ニャンタのプロフィール



[ニャンタがうちにやってきた!…改定版]

1996年(だったと思う…)のある日、筑紫野の友人から電話があった。「お願いがあるんだけど…」から始まりチビ猫を預かって欲しいという。なんでも自宅の敷地内に子猫が捨てられていて、そのうちの一匹が弱っているらしい。私が昔トリマーをしてたのを思い出し、何とか助けてやってというのである…。その頃私は福岡に勤めに出ていたのだが、まあ何とかなるだろうと思い気軽に引き受けてしまったのである。(ちなみにその頃は、犬2匹・猫2匹と同居中)

私の「いいよ連れておいで~」の返答にその友人は、早速チビ猫を連れ我が家にやって来た。  しかし…である、今でこそ白状するが、その時チビ猫を見た私は引き受けた事を内心後悔したのである。 ダンボールに入って来たチビ猫は、どう見ても生後2週間前後、ミルクをやっても殆ど飲まないと云う。 他の兄弟猫はそれなりに元気でミルクを飲んでるとの事。(その友人は私以上に動物が好きで、捨て猫などを見るとほっておけないのである…)

「もしかしたらダメかも…」と言う思いが頭を過ぎったのは云うまでも無い。多分一緒に生まれた兄弟のうちで一番小さく、母猫から乳を飲むのもやっとだったようで、他の猫から踏みつけられて尻尾の先が曲がり変形していたのだ。
鳴く声も頼りない。トリマーの頃なら一日中ついていてやれるのだが、現在は勤めに出ているので昼間が…。
とにかく、ひきうけた以上はしょうがないので、私の母じゃに昼間は見て貰う事にする。 ブツブツ云いながらも世話好きな母じゃは、私が勤めに出ている間の世話を引き受けてくれた…。

チビ猫を預かり2日目 、勤め先から帰ってみると母じゃが言う…「何度もミルクを飲ませようとしたけど、飲まないのよ!」急いで部屋に入りチビ猫の様子を見ると、鳴きもせずただ震えている。触ってみれば体温が異常に下がっている。 このままでは危ない…最悪の事態が頭をよぎっていったのである。
とにかくミルクさえ飲んでくれれば何とかなるのだが、哺乳瓶/スポイド/ガーゼ等、使える物は全部使ってみたと云う。でも飲まない、飲まないと云うより飲めないのだ。 こうなりゃ最後の手段…とにかく部屋を暖めてチビ猫を毛布にくるみ口の中でミルクを噛み砕いて口移しの手段をとる。幸い土曜日だったので(何故かしつこく覚えていた?)徹夜で看病。明け方半分眠りこけていた私の耳に、「ミ~」と、か細く鳴く声が聞こえた。「やった、峠は越したぞ!!」…と一人で万歳。
子猫ニャンタ
午前中かけて様子を見ていると、哺乳瓶の口に自分から吸い付こうと努力している。 午後から近所のホームセンターまで子猫用のミルクを買いに行く。(コレが高いのダ!!)まだまだ吸う力が弱いので口移し(人間には不味~いのよね…)で飲ませる。夜には時間はかかるけど、自力で飲むようになった。「凄い回復力だ~」…と感心しつつも、ほっと胸をなでおろしたのである。


一度死にかけたチビ猫は、凄い勢いで元気になった。私が会社に行っている時も、母じゃいわく「まァ良く飲む事が~これがホントに死にかけた猫かいな…!」と云うくらいである。余りに元気になったので何でも飲むだろう…と財布の中身と相談し、安いミルクに変えようとしたがコレが飲まない! ネコには値札が見えるのである。仕方無く、元の高い方のミルクに戻す。安物のミルクは、マルチーズ犬の「タマ」に飲ませることにする(奴は贅沢を知らないのダ)。

子猫ニャンタ2とにかくチビ猫は元気になって食欲旺盛!飲むわ飲むわ、食欲が出りゃ、体力がつき必然的に悪さもする!とにかくやんちゃ坊主で、小さい為に目を離すとちょっとした隙間を見つけては入り込み、探すのに一苦労。考えた末に昔使っていた、大きめの犬猫ケージがあるので普段はその中に入れることにする。要するに元気が良くなりすぎて、禁固刑と相成ったのである。

禁固刑となってから10日も過ぎた頃、チビ猫の異変に気がついた。何かおかしいのである、顔がなんとなく変なのだ。よ~く顔を見ると、口の両端がハゲている!それも縦に線が入ってるのだ。

どうやら禁固刑にされたので、柵の間に(3.5cmほどの隙間がある)顔を入れ外を覗いてばかりいるので、そこだけ毛がスレてしまってるのだ。何とも言えぬ間抜け面にダンナと二人で笑いこけてしまった。

なんとも可愛い奴である。

チビ猫が我家に来てから1ヶ月ほど経った。「そろそろ名前をつけないと可愛そうだな…」とは思うものの預かった際に、元気になったら預けに来た友人が実家に連れて帰るいう手筈になっていたので、まだ名前が無いのである。

返すことになってるのに、「名前なんかつけたら余計に情が移って返せなくなるよな~」と思ってたが…まあ呼び名も無しじゃ可哀相だし何かつけようと思い立つ。たまに通る道筋にDPE店があり、いつもそこの店先に大きな猫の人形がトレードマークで置いてあるのだが、しげしげとそのネコを眺めるとその猫には名札がついていてニャン太とある。
悪坊そうな表情といい、憎めないポーズといい「コリャぴったりだ!」と考えた私は、チビ猫の呼び名を「ニャンタ」と命名。今思えばその時既に友人宅にニャンタを帰す気は無かったのではないだろうか? 何しろ口移しでミルクを飲ませてた為か、ニャンタはおなかが減るとか甘える際には、私の顔(正確には口…)を舐めに来るのである。他人にはそんな事しないのであるからして、私にしてみれば親の欲目もあり、「なんと可愛い奴なのだ…」とその頃既に“親馬鹿”をしてたのである。

今では顔舐めも少なくはなったが、たまに甘ったれて舐めに来るのだ。ダンナに言わせると、「おめーが育てると猫も犬みたいな性格になる!」だと。現在、靴下を舐めた後に顔を舐めなければ、本当に良い猫なのだが…。

ニャンタと名づけてはや1ヶ月(要するに家に来て2ヶ月)が経とうとしていた。 
もうこうなるとやっぱり手放せない、返せない、私はひとり静かに考えた。どうやって家族を口説こうか…。

猫好きの人なら多分判る筈…可愛い…何をしても憎めないのだ。 その頃、もともと我家には2匹の猫と2匹の犬がいたので母じゃは「まだ増やす気か~!」と猛反対。まぁ「そのうち貰い手を探すから…」と、苦しい嘘をつきまくり現在に至る。勿論、反対していた母じゃも今では、ニャンタが悪さをして私が怒ると、「そんなに怒らんでも良いじゃないの~!ね~ニャンタァ…」とでれでれである。

親父猫おまけに独立して事務所を始めた今は、社員3号の肩書きまで貰い今に至る。

お陰で、死にかけていたチビ猫は今では、冬になると6キロオーバーにもなって、昔の小さかった頃の面影は…? (ーー;)

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