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年末にたくさんお供えものをいただきました。 なんでも頂くと勝手に開けないで、まず仏様にお供えします。宅急便屋さんがくると、だいたい若者が飛んで出て行き、本堂か観音様のまえでチーン!と鳴らしてきます。 生活の中に仏様がある暮らし、の良さに気づき始めた今日この頃です。なにかお願いごとをしても仏様に感謝し、意見の食い違いがあっても個人が争わず、間に仏様を立てます。ホトケでもカミでも、人間界を離れた存在が必要、それをまた人間が創り出したことに叡智を感じます。 頂いたものの箱を開けると、様々な乾物やお菓子や調味料が出てきて大喜びのみくさん。使うより開けるのが楽しいようです。 いつの間にかビニル風呂敷まで被っていました。
2014.02.07
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畑に行ってきました。 うちの首脳陣がんばりました!研究していると、畝作りもだんだん上手になるものですね。 始めは鍬を使ったことがなく体に馴染むまで、頭をひねりながら使っていた若者たち。「あんまり持ち上げないで、土だけ寄せてごらん。」「あちこちやって進まないで、順々に、真っ直ぐになるように。鍬の角度によって土に入る手応えも違うから、よく感じてごらん。」… 本当に慣れている人は、薪割りにしても、最少限の力で事をこなして行くなあと思います。やっぱり、それで単純作業も長く続くのですね。 帰りの車の中、「いやあ、俺は今日は幸せだ!」としみじみ言うのでどうしたのかと思えば、畝が真っ直ぐに作れたからだと言う。 こちらまで和むひと時でした。
2013.05.15
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今朝はマイナス3度。目を見張る寒さです。 でもその分日中は春らしい陽気で、若者4人を連れて畑に行ってきました。借りている広い土地で伸び伸びするのか、みんな行くのが大好きです。トラックに乗っているところから、大騒ぎでした。 まずは畝作り。やったことのあるひともない人もみんな一緒です。棒を立てて紐を張り、真っ直ぐな畝を目指すのですが、何しろ鍬も使ったことがない人もあり、ゆっくりやります。 そしてどんな野菜を植えるかで畝の大きさを決めることを説明して、黒いマルチをかけました。一つできたところで、おやつです。 Jさんには畑に張った紐を、終わったので枝に巻いてもらいました。それが説明しても、目を離した隙に何故か紐が長くなって 、逆回ししていました。向こうに向かって進み、だんだん短くならないとおかしいんだよ、と教えます。それからピンと張って巻くと巻きやすいことを教えますが、巻くスピードと一歩前に出るのが合わずに弛んでしまいます。それを面白おかしく教えるのも一工夫です。 わかるのが当然ということを次から次に崩され、いつも勉強になります。 でも、みんな笑顔で帰ってきました。こんなお天気が続くといいのになあと思います。
2013.05.08
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三年近くお世話になった仮設の台所を取り壊しました。夏の間にどこからともなく漂っていた鼻が曲がるような臭いの原因はここに… 右側のグレーゾーンはヘドロで、たぽたぽしていました。臭うとはわかっていながらもついつい近寄って行って、その辺の枝でかき回す私。みくさんに見つかって、「あー、慈光さん遊んでるー!」と。 建物自体も傾きかけていたので丁度頃合いです。人間が流す汚れ物を間近に見て、顔をしかめるばかりか考えさせられる光景でした。
2013.04.16
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一週間の托鉢に出かけてきました。千葉は菜の花が咲き乱れ、もう春を満喫。庭先にも街頭を歩いても足弾む季でしたが、東北に近づき日本海側に入れば、一気にモノトーンの世界でした。 でも、春分の日も過ぎて朝の禅堂が明るくなり、時が着実に過ぎて行くのを感じます。 新しいお寺では、あとは完了検査を待つばかり。 早速お風呂から使い始めました。まだまだ慣れずに借り物のように大きなお風呂に入っています。せっかくの木のいい匂いも、これまでのサボりがちなMくんの掃除ではすぐに苔も生えてしまいそうです。 と、早くから我が家のように感じたまきこさんがお掃除がかりを買って出てくださり、毎日きれいにしてくださっています。 これまで以上に掃除場所が増えて、これからどんな担当でいくのかみんなで話し合いです。 何にもしないのは、ルール違反。わかっていても掃除の時間に起きて来ない人もいます。すると一緒に住んでいる子どもの方がはっきりしっかりしています。「もっと早くきてください。ちゃんと起きてください。」仕事に行く大人が、子供に注意されるシーンも出てくる、不思議なところです。 この生活共同体を保つのに、どんな風に力関係が出来てくるのか、また一つの岐路にいるようです。
2013.03.24
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月刊誌「大法輪」の1月号にパパラギの里が、写真入りで掲載されています。 昨年から宗鑑さんを 取材してきた山本さんは、里のよき理解者で、その文章も裏表なくそのままに書いてあります。 公に和尚様の写真が出てくるのも、初めてでしょうか。 今なら本屋さんにあると思います。よろしかったらどうぞ、手にとってみてください。
2012.12.09
