「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
100万ポイント山分け!1日5回検索で1ポイントもらえる
>>
人気記事ランキング
ブログを作成
楽天市場
303831
HOME
|
DIARY
|
PROFILE
【フォローする】
【ログイン】
G4 (迦) 【計画的な、犯行ね】
日常編 (迦) 【計画的な、犯行ね】
一言でいい。声が聴きたい。
どんな言葉でもいいから。
この耳が、心が、貴方の声を欲してる。
___01
ひと月目はどうという事もなく、淡々と時が過ぎていった。
あと2ヶ月も経てば出張から戻ってくるのだし、この調子なら平気。そう思ってた。
それは強がりでしかなかったことを、42日目にして悟る羽目になる。
今や放り出された砂漠の中で、オアシス目指して『まだかしら』と挫けそうになる寸前。
忘れてないよ。今だって鮮明に思い出せる。
あなたの残像は、声は、私の脳裏にきちんと焼き付いて、こびり付いたままだもの。
でも私が欲しいのは、記憶よりも実体。
___02
「不破君、寂しいよ」
するりと口から漏れた私の言葉に、後輩はひどく動揺してみせた。
その証拠に、彼の疑惑の目は私の感情を読み取ってやらんとばかりに私の顔にロックオン。
「志貴さん……。嘘でしょう? 今なんて言いました?」
恐る恐るのていで不破君は尋ねた。私は繰り返す。
「寂しいって言ったの。チーフがいなくて寂しいの。つらいよ」
どうやっても気持ちは誤魔化せない。本音を吐かなければ不安に押し潰されそうで怖かった。
でも、こうして話を聞いてくれる人がいる。それだけでも私は恵まれていると安堵できるのだ。
「……志貴さん、本当に変わりましたね。以前はそんな素振り、絶対人に見せなかったじゃないですか」
「そうだね、気取られるのを恐れてた。自分でも思う。180度変わったなって」
今の心境を伝えたならば、是とばかりに不破君は頷いたのだった。そして口の端に笑みを浮かべ、指を1本立てた。
「ご存知の通り、僕の大本命は透子さんです。その点だけは決してブレたりはしません。それを踏まえて言うんですけど」
「なに?」
「実直な志貴さんは、とても可愛らしいと思います。今の一挙一度を青柳チーフに見て貰いたかったな。
でも教えたら教えたで、理不尽にも『お前は見るな』と怒られてしまうんだろうけど」
「……」
真顔で言ってくれちゃって、まぁ!
「ふふっ、ありがと。不破君だって、以前より他者に対して優しくなったと思うな。
あぁそれと、私も青柳チーフに一途という点を踏まえて聞いて貰いたいのだけど」
「なんでしょう?」
「そう言って貰えて、本当に嬉しい」
「いやはや……本当に素直ですね、志貴さん。あぁ、透子さんもこれぐらい素直だったらなぁ~~~……」
「透子ちゃんはツンデレなところがいいんじゃない」
「ツンが多いんですよ」
そう言う割には、彼女のことを語る顔つきは柔和で。透子ちゃんってば、とっても愛されてるなぁとつくづく思う。
「はぁ~……。今頃なにしてるんだろう、チーフ……。向こうに素敵な女性がいたらどうしよう」
「志貴さん、電話してないんですか? チャットメッセージは?」
「何もしてない」
私の回答に不破君は目を丸くした。
「ちょっと……。天邪鬼になるところが違うでしょ。変に意地張ってちゃ駄目ですよ」
「だって、歯止めがきかなくなって、しつこく連絡したら嫌われちゃうでしょ。私は自分を律することに不得手なの」
「寂しいなら寂しいって素直に伝えるべきです。さっきみたいに」
「無理よ、私は不破君じゃないもの。とても本人になんて……。……いい、我慢する」
我慢は慣れてる。今までだって、ずっとそうしてきた。隠すのは得意だったじゃないの。私なら楽勝よ。
「またそんな無意味な意固地を……。そこは治さないと」
「ごめん不破君。私から切り出したのに。忘れて」
不破君は両手を合わせて詫びる私を見下ろし、納得のいかない顔のまま『やれやれ、仕方ないですね』と嘆息した。
あ、折れた。それは彼なりの肯定だと私は学んでいた。
___03
控え目なノック音がして、私は「はい」と応じた。「どうぞ」
ドアを開けて入ってきたのはPOSオペレーターの千早歴ちゃんだった。
「おはようございます、志貴さん」
鈴の音を彷彿させる澄んだ声、綺麗に着こなした制服姿、それらに見惚れながら、「どうしたの?」と尋ねる。
頬に添えられた指、小首をちょこんと傾げた仕草から察するに、千早ちゃんは困った様子だった。
「志貴さん、分からないことがあるんです」
そう言ってすいと差し出されたファイルには、【POS/EOS】と打たれたテプラが貼ってある。
販売時点情報管理のPOS、そのPOSを活用した補充発注システムのEOS。どちらもマーケティング用語ではメジャーだ。
中を開けばマニュアルがページ順に綴ってあった。POSルームで管理されている手引き書なのだろう。
「このマニュアルは祖本なんです。改訂版の存在を知り、早速本部に連絡して送って貰うよう手配したんですけど……」
今日の便で送るため、到着は早くても明日になると言う。
「でも、明日じゃ間に合わない作業があるんです」
聞けば千早ちゃんには青柳チーフから『出張期間中だけ頼む』と割り振られた仕事があるのだとか。
それは1週間に1度、決められた日に行う作業で、ここ数週間は順調に作業出来ていた。
「でも今回イレギュラーな作業が発生してしまいまして。マニュアルをみても載っていないし、先輩方はお休みで詰んじゃいました」
女傑四人衆は温泉旅行中で、透子ちゃんは年次休暇取得中だった。
「なるほど、それで私のところに来たのね。どんな作業?」
「マーチャンダイジングの情報を基幹システムへ送るんです。その際、不要なデータの取捨選択を――」
「ごめん、分かんないや」
完全に青柳チーフの仕事だ。
でもチーフ、それを私ではなく千早ちゃんに振るなんて……。
「志貴さん?」
悶々としているところを呼び掛けられ、はっと顔を上げる。心配気な顔が私を覗き込んでいた。
「あっ、ごめんね。それは私だと分からないし、不破君も……知らないだろうなぁ。他群番の人はどうかな?」
「訊ねてはみたんですけど、どうやら処理方法が違うようなんです。でも今日中に行わなければいけなくて」
「それは……困ったわね」
私はと言えば、「うーん」と唸るばかりの脳無しである。
「志貴さん。申し訳ないんですけど、青柳チーフと連絡を取っていただけませんか?」
「えっ!?」
「お願いします!」
深々とお辞儀をして、そのまま顔を上げようとしない千早ちゃんをおろおろと見下ろし、「やめてやめて千早ちゃん」と私。
「お願いしますぅ……」
「きゃー! ちょっと、そのお願いの仕方は反則よぉぉぉ。わ、分かった! 分かったから」
要求を受け入れると、千早ちゃんはコロッと笑顔になり、「本当ですか!? ありがとうございます!」と早変わり。
「ちょっと待ってね……」
ごそごそとスカートからスマホを取り出す。奇しくもア行の一番上に、かの人の名前はあった。
逡巡しつつも、千早ちゃんのためと言い聞かせ、発信ボタンを押した。2回コール音がしたのち、「青柳です」。
息が詰まったのは一瞬のことだった。胸が高鳴り、心臓がどくどくと脈打つ。
「あ、あの、おつかれさまですチーフ。いま宜しいでしょうか」
「志貴か。どうした?」
あとにしてくれ、とは言われなかった。このまま話し続けても平気なのだろう。
私は千早ちゃんがチーフと連絡を取りたがっている旨を伝え、彼女に代わる。
3分程度のやり取りがあり、お忙しい中ありがとうございましたと締め括った彼女は私にスマホを寄越した。悩みは無事解決したようだ。
「あ……チーフ、お忙しいところ有難うございました。ではこれで失礼します」
惜しみつつ、電話を切ろうとした。すると、
「志貴、元気か?」
この声は――聴き覚えがある。
きっと受話器の向こうで、微笑している。ありありと、まざまざと、思い出すことが出来た。
「はい、元気です」
正確には、「元気になりました」。
「そうか、それはなにより。
そうだ、ここの滞在期間は3ヶ月の予定だったが、今しがたお達しがあってな。俺の後任が決まったらしい。引き継ぎ終了次第そっちに戻る」
“本当ですか!? お待ちしてます!”。
出掛かった本音を抑え、代わりに「えぇ~」という不満を電話口へ漏らす。
「俺がいないからって、羽根を伸ばせていられるのも今の内だぞ。束の間の平穏を精々楽しんでおくんだな」
この声も思い出せる。不敵に笑っているに違いない。
会いたい――早く会いたいな。
「帰って来るなとは申しません。ただ、お土産をたくさんご用意しておいて下さいね。私も不破君も千早ちゃんも大変なんですから」
「こっちでしか買えないやつな」
「約束ですよ」
「あぁ」
「嘘付いたらハリセンボンですから。美味しいディナーご馳走して貰います」
「志貴と行くのか? 面白い。これはわざと買い忘れるのも一興だな」
「なっ……。う、嘘です今の嘘! 今のなし! 失礼します!」
勢いよく電話を切り、またやってしまったと大後悔。でも……でも。
「嬉しそうですね。よっぽどイイコトがあったんでしょうね」
すぐ真横からしれっとした声が聴こえてきて、思わず身を引いた。いつの間に不破君がここに!?
「志貴さん。ありがとうございました! お陰で助かりました」
さらにその横で、にこにこと微笑む千早ちゃん。
「だらしないなぁ。ニヤけ過ぎですよ、志貴さん」
呆れた口調で指摘され、「ち、違うわよ。ニヤけてなんかいないわよ、失礼ね!」と反論する私の声は、わずかながら上擦っていた。
「それより、よくも2人して私を担いだわね?」
「何のことですかね」
「しらばっくれないで、不破君。千早ちゃんに、青柳チーフに電話するよう言い含めたでしょっ」
「えぇー。そんな面倒なことしませんよー」
「千早ちゃん、彼から依頼されたのよね?」
「……いいえ? 私は本当に困ってました」
にこにこにこと千早ちゃん。
「そ、そう? それならいいの。そういうことにしておいてあげるっ」
照れ隠しでソッポを向くと、ぷ、と無礼にも不破君は小さく吹き出した。
私は敢えて、気付かない振りをする。顔を真っ赤にしたままで。
2013.07.04
2026.05.15
ジャンル別一覧
出産・子育て
ファッション
美容・コスメ
健康・ダイエット
生活・インテリア
料理・食べ物
ドリンク・お酒
ペット
趣味・ゲーム
映画・TV
音楽
読書・コミック
旅行・海外情報
園芸
スポーツ
アウトドア・釣り
車・バイク
パソコン・家電
そのほか
すべてのジャンル
人気のクチコミテーマ
株主優待コレクション
研創から株主優待が届きました♪
(2026-08-07 00:00:09)
徒然日記
セミ
(2026-08-05 09:52:14)
★資格取得・お勉強★
FP2・3級は、学科と実技とを"並…
(2026-08-04 14:59:44)
© Rakuten Group, Inc.
X
共有
Facebook
Twitter
Google +
LinkedIn
Email
Design
a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧
|
PC版を閲覧
人気ブログランキングへ
無料自動相互リンク
にほんブログ村 女磨き
LOHAS風なアイテム・グッズ
みんなが注目のトレンド情報とは・・・?
So-netトレンドブログ
Livedoor Blog a
Livedoor Blog b
Livedoor Blog c
楽天ブログ
JUGEMブログ
Excitブログ
Seesaaブログ
Seesaaブログ
Googleブログ
なにこれオシャレ?トレンドアイテム情報
みんなの通販市場
無料のオファーでコツコツ稼ぐ方法
無料オファーのアフィリエイトで稼げるASP
ホーム
Hsc
人気ブログランキングへ
その他
Share by: