ケルトの夢

ケルトの夢

ぼくんち

観月ありさ/ぼくんち デラックス版

観たのはずっと前なのですが、マンガ原作の映画のことをぼんやり考えていて、思い出しました。


監督は阪本順治

これはいいですよ~
でも、好みが分かれるかも知れませんね。



もちろん、原作は大好き。はっきり言って傑作です。

ぼくんち(全)


最近、ちょっと安易な路線で稼いでる気もする西原さんですが、この作品は、私が審査員なら芥川賞を差し上げます。

ビンボーな人の吹きだまる港町の中でも、1番貧乏な二人の兄弟。
ある日、急にかあちゃんが、お姉ちゃんを連れて帰って来た。
ところが、かあちゃんは出て行ってしまい、家も売られてしまう…

弟の二太は無邪気に姉に甘えるが、兄の一太は複雑な思いで、チンピラ・コウイチの手ほどきで自立しようとする。


原作は4コマの連作。不思議な味わいがあって、しょーもない人々がいっぱい登場する。
その雰囲気やキャラクターをすごくうまく生かして、ちょっとシュールで叙情的な作品に仕上げています。


ヒロインかの子に観月ありさを持ってきたのが大成功だと思います。
パッケージ見てくださいv
このありえない、手足の長いオサレなプロポーションを。
そして、とんでもな母は、ゴージャスな鳳蘭さまですよ。


このキャスティングが、物語にお伽話のようなニュアンスを与えています。
原作が、すごい内容を可愛い絵柄で描いているのと同じ効果ですね。


そして、二人の子役が秀逸なんですよね~

たくさんのヘンテコな人々とふれ合いながら、兄弟は育っていきます。

非合法のたくましい商売を手広く行なう、乱暴者のチンピラを真木蔵人、二太が思いを寄せるさおりちゃんの父で、ビニルハウス(!)に住み、コウイチくんの下請けで暮らす情けない男ヤモメを岸部一徳が好演。


幻想的な映像や心象風景が効果的で、物悲しくもたくましい物語になっています。


西原さんも出演されてます(笑)


<追記>

なるほど~
ネットで映画評見てたら、原作ファンの方で、「ミスキャスト」と言ってる方がいました。「短絡的なファンタジー描写があった」とも。

それはきっと真っ当な意見ですね。この作品の持つテーマに、がっぷり取り組んだ、リアルな映画を期待されたのですね。
それはそれで、もっとも。でも、私はきっと観たいと思わないし、ありきたりに陥りかねない。

私はこの映画のキャストをかいますv

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