平謝りながら、カレの家族構成や、自分のツライ人生について僕に語った。事故の事には、”もう少ししたら、関係者が来るから待って。”と言いながら。関係者って俺とアンタだけちゃうの?と思いながら、オヤジの人生論がちょっと面白くて聞きいってしまっていた。不覚...

 そして、そのオヤジに少し感情移入し始めた頃、なぜか関係者と呼ばれる二人組が現れた...そこからは、そのオヤジはかやの外。一生懸命、法的手続きの煩雑さや、原付の損傷具合が軽かった事を強調しながら、今、3万円で、終らそう、っと持ちかけて来た。その時、学校にいかなければならず、時間を気にしていたのと、オヤジの話術によって、感情移入してしまっていた僕は、その提案にノッテしまった...

 今、思えば、あの2人は、バス会社専属の示談のプロだったんだろうなぁ、と思う。後で友達に話すと、皆、もっとゴネれば、もっと賠償をひきだせたのに...と言ってくる。...確かにそうかもしれないが、あの時の空気には、その気をうまい事そぐ雰囲気があった...多分、市民バスの事故マニュアルにまんまとはめられたんだろうなぁ。なんせ、あの時はまだ若かった...3万円は、皆で焼き肉食って消えた。

教訓:*運転手のオヤジの言う事に耳を傾けてはいけない。

   *もめ事をメンドくさがって、早く終らせようとすれば、向うの思う
    壷。

   *ひかれたくなければ、妙に相手を刺激しない...特に京都の公共交通        
    機関。

   *示談金を手に入れた事を友達に言うべきではない。たかられる。


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