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今朝も冷えました。真っ白です。あちこち凍って、霜柱もギシギシ。これでアスファルトの道路まで上がってしまうのですから、凄い力です。 恒例の一日、神社掃除も落ち葉が多くて大変。午後までかかってゆく秋をたっぷり味わいました。 帰って竹箒も終おうと小屋を開けたらびっくり。托鉢に出かけている間にもらったらしいお野菜やうちでとれた大根が山積みされていました。背の高い人の仕業とすぐにわかります。地震などで崩れて来ないといいのですが。 でも、まあ、たくさん。有難いことです。ちゃんと凍らせないように保存されますように。先日は九州からも自家製のメロンが届きました。ハウスでしょうか。でも今頃…と感心しました。 「凄いでしょ。パワーだ。」洗いものを終えたみくさんの手から湯気。操れるんだよと必死に手に力を込めています。ほらーさっきより一杯出てきた!と。 どこまで本気に言っているのかちっともわかりませんが、シーンとして見ていると、あー、慈光さんクールになって托鉢から帰ってきた、と騒ぎます。 平和な毎日です。
2012.12.01
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手も足も冷たくなってまいりました。今日は小雨の托鉢です。 かかとに出来たヒビが少々痛くなって、冬よ来たなあと恒例のことながら渋っております。でも出発前にみくさんに「あのっ、ねーっ、私、頑張るから。決めたもん。だからー、慈光さんもがっぽがっぽ…!」と励まされましたので、忘れずに頑張りましょう。 とある美容室から小さな男の子を抱っこしたお母さんと、小さな女の子が出て来てくれました。そして一人ずつ入れてくれましたので、男の子の頭をなでなでしました。お母さんの後ろに引っ込んでいたお姉ちゃんの頭もなでてあげると、近寄ってきて、「ギュッとしてー。」と笑いました。ギュッとはダメだよとたしなめるお母さん。 鉢を持ったまま女の子にギュッとすると、ちょっと笑いました。「バイバイ。」手を振る女の子とまた一期一会、お別れです。 次のお家に向かいながら、うちのみくさんを思い出しました。同じような女の子に会ったよー、と言ってあげようと思います。うちは、大人だもんと言われそうですが、さて、自立は 進んでいるでしょうか…。
2012.11.23
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寒くなってまいりました。先日の星がきれいな夜も、もう寒暖計は零度をさしていました。冷たい廊下も風のように歩いています。里の中では、足の指がしもやけになった人も出て来ました。 そんな中、元気に作務をしていたみくさん。氷を見つけました。落葉松の葉っぱが散りばめられています。その日は、初霜だったでしょうか。あちこち真っ白でした。 それから急にお腹が痛くなって、一日休んだみくさん。夕方になってまたいつもの写真のような格好をして出てきました。朝の坐禅とお掃除は、ちょっと風邪を引いてても休まないって自分で決めたんだー!とのことで、それからお粥を食べずに寝ました。 最近は勉強が始まり、お習字が始まり、頭をよく使うようです。おやつの時間、トトロさんが作ったチーズケーキをいただく時も、12等分したのですが、包丁は何回入れるのか、と算数が始まりました。 しかしお口に入るまで相当の時間が必要でした。 まず丸いケーキを八等分するのも難しいようで、4等分のあと、縦に線を入れようとしていました。 その後、食べながら、じゃあ一人に指が十本あります。ここに四人います。指は全部で何本ですか?という問題を考えました。10+10+10+10ということは、ようやくわかったのですが、次に10×4に繋がらなくて、教えるのも少しゆっくりにしました。どういうことがわかって、どういう理解が難しいのか、そばにいて見ているつもりです。 生活の中で何でも勉強です。 朝、起きたらカーテンは開けるものだよ。トイレで手を洗ったら、ちゃんとタオルで拭くんだよ。ズボンの中にシャツを入れてお腹が出ないようにパンツが見えないようにするんだよ…いろいろあります。私もね小さい頃家であまりに自由奔放に育ったから、外に出てから身だしなみを教えてもらったんだけど、大変だった。今のうちにちゃんと身につけておいた方がいいんだから… 心は花マルのみくさんです。はーいと素直に聞いて、その時は濡れた手を私の作務衣で拭くのはやめたようですが、明日から実行出来るでしょうか。 さて、 今晩も風がざわめいています。 多くの人が安心のうちにお休みになれますように。
2012.11.16
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岩手山にも何度雪が降ったことでしょう。かなり麓まで雪が降りてきています。写真は雲から雪へ、境目がありませんが、よーく見るとわかります。 今日、三年半の里人生活を終えて、一人の若者が家に帰って行きました。 昨日の夜は里人総出で、見送り会。始めに15分くらい静かな時を持ちました。ロウソクの灯の中で、彼との思い出に、そして精一杯贈る言葉に思いを馳せます。それから、一人一曲ずつカラオケで歌を歌いました。 86歳のおじいちゃんから、15歳のみくさんまで、アニメの歌あり、童謡あり、歌謡曲あり、みんなそれぞれが里の特徴です。 これからどんな風に生きて行くのでしょう。今からでもまだまだ壁にぶつかる時はあるでしょう。絶叫したくなっったり、壁に穴を開けてしまうような衝動があるかも知れません。何処に行っても、道場です。 新しいお寺に掲げられた看板、「諸行無常、諸法無我、百尺竿頭一歩出よ」それを最後の贈る言葉にいたしました。里が遠い時は、どこでもいい、近所のお寺に駆け込んでくれたらと思います。 今日を別れと呼ぶならば、また出会いがあり、今日を終わりとみるならばこれからが始まりです。 とある人がカラオケの最中に、声を大にして言いました。ーーーー二丁目に引っ越すだけだよー!と。またお会いすることでしょう。
