「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
100万ポイント山分け!1日5回検索で1ポイントもらえる
>>
人気記事ランキング
ブログを作成
楽天市場
000000
HOME
|
DIARY
|
PROFILE
【フォローする】
【ログイン】
43話 【Bring Together!】
←42話
┃ ● ┃
44話→
43話 (―) 【Bring Together!】
___01
正午を告げる軽快なメロディが店内に鳴り響く。ここ、ユナイソン・ネオナゴヤ店においては馴染みの旋律だ。
午前と午後を区切るだけではなく、社員にとっては午前の売り上げ実績を発表する時間が訪れたことを知らせる役目も果たしていた。
当然、コスメ売場のスタッフによる新製品の陳列を見届けた柾の耳にも合図(サイン)は聞こえていた。
が、今は5歩ほど後ずさり、全体を視界に入れた状態で陳列の出来具合を確認するほうが先決だ。
右手に持ったタブレットに目を落としたかと思うと、実際の現場へと鋭い視線をうつす。
「吉田、チークをもう少し右に置いてくれ。三原、ミラーの開閉は15度だけにしよう。思った以上に乱反射がキツい。
そもそもそのミラーのうりは表側のデザインだったな。むしろ積極的にカバーを見せていかないと手に取って貰えない」
柾が納得のいかない部分を口にすると、指示を待っていたスタッフが速やかに調整に取りかかる。メートル単位ではなく、センチ単位の細やかな作業だ。
取り扱っているものが女性層に受け入れてもらいたいコスメなので、繊細なアートワークが求められる。
今回、柾の中で大事にしているイメージは『煌めく夜会』。
降り注ぐシャンデリアの照明やゴールドで統一されたコスメたちが上手く融合してくれればいいのだが。
「右、もう少し右だ。……そこでいい」
柾が頷くと、脚立から降りた三原が隣りにやって来た。柾と同じ位置から全体像を把握する。
照明の位置、テーブルの高さ、使われている布の質、トロフィーのごとく配置されている新作コスメを見た三原は、溜息まじりに
「絶妙な陳列ですね。今回も美しくてうっとりします。柾チーフはアプローチの手法に数学を取り入れるのが本当にお上手です」
手放しの褒め言葉に柾もまんざらではないようで、心なしか照れくさそうに「ありがとう」と答えた。
タブレットの画面には、陳列に関するデザイン画が数字とともに表示されている。
『テーブルは高さ80cmのものを使用する』の一文を見た三原は、心のなかで、でも真っ先に100cmに変更したのよね、と回顧した。
実践を通じて微調整に微調整を重ねるのが柾のやり方だ。柾の作った“机上の雛型”が形通りに一発で決まることなど滅多にない。
妥協を許さない柾は案の定、
「1週間はこの陳列でいく。販売実績を見て、陳列に手を加えるかどうか考えよう」
「了解です」
このように短いスパンを設け、手を加え続ける努力を惜しまない。
そんな柾の「皆、お疲れ。それぞれの持ち場に戻ってくれ。解散!」という鶴の一声により、作業は終了した。
全員が散り散りになるなか、柾だけは踵を返して事務所へ向かう。目的は『売上表』の閲覧だ。これは全社員が目を通すことになっている。
翌朝まで掲示されているのでいつ見ても構わないのだが、責任感の強い社員ほど発表と同時に確認しに行く傾向がある。
項目はセクションごとに分かれてるので、最低限自分の所属部門と、ユナイソン全体の数値2ヶ所を押さえておけばいい。
とはいえ、有能と呼ばれる者たちは直接自分に関係のない売り場の数字まで把握する余裕をも兼ね備えていた。
責任感の強さに加え、数字にも強い。有能さと迅速さは比例の関係にあるようだ。
___02
事務所に入ると、すでに事務課の手によって最新版に貼り替えられていた。
「売り上げよくないなぁ。でもまぁこんなもんか」
麻生のひとりごとに、柾が背後から「首の皮1枚だがな」と言い添える。
2人が浮かない顔をしているのには理由がある。今週の売り上げ値は、今の段階で目標値を下回っていた。
本来なら焦るところだが、週末には大きなイベントを控えているし、巻き返し可能な圏内にいる。それを加味すれば、それほど絶望的な数値ではない。
手の平サイズのメモ帳に赤のボールペンで数値を記入しながら、麻生は尋ねる。
「よぅ柾。今日は中番だったのか?」
「あぁ。そういうお前は早番か?」
「そう。いまから嵐と昼飯に行って来る……。おっと?」
鳴ったのは麻生のスマートフォンだ。メッセージが届き、差出人は五十嵐。内容は短く「3番、すまん」。接客に入る時に使う店内暗号だった。
「わざわざ送ってきたってことは、1、2分じゃ終わらなさそうな案件っぽいな。今日の予定はキャンセルか」
「仕方ない。我々は常に顧客最優先だ」
「だな。じゃあ今日は社食にすっかな」
そんなやり取りをしていると、背後から「すみません」と男性から声を掛けられる。
振り返った麻生は相手が郵便局員だと気付くや笑みを浮かべて応対した。「お疲れさまです。どうかしましたか?」
