1.画像のトリミング
簡単に言えば、余分なものを取り除くこと、あるいは、必要なところだけ
取り出すことと解釈してよい。 まさに贅肉落としのダイエット。
一般には上下左右の不要部分を適当な幅で切って捨てたりする。
写真屋さんの業界では当たり前に使われている用語である。
これが画像処理の第1歩。
ほかにも、色をいじったりフィルタをかけたりと、画像処理の方法、技術は
山ほどあるが、今回はこれだけ。
人物なりネコなり、必要なものだけ取り出す!
なぜか?
ファイルサイズをいじる前にトリミングは済ませておくことが、肝心なのである。
トリミングだけで充分減量できたなら、減量でわざわざ画質を犠牲にする必要
はないではないか?
じゃ、早速作業に取りかかろう。
まずペイントを立ち上げる。
Windowsが通常にインストールされていれば、スタートボタン→プログラム→
アクセサリと開いていくとペイントが見つかるので、これをクリックすれば
たちあがる。
しかし、今後何度も使うので、この方法では面倒だ。
デスクトップにショートカットを作ろう。
スタートボタン→プログラム→アクセサリと開いて、ペイントのアイコンを見つけたら
その上にマウスのカーソルをあわせて、右クリックする。
すると、小さいメニューが開くからその中の「コピー」をクリックしよう。
次にデスクトップの何もないところをクリックして、スタートメニューを閉じる。
さらに、デスクトップの何もないところを右クリックして「貼り付け」を選択する。
これで、ペイントのショートカットが出来た。
次回からはこれをWクリックすればペイントが立ち上がる。
こうしておくと少しはラクだろう。
立ち上げたペイントでファイルを開く。 メニューバーの「ファイル」から
開いてもいいが、ペイントはドラッグ&ドロップに対応しているので、
画像ファイルをずるずるとマウスでひきずって来て、放り込んでやってもOKだ。
ここで、練習用画像ファイルを用意していない読者のために、
練習用の画像を調達しよう。
このサイトのTOPページに戻って、PrintScreenキーを1回押してもらいたい。
PrintScreenキーの表示はPCによってはPrnScrなどと短縮表記されていることもある。
次にペイントの画面に戻ってメニューバーの「編集」→「貼り付け」をクリックする。
これで、画像がペイントのウィンドウに貼り付けられる。
とりあえず、これを保存しよう。
「ファイル」→「名前をつけて保存」をクリックして、cat.bmp
とでも名前を付け、
デスクトップに保存する。
ここではとりあえず、ファイル形式はbmp形式とする。
え? GIF形式とJPEG形式以外は覚えなくていいと言ったはずだって?
理由はあとまわし。今はこの通り保存するのだ。
名前と保存場所は自分が忘れさえしなければ何でもいいのだが、今回わかりやすく
デスクトップに保存した。
これでやっとトリミング作業にかかれる。
このネコを今回の標的にする。
1.まず、ペイントの画面をみて、ネコの写真が真ん中あたりにくるよう
スクロールする。
2.次に、左側に2列、縦に並んだボタン群があるので、最上段右側の破線の
四角形のような絵のあるボタンをクリックする。
これで、範囲指定が可能になり、マウスカーソルの形が変わる。
これはどういう意味かというと、ペイントは単なるお絵かきツールではなく、
ファイル形式の変換ツールとしても使えると言うことだ。
やりかたは、いたって簡単。
ある形式の画像を、いったん、ペイントで開いておいて、別の形式を指定して保存するだけである。
2.ダイエット
さて、それでは本格的に画像をダイエットする。 これも、きわめて簡単。
ダイエットしようとする、画像ファイルをペイントで開き、メニューの「変形」から「伸縮と傾き」を
クリックする。
以下のようなダイアログボックスが出るから、水平および垂直方向のサイズを%で
指定して「OK」ボタンをクリックするだけである。
現在のサイズを100%と考えて、両方とも70%を指定すれば
面積は半分になる計算だ。 従ってファイルサイズも半分にできる。
物理的にサイズダウンするので、ホームページ上でも縦横の表示寸法を特に指定しなければ、表示される寸法も小さくなる。
拡大縮小の比率は自分の好みでやればよろしい。 何%にしようと勝手である。
すべての処理が終わったら、GIFまたはJPEG形式で保存する。
bmp形式は、何度保存し直しても、画像が劣化しないが、GIFやJPEGは
保存しなおすと情報が欠落して劣化することがある。
途中処理をフルカラーのbmp形式で保存したのは、こういうわけであった。