2012.11.03
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紅葉!と楽しみにしていたトトロさん、せっかくの休みでしたが悪天候と体調不良の人が重なって、3人だけで八幡平に出かけてまいりました。 上の方は色あせ始めていて茶色も多く、ハッとするあの美しさには出会えませんでした。かえって霧のモヤモヤした中で、遠くにぼんやりとした紅葉を見たり沼が出現したりして 喜んでいたトトロさん。みくさんは紅葉よりも一緒に出かけることとおにぎりが楽しみで、車の中ではしゃいでからあとはずっと寝てました。 最後に降りてきた松川温泉の辺りでようやく、旬に近づいたかなというところ。車の中でお昼にして、温泉も入らずにお昼寝タイム。風に揺れるモミジが余計に活き活きして見えました。この雨ですっかり散る日も近いのかもしれません。山の上は、木を上から見れるのがすごいですね。 毎年会う、ゴツゴツのブナの大樹も健在でした。 きっと年をとって出かけられなくなったら、庭のモミジで十分になるでしょうねーまたそんな庭を作りたいと思います。 冷たい山の空気をたくさん吸って、さて托鉢に出かけるとします。
2012.10.23
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"色"を見に行ったのですが、少し旬を逃したようです。加工写真ですみません。 風に舞う落ち葉と、薄色のアーチを車で通り抜けます。近くでみるより遠くから見た方が寂しげで、晩秋にぴったり。でも、歩いて見たい道でした。
2012.10.23
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雨風凌ぎつつ八幡平の頂上まで。 前はここから枯木を庭に拝借しておりました。 その迫力は、やっぱり持って帰った庭で一番感じます。突き刺すような枝の鋭さ。枯れてなお、意志を感じさせる孤独ぶり。そして自然の広大さ。 前はホテルの跡地として荒れたままになっており、忍びやすかったのですが、今はすっかりきれいに整理され、一部にはおそらく救助用のヘリが 出番を待って鎮座してました。
2012.10.23
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今日も元気なみくさんです。 ご両親がいらして、一ヶ月ぶりにご対面です。お母様が近寄ったら、恥ずかしい!と柱にしがみついていました。微笑ましい光景です。 坐禅には必ず起きてくる、頑張り屋さんです。何軒かアルバイトも面接しているのですが、なかなか決まりません。15歳ということもあり、高校も行っていないので、絞られてくるようです。 それでも少しずつ、社会に出るのは大変だなあと思い始めたのか、100円の問題集を買ってきて、開き始めました。 前にいたたいよう君は(小学校六年生でしたが)、彼は学校に行けなくなって勉強も遅れてきていたのですが、本屋さんに行くと、いつも読めないような難しい本を買ってもらうのが好きでした。不思議と高校の歴史の入門書だったり、お坊さんの生き方の本だったり。もちろん漫画もでしたが。表紙の絵で選んでいることもありました。 彼は自分が出来ないせいなのか、理屈のたつ知識のある人が好きでした。純粋で心は綺麗でも、どもったり時々わからないゆうくんには距離をおこうとするようでした。そんなことをちらちらと思い出します。 みくさんはそんなことはないけれど、自分がわからないということに対する危機意識が低く、その分悩んでないのかもしれません。6年生の問題は、正解率が50%くらいです。これまでは家族の人も勉強が進まなかったこと、さほど気にならなかったようです。 これから少しずつ勉強を始めて、果たしてどのくらい身につくのか、挑戦です。
2012.10.21
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生命の現実、とはいえ…。 先日里でご縁があった、「Moku」という雑誌、なかなか真面目ないい本でした。2冊ほどバックナンバーを頂いたのですが、その中に動物の死骸をテーマに写真をとっっている方が特集されていました。 今、お貸ししてしまって手元になく、何月号かご紹介できないのが残念です。 その特集では鹿でしたか、そのくらいの動物が森の中で倒れているところから写真が始まります。そしてそこに野生のタヌキがやってきます。そして食べて行くところを時間の経過と共に、何枚かの写真で、記録に残してあるのです。 最後は白骨になって土に帰るまで。 哀しいとか汚いというよりも美しいと 魅せるほどのものであり、また生命の循環を思わずにはいられませんでした。なんの解説も言葉もいらず、ただじっと向き合うだけでいいのだと思います。 そう、あの3月11日の後被災地に伺った時、おくまったところにあるテントが遺体安置所になっていましたが、その隣が校庭で、子供達の元気に飛び回る声が響き渡り、とても印象的でした。 雨の夜です。 静かに、雨音を味わってから休みたいと思います。
2012.10.17
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奥入瀬にて 慈光さーんとみくさん。 あ、しまった後ろでゆうくんが…
2012.10.16
