りらっくママの日々

りらっくママの日々

2009年07月16日
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カテゴリ: ある女の話:ユナ
今日の日記



<ユナ11>



私はその報告も兼ねて友達と飲みに行くことが増えた。
エンゲージリングをはめて行くと、
友達は「キレイね~」とか「いいなぁ~」って褒めてくれた。

居酒屋で私達グループに男の人たちが声をかけてきたけど、
薬指を見せて、
「コレなんですよ~。ごめんなさいね!」
って、言うと、
「なんだぁ~。残念~!」
って、みんな気がいい感じでひっこんでくれた。

以前みんなでいた時にナンパされて断った時は、
「何だよブスっ!」
って言う男もいたから、
こういうのってお互い気分がいいものなんだと思った。

「水戸黄門の印籠みたいじゃんね~!」
って、友達が楽しそうに言った。
早く結婚したがっていた友達より、
私の方が先に結婚しちゃうなんて変な感じ。

キチンと結婚することが会社に公になると、
今度は独身最後に飲みに行こうと誘われることが多くなった。
意味わかんない。
人間は限定品に弱いんだろうか?

でも、そうなるとかえって行ったとしても、
色気も素っ気もお互いに無い。
もちろん男の人と二人きりでってことは避けたけど。
大勢の中で男の人と話すことになったとしても、

どうして結婚することになったかとか、
式場どうして決めたとか、
だいたいいくらするものなんだろう?とか、
会話が結婚に関する不思議でいっぱいだった。
ちょっとした芸能人の記者会見気分を味合わせてもらった感じ。

中には所帯持ちの男性が、奥さんの話を出してくるようになった。
一気にこっちの世界の仲間入り?
今までは話しても、
独身の女の子にはわからないだろうと思われてたのかもしれない。

家に帰ると母親に言われる。
「そんなに飲みに歩いてて大丈夫なの?
フジサワくんに怒られない?
ダメにならないわよね?」

私は水を一息に飲んだ。
フジサワくんだって、今頃会社の人たちと飲んだくれてる。
人のこととやかく言えないだろう。

「いいじゃない。ダメになるなら結婚する前の方が。」

「確かに、その通りかも。」
弟が笑う。

「物騒なこと言わないでよ~。」

お母さんは、心配そうな顔をしたけど、
そんなこと言える位なら、
相手に振り回されてなくて大丈夫なんだろうと判断したらしい。
「まあ、それもそっか。」
と笑った。

「だってさ~。
角のお姉ちゃん知ってる~?出戻ってきちゃったのよ…」

お母さんの近所ネットワークニュースが始まる。
うちもニュースに加わるのが嫌なんだろうな。
一応釘を刺してる気がした。

指輪を見て思う。
ホントにキレイ。
私結婚するんだなぁ~。

結婚するから大丈夫。
そんなの保険に入ったから死なないワケでもないのに、
微妙な安定感と幸福感が私を包んでいた。

結婚式の当日は快晴だった。
フジサワくんの家は、
うちの親と会う時も、結婚式の時も、
ちゃんと父親が出席して、
まあ普通なんだろう…と思う結婚式になった。

フジサワくんの上司が自分達の経歴を読み上げる。
これが結婚ってものなんだ?
って思わされることばかりだった。
何だか自分の人生じゃないみたい。
架空の物語を作りあげているみたいに、
結婚式が進んでいく。

まあ、いろいろお互いの親から口をはさまれたけど…。
しょうがないよね、わからないことだらけなんだもの。

まるで学芸会で、
お姫様役をやってるような感覚だった。
先生はお互いのお母さん。
でも、もう人生でこんなことは無いだろう。
なるほど、結婚式は人生の主役になった瞬間なのね。

そんなこと思った。
みんなが私を中心にしてくれるって、
何てステキな気分なんだろう。

みんなが酔っ払って、楽しそうにしている中、
同期グループの余興が始まる。
中心はヤッサンだ。

「ボクは、二人がまさか結婚するとは思ってなかったです。
今思えば、ボクがバーベキューの帰りの車で寝ている間に、
二人の恋が芽生えていたのだと思うと、
ボクが寝ていたことも無駄じゃなかったんだな~って思います。」

みんながドッと笑う。

「考えてみれば、
営業実習でボクとフジサワくんがいっしょじゃなければ、
あのバーベキューに彼が行くことはなかったんですよね。
でも、フジサワくんは、
ヤマグチさんが来るって言ったら妙に来たがってたし、
連絡先を知ってるなら教えて欲しいって言ってたし、
もう実習の前から、こんなにキレイなヤマグチさんを、
彼は狙っていたワケです。
知らなかったらボクも狙っちゃうとこでした。

あ、嘘です。すみません!

えっと、きっとどこからか、会うようにしてたと思います。
もうなるようにしてなったカップルだったんですよね。

フジサワ、ヤマグチさん、ホンっとうにおめでとう!
みんなで新居遊びに行かせてくれよ。
では、ゲームの説明をします。」

私は笑いながら、チラッとフジサワくんを見る。
フジサワくんもバツが悪そうに目を合わせると、
すぐ逸らせて笑顔で余興の説明を聞いていた。

連絡先を教えて欲しい?

どういうことなんだろう…?

私はフジサワくんと、同期会で電話番号を交換したのに。
後で聞いてみようと思った。

度重なるハプニングで冷や汗状態と無我夢中の中、
結婚式が慌しく終わり、
二次会の会場へ。

フジサワくんが手を繋いでくれると、
とても幸せな気持ちでいっぱいになった。

「ね、何だかすっごい幸せ。
フジサワくんも幸せ?」

移動のタクシーの中で小声で聞いた。

「ずっと思ってたんだけどさ、フジサワくんは変じゃない?
ユナだってもうフジサワなんだから。」

「だって、フジサワくんで慣れちゃったんだもん。
何か今更言いづらいよ。」

「そう?まあ別にいいけどさ。」

「じゃあ、サトシって呼ぶようにする。あ、サトちゃんは?」

「サトシがいい…。」

うふふ!って笑った。

「ねえ、さっきのヤッサンのスピーチなんだけど…」

私がサトシの顔を見ると、
あ、やっぱりな~って顔をして、言い訳を始めた。

「ごめん、実はさ、シャツの中に紙入れてて、洗っちゃったんだ。」

「そうなの?サイフにしまってなかったっけ?」

「よく覚えてんな、そんなの。
一度出して確認してそのまま中に入れちゃったんだよ。
まあ、いいじゃん。
ちゃんとオレたちは結ばれる運命だったんだよ。」

タクシーの運転手さんに聞かれてるんだろうと思うと何だか照れる会話ばっかり。
でも、もういいや~って思った。

「うん。そうだよね。」

手の繋ぎ方は相変わらず指の間に指をからめるものだったけど、
もう慣れた。
これからはずっといっしょだ。
どんな繋ぎ方だっていい。







続きはまた明日

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最終更新日  2009年07月16日 19時39分58秒
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