「郵便物をお届けに参りましたが、事務所の方が電話中でして。受け取りお願いできますか?」
「勿論。構いませんよ」
麻生は何十通もの封筒やハガキを受け取ると郵便局員を見送った。
電話対応中だった黛が――今は喋ってもいい隙間時間だったのだろう――顔の前で手刀を切る。
「麻生さん、ごめんなさい。それ、部署ごとに振り分けて貰えません?」
ちょうど立っている位置が各部署のメールボックス前だった。それくらいはお安い御用だ。
1通目を目当ての棚に入れ、2通目、3通目と淀みなく振り分ける。が、4通目を振り分けようとした手がぴたりと止まった。
英語で記されたエアメールだったため、不意打ちを食らった形だ。判読にわずかながらの時間を要した。
「To go(トゥ・ゴー) Igami……あぁ、To goじゃなくてTogo(トオゴ)か。これ……伊神が送ったやつか。戻って来ちまったのか」
麻生はエアメールを眺め、裏返す。封筒には『あて所に尋ねあたりません』を意味する“Return to Sender”のスタンプが容赦なく押されていた。
柾は何気なしに宛先を見て目を丸くした。Mei-yin Yip.その名には覚えがある。
「どうして伊神君がレオナに手紙を出そうとしてるんだ?」
「受け取り主を知ってるのか?」
麻生の気迫に面くらいながらも、柾は頷く。
「あぁ。メイイン・イップだろう? 通称レオナ・イップ。知ってるさ、もちろん。彼女に付けられた異名は『ムーサ』。
芸術の女神のように立ちどころに見事な売場を作り上げてしまう彼女は、鮮やかで、華やかで、豪胆な性格も相まって大輪の花を連想させる女性だった。
真っ赤なルージュが似合う、それはそれは美しいひとでもあった」
「なんでそんなに詳しいんだ? 何者なんだ一体」
「それよりも、なぜ麻生がレオナを知っているのかの方が不思議だ。……いや、こうして尋ねてくるということは、名前しか知らないわけか。
レオナは僕が新入社員のころ、コスメのバイヤーだった。数ヶ月に一度の頻度で店に顔を出していたんだ。
彼女はマルチリンガルだし、有能だったからな。数年前に香港店の店長に抜擢されたんだ。たしか、最年少での着任だったはずだ」
その説明を聞いた麻生の脳裏にふと蘇る、伊神の言葉。
『とても優秀な方だったので異例の速さで香港店の店長に就任したんですが……色々ありまして。自棄を起こし、道を踏み外してしまいました』。
件の記憶と、柾が提示した条件が符合した。間違いない。エアメールの宛て名の“Mei-yin Yip”は、伊神が『心を深く傷付けてしまった』女性だ。
封筒に視線を落とし、「伊神に渡さないとな」と呟く。個人的なものだから、この棚には入れられない。
Igamiと記してはあるが、誤って誰かが開封してしまったり、薄いペラペラの封書だ、紛失してしまう恐れもある。直接伊神に手渡すべきだろう。
すぐさまその足でメンテナンス室へ向かえば話は早かったのだが、出勤ボードには『伊神:休み』とある。
「直接伊神に手渡したいんだが、いいと思うか?」
そう尋ねる麻生の顔は真剣だ。
「どうやら麻生にとって、『事』は昼食よりも重大らしい。――まぁいいんじゃないか? 終業後、自宅訪問してみるか」
「お前も一緒に?」
「ちょっと興味がある」
「分かった。終わったら一緒に行こう」
昼休憩時間の麻生に対し、柾は就業中の身。これ以上仕事を疎かにはできない。一度ここで散開し、仕事が終わってから再び合流することにした。
___03
20時少し前に柾と合流できたのはよかったが、2人して伊神が住まうマンションの部屋へ赴き、ベルを鳴らしても応答はない。
明かりがついている様子もなく、どうやら出掛けているようだ。
「アポ無し突撃だったからなぁ。仕方ない、明日にするか。無駄足させちまって悪い」
麻生の謝罪に、柾は「構わない」と言って踵を返す。
と、階段を上がってくる足音がして2人は思わずその場に留まった。一縷の望みはまだ捨てるべきではないようだ。
幸いにも現れたのは伊神だったものだから、麻生は心の底から嬉しそうな声で「伊神ー!」と呼び掛け、満面の笑みを作る。
対する伊神は意表を突かれた顔になったものの、相手の正体が判明するやいなや、柔和な顔で「こんばんは」と応じた。
「こんなところでどうしたんです?」
「実は、伊神に用があってさ」
意外な来訪に驚いた伊神は恐縮したのか、「すみません」と謝った。「そうと分かっていれば、すぐに戻って来たんですが」
「連絡も入れず、勝手に押し掛けようとしたのは麻生なんだから、きみは気にしなくていい」
親指を麻生に向けて柾。伊神は『意外』とばかりに麻生を見やった。
「麻生さんがオレに?」
「いや、あのだな……」
さすがの麻生もすぐには切り出せなかったようだ。込み入った話なのだろうと察しをつけた伊神はドアをコンコンと叩きながら言った。
「立ち話もなんですし。中、入りませんか?」
「すまないな」
「いいえ」
部屋の主がドアの鍵を開けると、なるほど、伊神らしさを前面に押し出した室内が現れた。
あらゆるものが整頓され、好きなものを大切に扱っている様子が伝わってくる。
木製のインテリアが多いのは自然を愛する伊神の気質を表しているかのようだった。