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今日はみくさんのアルバイトの面接日。昨日からみんながいろいろとアドバイスして、元気に出発しましたが… ちょうど用事で道を通り、帰りに歩いている彼女を見つけ拾いました。開口一番、「筆記試験、全然かけなかった。やっぱ好きな食べ物とかじゃなかったー。」と。 あららら。昨日の夜に話した時に、漢字とか計算とかが出るんだよと教えましたが、本当に好きな食べ物という質問がでるかなと期待していたとは。驚きました。「棚卸しもね、たなごって書いちゃったし、じこしょうかいも書けなかった、あ、じこは書いたよ。自故って。」自慢げな、みくさん。すでに自己が間違っています。これはダメそうだなあ。 結果は10日後。長いこと。 でもみくさんはめげずに、それから着替えてくると、池で作業していた私と一緒に、網でゴミすくい。裸足になって冷たい池にはいりました。いいや、これ濡れても、と嫌がることもなく。 私は今日は池の水を循環させたかったので、冷たいと言ってられません。水深30センチはあったでしょうか。雨水と井戸水で溜めました。 いよいよポンプをつないでコンセントを差し込みます。 あー、!一回目は繋ぎ口から噴水のように水が溢れました。失敗。でも3どやりなおして、10日ぶりに庭に水音が響きました!嬉しいなあ。庭のもみじも少しずつ色づき始めています。 なるようになるね、なるようにしかならないね。 その、時がある、ーそう思っています。
2012.10.14
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最近の岩手山焼走りの写真です。山の上までポツポツと観光客も上がっているようですが、紅葉まであと少し。 溶岩の後のだだっ広い道に立って、しばらく佇んでまいりました。
2012.10.12
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水漏れする池を補修する毎日です。 トトロさんは近所に就職が決まり、今朝6時から仕事始めです。おいしいケーキ屋さん、残ったらもらってくるかなあと、みんなもにこにこ。 みくさんも、毎日楽しいーと言いながら、私にべったりしています。高校で友達関係に行き詰まり、休学して 住み始めました。でもこんな純なハートが曇るのは勿体無い。ここに暮らしてあっという間の一ヶ月。だんだん正座も坐禅も慣れてきたようです。 この写真は、本人もいつ撮られたか知らないよーとのこと。どこか幼なさが残る彼女。食べることと寝ることが大好きで、たった今まで笑っていたと思ったら、もう寝ているということがよくあります。 実は、この写真も池の底で寝ています! 直前まで私が隣でセメントを片手に石を組んでおりました。そこにみくさんは、出かける準備をしてくっついてきたものの、そのまま折り曲がって寝ています。 上のトトロさんも一緒にお話していましたが、これだけみると、何かの新興宗教みたいだなあーと。 笑いの絶えない毎日です。
2012.10.12
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左のリンは、専ら人のご飯をもらい、右のムツは、ねずみが主食です。 食べ物の相談、ではなさそうですね。
2012.10.10
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奥入瀬渓流を歩くトトロさん。 歩道から外れて常に川へ。 川に入らないと見れない風景があるんだ…と。
2012.10.07
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水を流す直前の、滝の様子。 滝の向こう、空のしたが渋民の町です。愛宕の山も借景になるかな。
2012.10.07
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滝のところを横からみると… 右に映るイロハモミジが一番のお寺の木になるでしょう。葉の形も小さくて可愛らしく、ほんのり葉先が赤いのもお気に入りです。お供えされました。これから何十年のお付き合いです。
2012.10.07
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もう9月というのに暑い毎日ですね。 あまり暑いので今月初めに川に泳ぎに行ってまいりました。 ここは雫石のずっと奥のほうで、先日みんなで石を拾ったところです。午後から作業をするために、午前中に出かけて行ったのですが、着いた頃はまだまだ寒い。でも若者よ、せっかく来たので震えながらも飛び込みます。 さむーいゆうくん。しばらくして鳥肌が立ってきてかがんでしまいました。でも「慈光さん、友達に写真送るので携帯で撮ってください。」とのこと。えー。そんな寒そうな格好してないで、もっと素敵な写真を送ってあげたいのですが、なにせ寒い。脂肪が少ないのでしょうか。 宗鑑さんはひとり買ったばかりの、もりを持ってどこかに消えてしまいました。本当は釣って焼いて食べたいのですが… もう一人。ととろさん。俺は水でおぼれた記憶があって、トラウマなんだよね。今日は顔を10秒つけるのが目標なんだよ、のところ。 しばらくその体制で川を眺めてから、写真を一生懸命撮っていました。このアングルいいなあ、と。 川自体は少しにごっているところもあり、藻が生えていました。 最後は私も少し川にちゃぽん。高校以来でしょうか。 昼頃になって、ようやく作ってきたおにぎりが傷まないかを心配するくらいのお天気になりました。冷凍ジュースとおにぎりでお腹を満たし、心も満足して元気に帰路に着きました。 お魚は…次回に乞うご期待ですね。
2012.09.14
