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この中では、度数計算装置ではドイツのカールツァイス社のIOLマスターがやはり測定率が一番高いこと、日本のトーメー社のOA-1000(当院で稼働中)は測定率ではIOLマスターに僅かに及ばないこと、また前房深度の測定方法が他社のマシンと異なるので第4世代の計算式(HaigisやHoliday2)を使うときには注意が必要なことなどが説明されました。
レンズの度数計算には多くの式があるわけですが、眼軸長22.5~26.0ミリの通常症例では結局普遍的なSRK/T式で良いとのことでした。(ただ私の開業している地域では眼軸22.0ミリ以下の短眼軸の方がザラにいるのですが、、、、)
また、短眼軸や標準眼軸の方は正視を希望することが多いが、24.5ミリ以上の長眼軸の方は約半数が近視を希望するので注意が必要、との指摘がありました。とにかく手術前に患者様の希望をしっかりと確認することが大切であり、その際「テレビが好きですか?、それとも新聞が好きですか?」と質問し、テレビと答えた方は正視を、新聞と答えた方は近視を狙うと良い、とのことでした。
次に乱視矯正用の「トーリックIOL」については、「乱視度数が大きい、左右差が激しい、斜乱視」が良い適応であること、正しい角度で眼内に入れることが大切で、30度ズレると矯正効果が0になってしまう、ことなどが勉強になりました。
更に最近急速に広まってきたと言われる「多焦点(遠近両用)IOL」については、2010年末の段階で全白内障手術に占める割合は日本では未だに1%未満であり、アメリカでも6~7%に過ぎないということが説明されました。これはやはり多焦点IOLは術後のグレア(光がまぶしくてにじむ)、ハロー(光の周辺に輪がかかって散乱して見える)などが多いことや、暗いところで見えにくいという弱点、また価格が高額であることがネックになっているのだろうとの事でした。
このようにして「JSCRSウインターセミナー2011」が終了しました。全体を通して非常に勉強になりました。初めて知ったこともたくさんありましたし、知っていることでも改めて聞いて復習・確認できて良かったです。来年も出来る限り再参戦したいと思います。
皆様、学会旅日記にお付き合い戴き有難う御座いました。
(JSCRSウインターセミナー2011参戦記 終わり)
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