勧められた椅子に座ると、麻生は背もたれ部分を優しく撫でた。木の温もりが伝わってきて、いつまでも座っていたい気持ちにさせられる。
「あぁ、その椅子は休日を利用してメンテナンス部のメンバーで作ったものなんです」
「マジか……凄いな!」
素材をそのまま活かしつつも、出鱈目にカーブした婉曲さが、かえって味を出している。
新進気鋭の作家の手によるものにも見え、6ケタの値札が貼られていてもおかしくない作りだ。
麻生も日用大工は好きな方だが、ここまで上手くはいかない。特にニスの塗りかたが絶妙で、つい教えを請いたくなる。
「結局DIYが好きな連中の集まりですからね。碩人を筆頭に」
苦笑してみせるが、適材適所には違いないだろう。
その事実に驚きと称賛の声をあげていた麻生だったが、ふと自分たちの来訪の目的を思い出したのか、顔が翳った。
同僚の女性陣からは『女性の機微に疎い』だの『気が利かない』など言われ放題の伊神だが、さすがにこの異変に気付かないはずもなく。
これから告げられる案件は明るい話とはほど遠いものなのだろうと悟った伊神は、何を打ち明けられても動揺すまいと腹をくくった。
___04
「伊神、これなんだが……」
改めて座りなおした麻生が、テーブルの上にエアメールを滑らせた。
伊神にとっては既に馴染みのものとなってしまった“Return to Sender”の押印を見ながら、
「……戻って来てしまいましたか」
落胆の色を隠しきれず、小さな溜息をひとつ零す。
「伊神君はなぜ、レオナ・イップと文通を?」
柾の質問に、伊神が口を引き結ぶ。
エアメールの宛て名にはMei-yin Yipとしか書かれていないのに、どうして柾は『レオナ』という通称を知っているのか?
答えは自明だ。柾には彼女との面識があるのだろう。だがなぜ今それを聞くのか? 伊神の心には、警戒心と躊躇いが生じていた。
「レオナ・イップ……。懐かしい名前だ。彼女は僕の上司だった。
香港店の店長を任されたことまでは知っているが、それ以降はとんと音沙汰がない。噂話すら聞こえてこない」
「噂話がないのは、いいことなのでは……?」
言いながら、自分でも思う。声が震えてしまっていると。これでは目の前の2人に疑ってくれと言っているようなものだ。
「彼女の話題になると、皆が口を閉ざす。不自然すぎるほどに」
レオナを取り巻く周辺で緘口令が敷かれているのは明らかだった。
柾もそれに気付いていた。だが誰も口を割ろうとしない。こればかりは柾の人脈をもってしても駄目だった。
「レオナと連絡を取っているのだとしたら、教えて欲しい。彼女の身に何があった?」
「分かりません」
うろたえながら視線を逸らす。バレバレな嘘だという自覚はある。言いたくありませんと置き換えているようなものだ。
彼女の身に『何が』起きたのかは知っている。けれども伊神ですら、『そんな彼女がいまはどうなってしまったのか?』を知るすべはない。
「なぜ伊神君がエアメールを出し続けているのか……不思議な話だ」
「彼女には香港店でお世話になりましたから」
「説得力がないな。それを言うなら、僕だってレオナの世話になっていた」
柾は正しい。だからこそ伊神は息苦しくて仕方ない。嘘はつきたくない性分だ。だが、話せることと話せないことがある。
この場合は間違いなく後者で、しかもレオナを知る柾だからこそ、彼女の汚泥部分は隠しておきたかった。
そうなると、伊神に残された選択肢は黙秘しかなくなる。柾には悪いと思いつつも、床に視線を落とし、黙りこくる。
沈黙を破ったのは柾のほうだった。
「よからぬ評判は聞いた」
ポツリと呟くような言葉が柾の口から漏れた。伊神は柾の顔を注視する。恐々としながらも、尋ねずにはいられなかった。
「……どういう評判です?」
「彼女が抹消されたと」
咽喉の渇きを覚えた伊神は席を立つ。3つのコップに冷たい緑茶を注ぐと、それぞれに配り、自分はそれを一気に煽った。
多少は潤った気がする。唇を手の甲で拭うと、伊神は言った。
「すみません。抽象的すぎてよく分かりません……」
「登録抹消。額面通りに受け取れば、レオナはユナイソンの社員ではなくなったと言うことだ。何かしらの理由によって」
「あのさ、」
直接レオナを知らない麻生がここへ来て口を挟もうとするも、柾が手の平を向け、その発言を制止した。
「その証拠がそのエアメールだ。『なぜ毎回返ってきてしまうのか?』。受け取り手であるレオナが香港店にいないからだろう」
「柾さんの見たてでは、レオナさんは既にユナイソンの社員ではないという話でしたね。根拠はあるんですか?」
「エアメールの一通ぐらい、香港店側が素直に受け取って、レオナが在籍しているであろう新しい支店先へ転送すればいいだけの話だ。
仮にも香港店の店長を務めたんだ。同僚だって、レオナの次の異動先は知っているはずだ。それぐらいはして当然だろう。
実際問題、ユナイソンでは毎日店同士のメール便がひっきりなしに往来している。
それを何度も拒否されてしまうということは、『レオナの異動先を知らない』、つまり『誰も居場所を知らない』ということにならないか?