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毎月恒例の小冊子の袋つめ。 父と子ほど年は離れている二人ですが、まるで同級生のように、話が合うみたい。里はいつも大家族です。
2012.09.11
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この夏から里の住人になったミクちゃんです。 何やら機械に興味があるらしく…。高校に行き始めたもののつまずいて、親元を離れ、一人で里にやって来ました。 「慈光さん、次に生まれて来るなら何がいい?」「えーっ。」「私は、スパイダーマン!」 一日に何回かスパイダーマンが登場します。スパイダーマンの存在すら知らなかった私ですが、何となくクモ人間かな?と想像します。今のところ順調な彼女、一人で起きて、坐禅と作業と、そして木登りと。 楽しそうです。
2012.09.11
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ここ数日、部屋の改装に夢中です。この托鉢に出かける私の向こう側の、この奥に、始めに紹蓮さんが住んでいました。紹蓮さんはすでに修行に出かけていて、そのあとお坊さんになった紹雲さんが住みました。 部屋が出来たときはちょうど本堂や禅堂の壁塗りも同時に行っておりました。みんな和尚様を手伝いながら仕様を学びます。すると和尚様は「おまえたちの部屋はおまえたちの好きな色に塗りなさい。」と。隣り合って宗鑑さんと私と3部屋。どの順番で塗ったのか定かではありませんが、おそらく紹蓮さんの部屋が一番だったのでしょう。もともと紹蓮さんは意見を言わないほうで、誰かが「こんなのどうかしら?」と聞けば、「あ、私もそれがいいと思っていたんですよ。」と答える人です。それでその時手伝っていた人がみんな好きなように紹蓮さんの部屋を塗ったので、とんでもない出来上がりになりました。ベースはエメラルドグリーンの薄い色なのですが、そこに濃い緑で電車が走っていたり、黄色いお月様があったり、櫛のような道具で模様があったり…。そして紹蓮さんは柱を薄い黄色で塗りました。よくそこに2年近く住んだなあという感じでした。 その後、統一感がないととんでもない部屋が出来るということを教訓に私と宗鑑さんの部屋が塗られました。私は黄色の暖色系で、宗鑑さんは蔵のイメージで、わらをすき込みました。 さらにその後、引っ越した紹雲さんが物入れのベニヤ板に、油性の原色でグロテスクな抽象画を描いたので、他所の人をお泊めするには相応しくない部屋になってしまいました。和尚様が創り上げるものが素敵なことはわかっても、実際に自分がやってみるとなると、寒い感じや冷たい感じがしたり、ちょっとうるさすぎたり、難しいものです。 今回新しく塗りなおすので、まず壁の凸凹を削り落とします。重ね塗りの下地つくりは一人でやったことがないので、試行錯誤、真っ白になりながら進みます。 昨日と今日は、友君と一緒にやりました。 果たしてどうなることやら…、です。 夏に向けて、また新しい里人が増えそうな気配です。部屋も足りなくて、ここは客室になる予定。今度こそ落ち着いた居心地のいい和室になりますように。
2012.06.13
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今日は午後から雨が降ったり止んだりのお天気でした。9のつく今日は、お休みで、トントンと大工さんの働く音だけが響きます。夕食の時間に合わせて、仕事の人も、出かけていた人もみんな帰ってまいります。台所では、今日のお当番さんが夕食の支度中。 帰ってきたのは、人ばかりでもありません。 みんなの時間に合わせて、りんもしっかり帰ってきます。もう食べすぎでお腹がまるまるしています。あら、そんなところで水飲むの? ところで今日の気になるお夕食は、これ。とってもいいにおいの、ニセアカシア。「もう黒くなってきてそろそろ終わり。」とともこさんが裏街道から採ってきてくれました。 そして… 食べてみると、大半は衣を食べているような感じですが、ほんのり甘い香りがします。美しいものは何でも、食べてしまいたい!ということでしょうか。 この時季だけのご馳走です。
2012.06.09
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今日はいいお天気。緑がうっそうとして見えます。 Oさんと友君は庭仕事。庭師さんが持参してくださったリヤカーで石を運んだり、土を掘ったりしています。頑張っていますよ。 さて、だいぶ前に統合失調症のことで相談にきた30代の女性。里に住みたいようだったが、今は部屋もないし、かかりつけの病院で精神的な薬も飲んでいるということで、お断りした。 それから時々何かあると電話がかかってくる。なぜか偶然私が電話に出る。「旦那と相談して病院変えようと思って行ったんですけど、受付の人に、一度病院変えたらもうここには戻ってこれなくなるって言われて、やっぱり止めたんです。 私は朝早く起きるともう寝付けないし、買い物とか出かけたくなってしまうし、旦那も起こされて困るから直す薬もらいに行ったんです。そしたら、それは薬ではなおせないよって言われてしまいました。でも、今までと違うように薬の種類を替えてもらいました。」 うん、うんと聞くもののなんと言っていいのかわからない。先日、今度は突然そのお友達からかかってきた。「私はね、一生懸命やせるように努力してきたんです。なのに今日見ず知らずのおじさんに、「おい、デブ」って言われて。もう私どうしたらいいんですか。てんかんの発作が起きそうになっておばあちゃんに心配されたんです。ずっと泣いて友達に電話かけて話したんですけど、ここにかけたらいいって言われて。」 