DM喫茶 あまやどり

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デッキコンセプト論

『コンセプト』 という言葉をよく聞く。
では、デッキを作るうえで大切である、 『コンセプト』 について考えてみたいと思う。



・『コンセプト』とは

では『コンセプト』とは何なのか。
いろいろな考え方はあるが、 「デッキの基盤となるテーマ」 という考え方が一番正しいと思う。
例えば「ビーストフォークで殴るぜ!」であったり、「《ジュピターキングエンパイア》を出すぜ!」であったり様々である。
デッキを作るうえで最初の重要な作業が、この 「コンセプトを決める」 という作業だ。

「ビーストフォークが好きだから」「《ジュピターキングエンパイア》がカッコイイから」という、安直な、軽い動機でも、コンセプトになりうる。
「好きだから活躍させてあげたい」、それが『コンセプト』になるのだ。

だが、「好きだから」という理由だけで「デッキのテーマ」となるのか、といえば、それは厳しい。
コンセプトとは『デッキの核』である。コンセプトが 『デッキの動き』 にも反映されるのだ。
「《デーモンハンド》が大好き!だから《デーモンハンド》を使いまくる!」 というのは、コンセプトにならない。
というのも、幾ら《デーモンハンド》が強いカードだからといっても、 相手のクリーチャーを破壊するだけでは『勝利』につながらないからだ。
『デッキの動き』として機能し、勝利につながるカード、例えばフェニックスなどでなければ、コンセプトにはならないのだ。

コンセプトというのは『デッキの核』であり『デッキの動き』である。
だからこそ、慎重に考えなければいけないのだ。



・勝つためのコンセプト

私は少し前に、
「ビーストフォークでビートダウンしつつ、
《ビックリイリュージョン》でシンパシーを得た《ドルゲーザ》でドロー面もパンチ力の面もカバーする」

というコンセプトでデッキを作ろうと考えた。
デッキ名は 「ドルゲーザ吃驚ビートダウン『驚愕』」 がいいだろうか。
勝利にも繋がっているし、前述した『正しいコンセプト』に合っている。我ながら良いアイデアだと思った。

・・・・・勘の良い方はお気づきになっただろうか。

実は、このコンセプトをデッキにして「リーフスマッシャー」と比べた時、強さは歴然なのだ。
強さ、勝利を目的にしたデッキ、『ガチデッキ』は、ただただ勝利だけを目指す。
ビートダウンによる速攻もリーフスマッシャーの方が優れているし、《アストラルリーフ》《アストラルネビューラ》の方が、手っ取り早くドローできる。

リーフスマッシャーというデッキタイプがある以上、勝利を目指すなら『驚愕』をわざわざ使って決闘することは少ない。
コンセプトがしっかりしようと、 「勝つため」には、他のもっと強力なコンセプトを使いたい。 よって、そのコンセプトは没になる。



・ネタデッキのコンセプト

私が考えた『驚愕』は没になった。
だが、それは 「ガチデッキの土俵で戦った場合」、リーフスマッシャーというライバルがいたから である。
コンセプトというのは、勝利を目指すものだけを言うものではない。
『面白い動き』を目指したデッキ、 ネタデッキ にもコンセプトは与えられる。
寧ろ、コンボや特殊な動きの多いネタデッキだからこそ、コンセプトが薄ければ
「それ、何がしたかったの?」
という死の呪文、 ザキ は免れない。当然、コンセプトは重要である。


例えば 「《転生プログラム》による高速召喚」 をコンセプトにする。
非常に面白そうだが、高速召喚するクリーチャーを間違えれば、途端につまらないものになってしまう。
《サファイア》を高速召喚した所で、そのカードパワーでは勝利は決まったようなもの。
盾を焼き尽くし、S・トリガーのドキドキ感のないネタデッキなどつまらない。
ここは、《キング・アトランティス》《ラーゼ・ミケランジェ》のような面白い派手さがあり、両プレイヤー共にドキドキ感を味わえる高速召喚をするほうが面白い。
ネタデッキだからこそ、強さと面白さを兼ね備えたコンセプトが望ましい。

『驚愕』も、 「《ビックリイリュージョン》を操る、デカブツが控えるビートダウン」 というコンセプトは非常に面白い。
《デュランザメス》なども積み、《ビックリイリュージョン》で不思議な動きを見せつつT・ブレイカー。派手さもあり、奇妙な動きが心をくすぐる。

コンセプトも、活きる場所が違い、面白さ、強さなど、求めることは違ってくるのだ。

・コンセプトは『デッキのテーマ』であり、それは『デッキの動き』にも反映される。
・「好き」がコンセプトになることはあるが、それが何かに繋がらなければコンセプトにはならない。
・勝利を目指す場合、同じような戦い方でもっと強いデッキがないか考える。
・ネタデッキは積むカード1枚で面白さが変ってしまうため、カードを細かく考えてコンセプトにしなければならない。






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