だからエアメールは誰にも受け取って貰えず、こうして戻って来てしまう」
弁解の余地はないし、柾の説明は綺麗に納得できてしまう。だからきっと柾の推理は正しいのだろう。
今まで考えまいとしていた最悪のケースが彼女の身に起きてしまっていたようだ。籍を抜かれているとことまでは予想していなかったが。
「なぁ、過去に人事部にいた千早凪なら何か知ってるんじゃないか?」
2人のやり取りに痺れを切らしたのか、麻生が割って入る。
「千早凪は第一線を退いたんだ。最新の人事について把握などしていないだろう」
柾によってばっさり切り捨てられたものの、伊神は「いえ……」と思考を働かせながら発言した。
「千早事務長ならば、今のレオナさんの居場所をご存知かもしれません」
「どうしてそう思う?」
「レオナさんは……『2.21大異動』の関係者です」
目を見張る柾に、伊神は頷いてみせた。肯定の合図だった。
柾は多少のことでは動じない精神の持ち主だ。その落ち着きがバランスを欠いたということは、彼なりにショックな事実だったのだろう。
同時に、聡い彼のことだ。レオナが退陣せざるを得なかった事情まで一気に掴んだに違いない。
「レオナは被害者ではなく、加害者の立場――つまり、加納や都築側だったのか」
疑問文ではなく、念を押しているかのような柾の言葉を伊神は素直に認めた。
甘い蜜を吸い続けた者が辿った末路、それが『登録抹消』に値するのだと、多くの社員は『2.21大異動』で思い知らされている。
つまりは解雇(クビ)だ。
「だから誰もレオナの居場所を知らなかったのか……」
推理合戦は何とも後味の悪いものになってしまった。麻生は伊神に問う。
「伊神さ、前に言ったろ? 彼女に『もう1度立ち上がって欲しい』って」
「えぇ、でも……もういいんです」
机の上にエアメールを置いた伊神は、呟くように弱々しい返事をした。
「肝心の居場所が分からないんです、これ以上は動きようもないですよ」
「でも手紙は届いて欲しかった。違うか?」
「……」
「せめて思いだけでも伝えたくて何度もトライしたんじゃないのか?」
「それは……えぇ」
「その気持ちが今でも燻り続けてるって言うなら……、なぁ、駄目元で訊いてみないか? 千早凪にさ」
現状を打開できるかもしれない新たな選択肢を前に、伊神の意思は揺らぎ始めた。
___05
送信メールの件数がとうとう20を超えた。が、返信の数はいまだゼロ。
これじゃあまるで一方的に送りつけているようじゃない、とレオナは心の中で毒づく。
と同時に、さすがに何の反応も返ってこないとなると、送った相手に読まれていないのでは? と不安になる。
返送エラーを意味する『MAILER-DAEMON』は受け取っていないのだから、相手のメールアドレスは稼働しているはずだ。
ならば導き出される結論は1つ。加納倭と都築基に送った10通ずつのメールは、無事に送れているが、無視を決め込まれている――。
くっとレオナの顔が歪む。
(どいつもこいつも人を虚仮にして……!)
だが、新たに生じた怒りをどこにぶつければいいというのか。その矛先である加納と都築は音信不通だというのに。
「……ふざけないでよ……。なんで私が……どうして私がこんな目に……」
がり、と爪を齧る。剥げたネイルも、不揃いな爪先も、一向に気にすることなく。
「都築……加納……許さないわよ、絶対に……」
爪先から滲んだ血がキーボードに付着する。頻繁に打つ子音には、特に。
白のキーボードが真っ赤に染まるのも時間の問題ね、とレオナは嘲笑う。
(これじゃあもう、ネイルの色なんだか血の色なんだか分かったもんじゃないわ)
思いの丈を綴ったメールを1通ずつ送信した。これでトータル22通。来ない。来ない。返事は来ない。
バン、と両手をキーボードに叩きつける。出鱈目な入力によってマウスポインタが動き、別の機能が作動した。
アドレスブックが開き、1人の名前が選択された状態になっていた。その名を目にするや、ディスプレイに釘付けになる。
Nagi Chihaya[HR Department].
なぜ思い至らなかったのだろう? 加納と都築だけじゃない。そう、2人の上には彼がいたではないか!