どうやら自分のところに相談されたものの、自分では答えきれずに里に回したらしい。確かにそうだろうなあ、と思う。電話口の声を聞くだけでも、トラブルの多そうな感じだった。 どんな人も受け入れたい、というのが初心だった。しかし、だんだんとそれが無理だとわかって来る。適材適所というのか、その人が行くべき場所というのがあるような気がする。そのことについては、私も納得して天に任せるというのか、さほど労して手をかけないし、心も砕かない。 最初の女性は最後にこう言った。「今日、障害年金がもらえるように決まったんです。130万って言われて。えー、なんで?って聞き返したんです。そしたら繰越分もって。それお母さんに相談しようと思って電話したけど、いま通じなくて。でも早く働けるようになりたいです。お母さんには、そんな風に聞こえないって言われますけど。」 里はみんなで協力して一日二千円の食費で13,4人分を賄っている。それでもお肉もお魚も食べるし、一ヶ月10万円あれば食費はおさまる。すごいなあと感心していた矢先だった。 行くところのない社会のおちこぼれを広い集められたような一種独特の里だけれども、目指すところは非常に高尚だ。 本当に求めているのは「全体の質を高めよう」とする気概のあるものだ。一人が成長すれば全体が成長する。一番の弱きものが健康ならば、この里は健康だ。 自分のことだけ考えていたら、なかなかこんなところには住めないけれど、ご縁のあるものが結局残って13,4人。 …ということで、生きていくことはこんなことにも耐えなくっちゃいけないのだ。
2012.06.07
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「慈光さん、いまどきの女の子が二人坐禅体験したいって、インターネットで調べて来たよ。今あっちにいます。一泊したいそうです。」と、ある日の午後。 今時の女の子? 私の出番?どうするかな… と思いながらご対面です。確かに化粧をばっちりしたつけまつげらしいぽっちゃりさんと、ビジュアル系と呼ばれるらしい細身の女の子が二人で「こんにちはー。」と元気に叫んでいる。岩手の沿岸に近いほうに住んでいるらしい。とりあえず上がってもらって話を聞いた。 二人は高校の同級生で大のプロレスファンという。24歳ということで、途中から話に参加してきた友君は「同い年」と大喜び。「プロレスとお寺めぐりって随分とにぎやかな趣味と静かな行いと間逆みたいですね。」と笑う。それでもプロレスに出会ってあちこちに出かけるようになり、そのお陰で神社仏閣も巡るようになったというから本人たちとしても、「プロレスに育てられました!」と。全くユニークだ。「高校を卒業して何をしていたの?」と聞いて見ると「きたー。」と二人が一斉に笑う。 大のプロレス好きが高じて、自分たちも別々の場所で実際にやって選手を目指したという。驚いた。 でも、そこで理想が現実に変わった。「覚えることが多いんですよ。覚え切れなくて。ノート持ってメモとるんですけど。バスの座り順とか、先輩後輩とか。」知らなかった世界にまた驚く。運動神経とか体力の問題かと思ったらそうではなく、上下関係や人間関係、女同士でややこしい、とのこと。それで諦めて帰ってきたようだ。 いろんな24歳がいるものだと思う。 それでもこれから派遣の仕事が始まる前に、一度お寺に泊まってこういうこと経験しておいたほうがいいよね、という発想は素晴らしい。 今はまだ猫かぶっていたいんです!といいながら、素顔からメイクに一時間くらいかけて、家に帰っていった。 また来るだろうか。 また逢うだろうか。 「私こども生んだ年だなあ。」と牧子さん。(私は、出家した年だなあ…) でもこの里に出会っていなかったら、お寺を探して修行体験しに泊まりに行くということはきっとなかったと今でも思う。 人々の心の中の、「お寺」という存在を垣間見た気がした。
2012.06.05
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ムネ君。 私にとっては痛いところに手が届いたようで、何も言わないのに黙って迎えに来てくれる、それもいつ通るかわからないというのに…その行動は感激でした。夕ご飯を作り終えてみんなで頂いているときに、ちらっとそのことを食卓の会話にしました。今日こんなことがあったのよ、と。 ところが、その後の食器片付けの時間、ムネくんに呟くOさん。「慈光さんを迎えに行くのはいいですが、慈光さんを理由にして作務の時間にふらふら買い物に行くのはどうかと思います。」とのこと。あら、私はだしだったのかしら? 確かにみんなが働いているときでもそうっとタバコを買いに抜け出すのはムネ君くらいでしょう。さて、逃げ出すのが主だったのか、私の買い物のお手伝いが主だったのか、謎というところで終わりました。大した問題でもないのですが… そんなOさん。今度は私に呟きます。「このまえ庭師さんと一緒に働いているときに、庭師さんが震災のことを笑って話しました。自分が女川出身って知っているのに。ひどくないですか?確かに庭師さんは内陸の人だし、一年たってもうだいぶ風化しているかもしれませんが、笑うことないでしょう。それおかしいですって蹴り上げようかと思いました。今でも思ってます。もう一回そんなこと言われたら、絶対やります。」となかなか激しい。 庭師さんは70歳を過ぎているだろう方で、昔からのお付き合いで働いてくださっている。 きっぱり、止めた。 自分の感情のままに吐露すること、それが自分の正義かもしれないが、相手が違う、問題が違う。もっとこんな庭にしたらどうですか、と庭つくりについて喧々諤々工夫するなら話は別だ。ただ一言に振り回されていたら、お寺の建築にも響いてくる。そして人をも汚して自分をも汚してしまう。「でも僕は、午後からまたさっぱりと仕事を続けました。自分も少し流せるようになったかなあと思いました。」と。彼が社会に復帰できるようになるのはいつのことだろう。 どんな職場に行っても、合わない人は必ずいる。自分の理想通りの職場に出会う確立はとても低いし、人間関係のことで止めていたらどこでもきっと続かない。 托鉢から帰ってきた宗鑑さんもぽつり。「最近ビートたけしの本を読んだけど、一番好きなことは趣味でいいんだって。ただ目の前に流れてきたことをやればいいんだってさ。」 どちらかというと保守的な私は、破壊して創造するよりも穏便な解決を勧めてしまう。宗鑑さんは逆に戦わせて、結果を頂く様子だ。どちらにしても、里はみんな違うところがいいのだろう。 自分を学ぶうちにどうやら人間関係も学んでいるみたいです。
2012.05.19
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Oさん、少しずつ頑張り始めた。どうやらこのところ、近くのグラウンドに行って走り始めたらしい。「これで体がぐったり疲れて、夜は熟睡できました!」とのこと。他にも人は来ていたらしいが、そんなところで一人走るのに、人目は気にならないらしい。ついでに「はい、女の人もいっぱいいました!」と笑顔のおまけ。 その間は、どんな風に腕を振ったらいいかなどと工夫している自分があって、苦しくてもさらにスピードを上げて体を動かしたりして、悩みから解放されているらしい。いつまで続くことやらわからないが、とりあえず良かった。 作業は、庭造りも始まった。奉仕くださる庭師さんについて石を運んだり、セメントを混ぜたりしている。「これが自分の庭となって、ここに何を植えたらいいかなあ、と考えるようになればいい。」と和尚様。まだまだただの作業でしかないうちは、余計につらい。 しかし同じ敷地内でお寺を作っていても、興味のない里人が実は何人もいる。それでも仲良く暮らしているところが、里のすごいところだろう。 ムネくんも、その一人。先日もとても強い風雨ですぐ窓の外の木が倒れ掛かっていたというのに、全然無関心。「とても大きい音したでしょう?」と聞くと「そうだったかな?」という感じ。これは安心しているという証拠なのか、どうでもいいということなのか…。部屋のカーテンは開く日がなく、壁紙はヤニで真っ黄っ黄。 そんなムネ君ですが。今日はあいにく車がなくて慣れない自転車でお夕飯の買い物に行った私を、迎えに来てくれました。「えー?私自転車で出かけたの知ってたの?」「うん。少しは体力あるだろうけれど、あまりにも帰るの遅いからそろそろこの辺やろうなあと思って待ってた。」とのこと。ちょうど私は自転車の籠に入りきらないほど、油や砂糖や食パンまで買って、あと一軒行きたいけどなあと迷っていたところ。急にばったり会ったのでびっくりしました。 おかげさまでビニル袋を一つずつ掲げて自転車を押しながら帰ってまいりました。はあー、ありがとうございます。みんなに助けられておりました。これがきっと共同で暮らす楽しさ、でしょうね。 じゃあ、私は今日はししゃものフライを頑張ってつくりますね、Oさん、ムネ君。
2012.05.18
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Oさん、結局お家に帰りませんでした。 出発の朝、法話の時間にみんなの前で自分の気持ちを吐露してもらった。そしてその日参加していた5人が、それぞれ自分の感想を述べる。「自分は、住んで6年になりますが、本当に自分がこの里を理解するのに時間が掛かりました。ここの和尚様の総合プロデュース、時に優しくときに厳しく刺激を与えてくれ、その人がもっともいい形で暮らせるように導いてくれる、それに気づくまで、時間がかかると思います。」「結論からいって、私は、Oさんの出した選択に任せます。」「単純に言うと、僕は部屋で大声を出したりしないほうがいいと思います。もっとカラオケで歌ったりしてストレスを発散したりしたらいいと思います。」 他いろいろあって、全体のバランスを見て私も一言。「今、実家に帰っても、私が母親なら、迷惑だと思います~」 実のお母さんはいつでも帰っておいでと迎えてくれるらしいが、私の中では、一つの賭けであった。大学も留年して中退、そんなOさんの過去と、もっと人間関係を密にしたいという彼の声と、最近の様子から見て、そういってみた。言い過ぎたかなあともちょっと思った。 しばらくして、そろそろ駅に出発するかなという時間、同じ敷地内だけれど、電話が来た。「朝に言われたことが心に引っかかっているんです。今帰っても、やっぱり問題は自分についてまわるかなあと、ただの逃げかなあと思いました。帰りますと言ってしまいましたが、やっぱりここで2,3日休ませてもらおうかと思い、なんとなく電話してしまいました。」とのこと。それから2,3時間、話を聞いた。「朝、木を見ていたら、木は動きたくても今立っている場所から動けないんだなあと思ったんです。みんなそれぞれの苦しみがあることに気づいたんです。」と彼。「やっぱり今でもつらいです。でも、帰らないで、自分が決めた一年という目標を達成してみます。先が見えない闇に向かって目標を立てることは、意味があるんですかね。」いろんなことを呟いている。 それでも次の日は作業に出てきた。「昨日一日休んでみたけれど、結局何もすることがなかったです。やっぱり、こうして出てきて体を動かしていると少なからず充実することがわかりました。」 どうやらこれまで里で暮らした3年という時間が、自分の頭以前のところで、生活リズムを体に刻んでくれていたらしい。「なんでも工夫して楽しめるようになりたいです。」 また急に頑張りすぎると反動が怖いが、何も言わずに、好きなようにしてもらうことにした。