なお、2枚の写真の間で切り貼りが可能か、という質問があったが、
単純に切り貼りだけなら可能である。
3.画像ファイルの基礎知識
超おおざっぱですが、とりあえず、このくらい知っておけば、
なんとかなるでしょう。
よく使われる基本的な画像にはGIF(拡張子.gif 以下同様)、JPEG(.jpg)、
Windowsではビットマップ(.bmp)、MacではPICTなどがあります。
HPなどではgifやjpgがよく使われますが、特徴を以下に挙げます。
形式 サイズ 可逆性 最大色数 特徴
bmp 最大 可 1600万色 バカでかい
jpg 最小 不可 1600万色 劣化
gif 小 可 256色 透過・アニメ
つまり、色をきれいにしかもサイズを小さくしたいときはjpgを使います。
しかし、編集・保存を繰り返すと画質が劣化するという欠点があります。
jpgは保存するときに細かいデータは、はしょって圧縮保存します。
これが高圧縮率の秘密なのですが、画質劣化の原因でもあります。
いったん圧縮保存されると元には戻せません。(不可逆性)
従って何度も修正・調整しなければならない画像データはこの形式で
保存すると誤差が増えてだんだん汚くなります。
そこで修正中は劣化しないbmp形式で保存し、完成したら最終段階で
jpgに変換します。 これをHPに貼り付けるわけです。
ただ、bmpのサイズの大きさはハンパでなく、フルカラーの画像は
平気で数十メガバイトに達します。
そのままでは、とてもメールに添付できる大きさではありませんので、
zipまたはlha圧縮して、やりとりするのが普通です。
bmpを圧縮すると、だいたい1/10くらいになります。
ちなみに、JPEG形式のファイルはすでに圧縮されていますので
ツールを使って圧縮してもサイズはほとんど変わりません。
最後にgifについてですが、人物像などをjpgとgifで比較してみると
明らかにjpgの方がきれいです。256色しか表示できなくてjpgよりもサイズが
デカいのになぜ使われているのか?
やはりGIFアニメと呼ばれる動画ができることと、透過色が使える利点が
あるからです。背景に直接書いたように見えるロゴなどもそうです。
編集を前提とした画像データをやりとりする時は、bmp形式のものを
適当なソフトで圧縮して送れば、劣化が少ない分、きれいに仕上がります。
4.超初心者向け 画像合成(切り貼り)
2枚の写真の切り貼りをする。 いわゆる、合成である。
犯罪によく使われる、悪名高き合成写真の作り方を伝授しよう。
だからといって、かわいいアイドルの顔写真をヌードモデルの
胴体に貼り付けるのは犯罪である。
決してやらないように!
とはいっても、ペイントは、しょせん、Windowsのおまけである。
人物の生首のすげ替えなどという、犯罪的高等作業はムリだ。
光の反射、色調、影、背景処理、明度、彩度...画像合成はきわめて
膨大な知識と手数を要する精密技術なのである。
しかし、ロゴや写真の一部などをハサミで切り取ってはりつけるような
作業なら、十分可能である。
論より証拠、実際にやってご覧に入れる。
ペイントは複数のファイルを扱うように出来ていないが、そのかわり
複数個、立ち上げることが出来る。
何のことはない、作業ウィンドウが2つ必要なら、ペイントを2つ、立ち上げるまでのことである。
下の図はペイントを2つ起動して、それぞれ別の写真を開いたところ。
これを使って切り貼りしてみる。
現在売り出し中、というか、里親募集中のミケの顔を切り抜いて、
当サイトの看板ネコ、コロンの写真部分に貼り付けよう。
まずは、トリミングのところでやったように、必要な部分を範囲指定して
メニューバーの「編集」→「コピー」とクリックする。
次に、もうひとつのペイントのほうは、「編集」→「貼り付け」
と、やる。
左上に貼り付けられるから、マウスで位置を調整してから、保存。
あっというまに下の図のような画像ができあがる。
超おそまつだが、これも合成写真にはちがいない。 ちと、おこがましいが。
この要領で、あれこれ試してみると楽しいかもしれない。
これは、クリップボードという、Windowsの機能を使ったワザである。
したがって、ペイント同士に限らず、ペイントから他のグラフィックソフトにも貼り付けが出来る。 その逆も可。
ついでにこれも覚えておこう。
実は、グラフィックソフトだけの専売特許ではないのだ。
こういうコピー画像は、ワードやエクセルにも貼り付けられるのだ。
無駄なメモリを使わず、画像でも必要な部分だけをコピペできるのである。