千早凪。人事部トップにして、CEOの孫息子が!
「部下の不始末は、当然上司が負うべきよねぇ……?」
加納と都築に送った送信メール22通全てを、今度は凪のメールアドレスに送信する。己の今までの恨みの文言が、凪に向けて一気に雪崩れ込むように。
今、日本は朝8時。出社した千早凪がどんな顔をしてこのメールを開くのか、この目で直接見れないのが残念だわ、とレオナは思った。
___06
千早凪が朝起きてまず確認するのはスマホに届いた個人宛てメールだった。
公と私で分けているにも関わらず、プライベートの方にも届いてしまう仕事関連のメールの多さに辟易しつつも、処理しないわけにはいかない。
ベッドに横たわったまま、まだ半分程度しか覚醒していない脳を稼働させ、文章を作成し、送り返す。
作業を終えたあとは、休日という安心感が凪を二度寝に誘う。本能に従い目を閉じる。軽く睡眠を取り、改めて起きた時には9時を回っていた。
天気もいいし、出掛けたくなるほど身が軽い。今日は1日何をしようかと考えながら、淹れたてのコーヒーを飲み、パソコンを起動させる。
レジャー情報サイトで日帰り可能な場所をチェックしていると、スマホが音楽を奏で始めた。ディスプレイには不破犬君とある。
「千早だ。おはよう、不破君」
「おはようございます。さっきのメールの指示、全然意味が分かんないです。
『ドーンと』とか『ふわっと』って何です? 数字を奇妙な擬音語で表現しないでください」
「分かりにくかったかい?」
「この上なく。ですからこうして電話をかけた次第で」
「手元に資料がなかったから、ちょっと横着した。不破君優秀だし、ニュアンスで伝わってくれるかなと思って」
「商談を何だと思ってんですか。ニュアンスで物事が解決するなら資料も談合もいりません。このまま待ちますから、正しい数値を教えてください」
「丁度よかった。いまパソコン操作してたんだ。すぐ分かるよ」
耳と肩でスマホを固定しながら仕事用のメーラーを立ち上げる。普段通りの、慣れた作業のはずだった。
なんとなく奇妙な違和感を覚え、気付けば無意識のうちに悲鳴をあげていた。面食らったのは相手である。
「急に大声出すからビックリしたじゃないですか」
凪としては「すまない、申し訳ない」と平謝りするしかない。
「まさかデータが消えたとか言わないですよね」
「いや、あるよ。ちゃんとある。目標値は116%、回転率は97%。他に欲しい数値は?」
「十分です。ありがとうございます。ところで何に驚いたんです?」
「新着メールが22件だそうだ。さすがに初めてだよ。一晩で同じ人物からこんなに貰ったのは」
「何をやらかしたんですか? 罪なひとですね」
面白がる風でもなく、かといって嫌味で言ってるわけでもなさそうだ。淡々と紡がれるツッコミは、犬君の性格上、仕方がないと諦めるほかない。
気を取り直して「じゃあ不破君、会議頑張って」と伝えると、くだんの後輩は急にしおらしい態度をみせた。
「ありがとうございます。お休みのところ、朝早くから電話してしまってすみませんでした」
「構わない」
「助かりました。それでは失礼します」
「あぁ、健闘を祈る」
犬君との通信を終え、再びメールを注視する。先ほど驚いたのは、英語で書かれた22通ものメールが受信ボックスに投函されていたからだ。
よほど早急に返事が欲しいのか、“Hurry UP!!”、“Get back to me ASAP.”と付けられた件名も少なくない。
中には“Answer.”とだけ書かれたものもあり、『今すぐ答えろ!』と怒り心頭の様子がうかがえる。
瞬時に終わらせる方法を試そうと、無料翻訳機にかけてみたものの、明らかに誤訳だと分かる、要領を得ない文章になってしまった。
凪は自力で訳そうと試みたが、その数の多さに早くも挫折しかけていた。
作成された文章からは怒りめいたものが浮かんではくるのだが、何に対して憤っているのかも分からない。
だが、これだけははっきりしている。英文メール22通の送り主だ。
「レオナ・イップ……。彼女か」
2.21大異動から今日までの間、ずっと音信不通だった彼女がいまになって自分に接触してきた理由。それがこの22通の中に記されているのだろう。
もはや、このメールを読むのが自分の使命だと思えてならない。パソコンの電源を落とすと、背広に着替えるため、クローゼットの扉を開けた。
___07
背広着用とはいえ、誰かに見付かれば休日出勤を見咎められることは必至。
相手が目聡い社員ならば、普段自分が口を酸っぱくして言い続けている言葉――
『職場は休日にまでいるような所ではないぞ』――を、鬼の首を取ったように言われかねない。
厄介な展開に発展してしまうことを避けるため、凪は目的地であるメンテナンス室に直行した。
部屋の中には、はんだごてを使って器具を直している一廼穂を始め、メンテナンス部のメンバーが4人いた。
それぞれが備品を手入れする様子を見ながら、彼らが気付くより先に、凪は「伊神君」と呼び掛ける。
脚立に乗り、高い棚に器具を収めていた伊神が、微笑とともに挨拶を返した。
「おはようございます」
「おはよう。一廼穂君、しばらく伊神君をお借りしてもいいかな?」
「いいっすよー」
「ありがとう。伊神君、ちょっとこっちへ」