2012.05.15
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一つ痛いところが治ると、次に痛いところが見えてくる… お坊さんになって挫けた彼が、それでもなんとか落ち着いてきた頃、今度はOさんが、不調を訴え始めた。「もうここはうんざりです。実家に帰ろうと思います。」と。 先にお坊さんになった彼は、お坊さんになって人間関係が濃密になり背負うものが重すぎて逃げ出したくなったというのに、同じ里に住みながらOさんはもっと人間と絡み合いたい、濃い人間関係を築くために社会に出たいというのだ。まったく同じ場所に暮らしながら、人はいろいろなことを言う。 Oさんはやや強迫症の傾向があって、自分では社会復帰のリハビリのためにやってきた。それから3年。もともとは「決める」ということが難しく、友達と三日後の予定も約束できないと理解してもらって付き合ってきたという。それが里で少し成長して、とにかく一年はここで頑張るという目標を立てたのだ。 ところが目標を立てた次の週くらいから、もうその目標が重過ぎて地獄の日々を暮らしている。1年があまりにも長すぎるらしい。 時に部屋で大声を出したり、壁を殴ったり、丸太を投げたりしている。 最終的には彼が出した結論を、まるごと受け入れるつもりだ。引きとめはしない。しかしその過程において、なんと声をかけるべきか。 つい最近までは、その逃げ出したお坊さんに対して「一言挨拶しないんですか。お勤めに衣は着ないんですか。」と呟いていた彼なのだが。 今では逃げ出して帰って来たお坊さんが、今度は僕が話す番だと、部屋を訪ねていく。しかしその時はどうやら、今は落ち着いていないから後にしてほしいと断られたらしい。 世界は、そして私たちは何も変わらない。淡々と暮らしているだけなのに、人は勝手に天国と地獄を作り出す。 ニャーんと餌をねだる猫が、いえ、一番変わらないかもしれない。
2012.05.12
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今日は恒例の愛宕神社掃除です。参加5人で、プラスチックホウキや熊手、竹箒と道具を担いで出かけます。ちょうど鳥居の桜が満開。少々強い風に押されながらもさわやかな一日です。「そろそろみんなでお花見行こうか。」とそんな声も出ています。 ところが里は、さすがにいろんな人が住んでいるだけあって、すんなりと「行く!」と決まるのは、女性陣と半分くらいです。「いいです。(行かないです。)」と即答の30代、40代の男性。「花より団子。興味なし。」と棟くん。 昔はこんな共同生活でまとまりがないことをとても悩んだものでした。特に高校時代は、みんな一緒に行動するものと信じて、なんとしてでも誘うつもりできました。今思えば、おしきせの部分もあったように思います。それからいろんな人と出会ううちに、行きたくてもわざと行かない人や、行っても心では笑っていない人、無理に誘うことが決して幸福への道ではないこと、人は好き勝手にしたいことなどなど自分と違うことを教えられてきました。 今は「行かない。」という意思に「何で?」「行こうよ。」というよりも「はーい、わかりました。」と一度言ったら、それ以上は言わないように心がけています。花見って大した問題じゃないですしね。 話は戻りますが、でも、この月初めの恒例の神社掃除は割合と出席率がいいものです。例えば坐禅ならしない人も、人とコミニュケーションが苦手で出かけない人も、このお掃除なら自分から出かけてくれます。 特に褒めもせず、私ももくもくと箒をかついで出かけていきます。 今日は最後の道路際でねぎに似た「ひりこ」を見つけました。「うめー。」と友君。ねぎをかじるのも好きな変わった友君はもう一本と手を出します。「棟君もこの葉っぱ食べてみて。」と笑顔で誘う棟くん。二人の会話に私は大笑いです。 遠くに見える姫神山。 肌に心地よい、季節です。
2012.05.01
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今日は、お葬式。 88歳のおばあさんの葬儀を依頼されてから、宗鑑さんと戒名を決めたり、塔婆を書いたり、式次第を決めたり。終わるまでは気の抜けない時間でした。 私たちは、日常に坐禅や作務や托鉢はしているものの、お葬式や法要はあまりないために不慣れで、本当に勉強することがたくさんです。そして里の若者も「修行僧」と称して一緒にお経をあげにきてくれました。全く知らない方の葬儀ですが、毎日唱えているお経を、ただ別の場所で読むというような、日常の延長です。 さてお寺の方は少しずつですが進んでまいりました。これは本堂の天井。 欅のベニヤ板を塗装して張り付けました。最初は大工さんもその色ぶりにはうーんと考えていましたが、枠と重なって初めて見せた表情に、感激されていました。一緒に喜んでもらえるのは嬉しいことです。 私も、この色とこの色の組み合わせ…と絶対に自分では選べないと思います。完成がいよいよ楽しみです。 次は一階の和室の壁に入る予定です。 お葬式の帰りに川に立ち寄ってみますと、雪解け水で溢れんばかりの水量でした。福寿草とキクザキイチゲが、いよいよつぼみを開こうとしています。 亡くなられたおばあちゃんのお孫さんは、沿岸で被災され家も流された方でした。もちろん喪服もレンタル。でも今はお元気に「流されていくのを見て、無常だなあと思いました。」と。 ごうごうと流れ行く水音に、ゆく河の流れは絶えずして…を思い出しました。
2012.04.16
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