New Zealand 虹の立つ国へ

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■第31章 『新たなる改良』






第31章「新たなる改良」


自宅の事へ話が飛んでしまったが、商売の方へ話しを戻そう。
とにかく、間柱で日本市場への参入だけは果たしたが、これも完全ではない。
定着するまでに時間も掛かるであろうし、果たして定着するかどうかも不明である。
一応月に40ft一本のペースで受注はしているが、これだけでは食べてゆくには不足である。

そこで買い手とも相談の上、現在の集成材をもう一歩進めた製品を作ってみる事にした。
框の生産である。
そう、あの日本のどの家にも必ずある「上がり框」 「玄関 框」の 「かまち」 である。

実は当時すでに他社によってNZ産 框は日本に輸出されていたが、製品の精度も低く不良率の発生も高かった。
日本は其処(不良率の発生)をなんとか低くできないか?と言う。
難問である。

とにかく框を輸出している業者をロトルアに訪ねるが、彼もこちらを警戒して何処の工場を使って生産しているかは教えてくれない。
勿論スペックなどはもってのほかである。

それでは自分で調べるまで。
各地の工場に片っ端から電話して調べると直ぐに生産工場が判明し物を見に行く。
案外いい加減な製品である。
当時はソリッド(無垢)板だけを重ねて張って柱状に仕上げたものが主であった。
では、こちらはと言う事でF/J(フィンガー・ジョイント)をした物を張り合わせて 框に仕上げる事にした。
これが後年まで長々と続く製品の誕生である。
累計生産は私が直接輸出していた頃だけで40ftコンテナでのべ200本近く。
その後の生産量をあわせると恐らく300本近くが輸出されたのではないだろうか?
統計は取っていないが、一個人としてNZから輸出した製品の量としては恐らく日本一であろう。
そしてこの買い手が前述の大阪のA社である。








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