繋ぎを着た伊神と、背広を着こなした凪では、どんな組み合わせかと目を引くが仕方ない。
それに凪は本来いてはいけない存在なので場所を移すしかなかった。テナントエリアへと移動し、客が少ないカフェに入る。
「仕事中に突然連れだしてすまなかった」
「いえ、構いません。そもそも仕事に関する話なのでは?」
どうなんだろうな、と凪の答えは煮え切らない。
「気になることがあるんだ。どうか力を貸して欲しい」
「勿論です」
凪はカバンからiPadを取り出すと、メーラーを起動して伊神に見せた。
「英文を訳して欲しいんだ。とにかく量が多くて」
1、2通ならまだしも、合わせて22通である。それが凪には耐えられなかった。翻訳機が駄目なら、人に頼るしかないではないか。
個人情報なので迷いはしたものの、伊神ならば大丈夫だろうという安心感のほうが勝った。
あらかじめメールのアドレス帳を開いて『レオナ・イップ』を『tl;dr』(*1)に変更しておいたので、人物の特定には至らないはずだ。
「上から順番に訳していってくれないか?」
凪のリクエストに、伊神は素直に応じる。
「『ハイヤ』」
「……何?」
「1行目のhiya。スラングですね。“やっほー”とか“はぁい”という意味です。英語は英語でも、これはイギリス英語のようだ。
このメールを書いたのは女性ですね。スラングが多いので、このまま訳すと耳障りかもしれません」
「罵り言葉も素直に訳してもらって構わない。寧ろ、なるべく正確に伝えて欲しい。喜怒哀楽の度合いも知りたいんだ」
「分かりました。では……。
『はぁい、色男さん。元気?
いきなり本題に入るけど、ねぇ、関係者一斉解雇の噂、あれ本気じゃないでしょうね。ひどいわ、横暴じゃない。
言っておきますけど、この座を譲る気はないわよ。
さてはあなた、自分に嫌疑がかかったんでしょう。だから真っ先に、秘密を知る私を口封じするしかないと思ったんじゃない?
でもお生憎さま。楽しみを共有していたのは私以外にも大勢いたわよ。まぁ私が指摘するまでもなく、あなた自身がよぅく御存知のはずだけど。
……いやだ、まさか虱潰しに、関係者を潰しにかかってるんじゃないでしょうね? そもそも、あなたに私をクビにできる権限があるわけ?
忘れてるようだから思い出させてあげる。あなたも同じ穴の狢なのよ?』」
伊神が言葉を切る。どうやら1通目はこれで終わりのようだ。
内容から推測するに、かつて人事部に在籍していた都築に宛てたメールのようだ。
(伊神君の代わりをさせられたことで都築は怒ってたからな。さしずめ『レオナめ、ざまぁみろ』と言ったところか)
正式発表の前に、それとなく教えたのだろう。なかば脅すように。『レオナ、君はクビになるぞ』と。
それに対するレオナの返事がこのメールだと思われる。
(だからレオナも脅し返した……? いや、このメールは嘆願書にも見える。クビを回避してもらうために送ったのか)
香港にいたレオナは全体像など知るよしもなく、都築が解雇対象者だったことも知らなかったのではないだろうか。
『あなたに私をクビにできる権限があるわけ?』
(やれるものならやってみなさい、というわけか。文中におけるレオナの言い分は正しいが、1つだけ穴があったな)
あの時期は混乱の渦中にあった。人事部そのものが機能しておらず、それどころか権力が大きく入れ替わってしまった。
人を助けている余裕などなかった。明日は我が身。誰もが自分の進退にやきもきしていた。
レオナも同じだ。保身のために帆走しているだけ。そうこうしているうちに、都築も凪も裁かれてしまった。
当然だ。悪事横行の拠点だった人事部の解体こそが、粛清の目的なのだから。
解雇された者たちは人事部からはクビを宣告されていない。粛清をしたのは、悪事に手を染めなかった一派だ。
(ひょっとして……レオナは、自分だけがクビにされたと思い込んだままか?)
仮説を組み立てながら、2通目を読みあげる伊神をぼんやり見やる。
「『こんばんは。出会った当初からあなたのことをいけすかない男だと思ってたけど、結局最後の最後まで嫌いだったわ。
風の噂で聞いたの。私の情報を売ったのは、あなたなんですってね? 許さないわよ、絶対に』」
レオナを売ったのは加納だったはず。ということは、このメールは加納宛てと見るべきだろう。
タップ。3通目。
「『ちょっと、本気で私をクビにするだなんて、嘘でしょう!? これからどうすればいいのよ!?』
これは都築宛てだ。どうやらクビになって困る云々の話題は、すべて都築宛てのようだ。
加納に対しては、自分を売ったことへの恨みつらみをしたためているのだろう。
タップ。4通目。
「『嘘よ、嘘だわ。これはどんな悪夢? さっき店に行ったら、あなたの席はもうありませんって言われたわ。何て事してくれたの!』」
タップ。5通目。
「千早さん……これは……どういうことですか?」
「……え?」
うろたえや戸惑いが混じった伊神の声。反射的に凪が顔をあげると、対面の伊神の顔は強張っていた。
どうした? と訊く前に、伊神のほうからiPadを指差しながら尋ねてきた。
「どうしてここにオレの名前が……?」
5通目と思しきメールを見ると、1行目にIgamiと書かれているではないか。
「な……」
(なぜ彼の名が?)
