おぼろ二次元日記

おぼろ二次元日記

Mishelleさんよりウルグリ小説♪








戻った、自室。開いた、ドアの先


ベッドの上、横たわる肢体
見慣れた、水浅葱の髪


俺の帰りを 待っていたんだろう


喉を鳴らす猫のように
獲物を狙う獣のように


衣擦れの音
向けられる視線


「まだ、いたのか」


事務的な声で問えば
感情的な声が答える


「悪いかよ」


言葉を交わすことに
意味などない。意味などない


「…いや」


そんな顔をしたまま
此処を出て行かれても、困る


満たしてやったはずの快楽
未だ、色濃く残る・恍惚


挑むように、煽情的な


その眼差しを 手で覆い
発せられる言葉を 唇で塞ぐ


薄く開いた、唇の間から
滑り込ませた舌を 受け入れ


吐息も、唾液も、何もかも・貪るように


舌を絡ませることに
意味などない。意味などない


軋むベッドに
その身を沈めて


髪を撫で
膚に触れ


躯を重ねることに
意味などない。意味などない


興味でもなく
好奇心でもなく


掌中に、口腔に、解き放たれる
白濁とした、それらにも


意味などない。意味などない


孤独を埋める術でもなく
愛情を確かめる術でもなく


互いの躯を繋ぐことに
意味などない。意味などない


矛盾する「心」と「体」が、全て


互いが、互いを認める「存在の理由」となり
互いが、互いの躯を使って、自慰に耽るように


激しく、愛するように
優しく、壊していくように


いずれ、終わる


快楽の時を過ごすことに
意味などない。意味などない


・・・・・・・・・・・・・・・








special thanks BGM :
Kiss from a rose / アンジェラ・アキ
キオク ノ カケラ 7777hit 2007・08・22





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