狼狽と同時に押し寄せるのは、後悔の念。
(しまった、伊神君を頼ったのは人選ミスだった)
よくよく考えれば、レオナがクビになった理由は枕営業であり、その相手の1人が伊神である。このメールを読んで、伊神が動揺しないはずがないではないか。
「……千早さん、このメールを書いたのはレオナ・イップですね?」
「……そうだ。すまない、私が軽率だった。まさか伊神君の話題がのぼるとは思わなかったんだ」
都築の話によれば、ことは失敗に終わったようだが、とはいえレオナが寝た相手は他にもいたはずだ。
なぜ5通目にして名指しで伊神の名前が浮上したのか……。レオナの未練だろうか。
「いえ、そんなの全然……。本当に構いません」
きっぱりと告げる伊神は、どうやら本気でそう思っているようだ。
むしろレオナが関わっていると判明したことで熱が入ったのか、早くも続きを読みたそうに視線をiPadに落とす。
「……読みます。『もう一度、伊神を私のいる香港に寄越しなさい。それであなたのことを許してあげる』」
都築宛てだろうか。それともこの場合は加納宛てだろうか。どちらにせよ、レオナの要求は叶っていない。
そのまま6通目、7通目と開封し、22通目まで訳されるのを、凪はただ黙って聞いていた。
(*1)『tl;dr』
Too Long; Didn't Read の頭字語・略語。意味は『(文章が)長すぎるから読まなかった』。
___08
この22通から分かったことはレオナの近況だった。最後の方に差し掛かるほど、内容は狂気じみていた。
伊神に訳させるのが申し訳なく思うほど罵詈雑言のオンパレードで、呪いのメールといっても過言ではない。
1、レオナは加納と都築を生涯許さないつもりでいる
2、加納と都築はレオナに1通たりとも返信していない。2人は22通のメールを一切読んでいないものと思われる
(加納、都築、レオナが抹消対象と見なされて以降、彼らに割り振られていた会社用メールアドレスは放置状態のはずだ。
レオナは2人がまだそのメールアドレスを使用し続けていると思っているのだろう。彼らが退職したことも知らないと予測される)
3、伊神に未練があるのか、執着心が垣間見える
4、最近になって居住地を替えたようで、香港にはいない模様
5、経済的に困っている
6、自分の現状を嘆いている(そしてそれを加納のせいにしている。レオナを悪の道に誘ったのが加納だからだ)
解せないのはこのメールが送られてきた意図だ。今まで都築と加納に向かっていた矛先が、急に自分へ向けられた理由が見えてこない。
「あるいは、2人の罪を俺に贖えということか」
考えれば考えるほど、それしかないように思える。だが、贖うにしてもどうやって――。
「疑問なのは、レオナがこのメールを日本語ではなく英語で書いた理由だ。加納は英語が堪能だが、果たして都築はどうだったかな」
「訳してて思ったんですが、随分ややこしかったです。クセがひどくて」
「君でさえ?」
「えぇ。オレが思うに、このメールを書いてる時のレオナさんは相当頭に血が昇っていたんじゃないでしょうか。
冷静に考えれば、送る相手は日本人なんですから、当然相手を慮って、日本語で書きますよね?
でもカーッとなってしまった彼女は、つい普段慣れ親しんでいる第一言語で書き綴ってしまった。そんな気がするんです」
「レオナはマルチリンガルだった。彼女の場合、母国語は何になる?」
「イギリス英語だと思いますよ。独り言がそうでしたから」
「なるほど。無意識下においては、より得意とする言語が出てきてしまうと。そういうことか」
正誤についてはレオナに尋ねるしかない。それでも伊神の言葉は一理あると凪は思った。何故なら伊神もマルチリンガルだからだ。
「実は、オレも彼女の近況を知りたいと思っていました」
そういうと、伊神はポケットからエアメールを取り出す。
「事件の後、彼女に何十通も送ったんですが……こうして返ってきてしまう……。彼女が困っているのなら、助けになりたいんです」
「伊神君……」
「でもこのメールアドレスは生きてるんですよね? これに返信すれば、彼女とやり取りができますよね?」
「あぁ。これは彼女と、……彼女を助けようとしている俺たちの、唯一の連絡手段だ」
「千早さん……!」
凪の視線は何かを訴えるように熱を帯びていた。
「日本に来るよう、説得してみるよ」
「本当ですか? メールを送るなら、オレが訳します」
「いや、あえて日本語で書く。ついでに彼女の現住所も聞き出してみせる」
レオナに帰還を促す――。始めは拒まれるかもしれない。
だが、と凪は思う。この22通は怒りと恨みの感情で満ち溢れているが、S.O.Sを訴えているのではないかと。
メールの随所から、『奈落の底から私を助けて』と手を伸ばす彼女の声が聞こえてしょうがないのだ。
(探すんだ。俺にできることを)
これは、罪滅ぼしの第一歩だ。
___09
「昨晩返信があった。レオナが日本に来るそうだ」
「本当ですか!?」
凪はiPadを差し出し、レオナとのメールのやり取りを伊神に見せた。
画面を覗きこめば、確かに日本語で『分かりました。日本に行きます。近日中に会いましょう』とある。
二の句がうまく告げられずにいる伊神を横目に、缶コーヒーを啜り終えた柾が、空のそれをゴミ箱に投じながら呟いた。
「へぇ、レオナが帰って来るのか」
「そうだが……なぜ柾がここにいる?」
面白くないとばかりにじろりと睨みながら、凪は柾に向き直った。一方の柾は平然としている。
「伊神君に同席を頼まれたからな」
「なんだって?」
「すみません、千早さん。でも柾さんは、彼女のことを御存知なので……。
千早さんから『進展があったから休憩室まで来てくれ』と言われた瞬間、情けないことにオレ、動揺してしまって……」
伊神の気持ちも分からなくはない。レオナを知る柾は女性の機微にも詳しいときている。柾にアドバイスを請いたくなるのは当然かもしれない。
「それよりも、荒ぶるレオナをよく説得出来たな。伊神君の話では、亀裂は相当なものだったそうじゃないか」
どんなカラクリだ? と興味深そうに尋ねてくる柾の視線から、凪は逃れた。
「別に……。ただメールのやり取りを重ねただけだ。彼女だって非道じゃない。話し合えば理解を示してくれるし、留飲だって下げるさ」
「……へぇ?」
凪の言葉に対し、柾は意味深に相槌を打つ。上っ面だけの、綺麗なおべんちゃらなど信じるもんかとでも言うように。
実際には水面下でどんな駆け引きが行われたのだろうかと邪推する。凪のことだ、何かしらの特典をレオナに提示したに違いないのだ。
今後、凪の動向に注意しておくことを念頭に置いて、柾は伊神に向き直った。
「それで――伊神君はどうするつもりだ?」
柾の問い掛けに、伊神は下唇を噛み締める。その仕草に、考えあぐねているというよりかは不安のほうが大きそうだ、と柾は予想する。
「会いたくないなら会わない方がいい。そもそもきみの願いは『レオナの再起』だ。日本に帰国する意志を固めた彼女は『前進した』と思う。
ある意味、きみの願いは叶った形だ。それ以上を望まないなら……レオナに会うことが苦痛ならば、やめておけ」
「柾の言う通りだ。無理しなくていい。
伊神君が嫌だと言うなら、きみがネオナゴヤにいることは伏せ続ける。だがきみが自ら名乗り出るなら止めはしない。
俺も柾も、『きみの意志を尊重する』ということだけ覚えておいてくれ。ゆっくり決めてくれて構わないから」
2人のアドバイスはありがたいものだった。しかし無情にも時は流れてしまう。結論を見出せないまま、レオナの帰国日を迎えた。
2015.09.17
2025.11.24
←42話
┃ ● ┃
44話→
ジャンル別一覧
出産・子育て
ファッション
美容・コスメ
健康・ダイエット
生活・インテリア
料理・食べ物
ドリンク・お酒
ペット
趣味・ゲーム
映画・TV
音楽
読書・コミック
旅行・海外情報
園芸
スポーツ
アウトドア・釣り
車・バイク
パソコン・家電
そのほか
すべてのジャンル
人気のクチコミテーマ
本日の楽天ブログラッキーくじ
楽天ポイントモール&ドリームくじ1ポ…
(2026-07-22 12:31:12)
避難所
【防災用品】‐「家具転倒防止」‐「防…
(2026-06-06 03:46:40)
★つ・ぶ・や・き★
着るだけで休養時間をもっと上質に✨
(2026-08-07 02:45:03)
© Rakuten Group, Inc.
X
共有
Facebook
Twitter
Google +
LinkedIn
Email
Design
a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧
|
PC版を閲覧
人気ブログランキングへ
無料自動相互リンク
にほんブログ村 女磨き
LOHAS風なアイテム・グッズ
みんなが注目のトレンド情報とは・・・?
So-netトレンドブログ
Livedoor Blog a
Livedoor Blog b
Livedoor Blog c
楽天ブログ
JUGEMブログ
Excitブログ
Seesaaブログ
Seesaaブログ
Googleブログ
なにこれオシャレ?トレンドアイテム情報
みんなの通販市場
無料のオファーでコツコツ稼ぐ方法
無料オファーのアフィリエイトで稼げるASP
ホーム
Hsc
人気ブログランキングへ
その他
Share by: