MILANO‘S REVIEW

MILANO‘S REVIEW

『黒崎あつし』作品

黒崎あつし 作品

■その腕シリーズ■

ひと通り読んでみて、一応大丈夫らしいです。読んでいてイライラしないし、ストーリー的にも『そりゃないだろ!!』とも思わないです。
『ハートつかまれました!!!』 と、までは行きませんが、まあまあ好きなタイプの文章です。

シリーズ1 『その腕で溺れたい』

両親をなくし、兄と2人きりになった恵(めぐみ)は、
その兄をも海外勤務に送りだし、現在ひとり暮らし。
外では社交的に明るく振舞っているものの、
家ではひとり言を言ったり、兄のベッドで寝るなど、本当は寂しがりやだ。

そんな恵のところへ、兄の友達、佐原隼人がやってきた。
流行作家で、スキャンダルも耐えない隼人は、仕事から逃げ出して来たのだが、
寝ぼけた朝は、いつも恵にキスをしてしまう。
ショックを受けつつも、誰かと眠る時の安心感を思い出し、なかなかひとり寝に戻れない恵。
一緒に暮らすうちに、お互いに好意を(行為も…υ)持つのだが
佐原は『恵は、単に寂しいから自分を求めているのでは?』と考え、恵の兄の手前もあって、なかなか告白できない。


…という感じです。攻めのボンボンな小説家、佐原が、台詞も『ですます』調で、淡白なので、いまひとつ盛りあがりません。
もうすこし、外が柔柔らかくても 内側は黒い…不二先輩のような…設定だとワタシ好みだったんでのですけどね。

シリーズ2 その腕に捕らわれて

こちらは、そんな恵のお兄さん、望のお話。
実は、望の海外赴任には、強引な 彼氏 が付いて来ているのでした。というか、実はその彼に引っ張って行かれてのでした。

この、望というお兄さん、恵にはメチャメチャ優しいものの、
他の人間に対しては、トコトン計算高い性格らしいです。

高校から名門私立に入って、そこで目立とうと思っていたら
自分よりも身長高く、王者の貫禄をもつ久我竜大の方が目立っていた為敗北感を味わいます。
しかし、編入生仲間の佐原が竜大と知り合いだったため、なぜか望も仲間に引き込まれ、3人で行動することに。
竜大が近くにいるせいか、望の方はまったくモテなくなってしまったのだけれど、一応彼の威光のおかげで学園生活は快適。

しかし、望と違って、竜大は、『友人以上の関係』を望んでいたのでした。

いやー、こっちのカップルの方が面白いです。
きれいで計算高くて可笑しい望と、
男らしいけど、独占欲ありまくりのワガママ帝王竜大と
竜大の気持ちを知っていながら、遠まわしな忠告しかしない淡白な佐原
この3人が絶妙です。
やっぱりキャラは、黒かったり、ワガママだったり、ボーっとしてたり…欠点があった方がカワイイですね♪
(顔の欠点は不可だけど)

シリーズ3 その腕に泣かされて

淡白だった??(ワタシにとっては)佐原と恵のカップルが『やきもち』を焼くことによって、心配したり、ヤケになったり、お仕置きされたりと、どんどん情感豊かになってきている話。

海外から兄ちゃん(望)が急に帰って来た。恵と佐原の仲を知ってじっとしていられなかったからだ。
しかし、佐原との付き合いは認めるものの、なんだかんだ厳しく仕切りたがる望に反発して、恵は佐原の家へ家出してしまう。


佐原も『反対したら、恵くんにはナイショにしている竜大との仲をバラしますよ』と、イイカンジに黒くなってきています。

そんな望と佐原を見て、ちょっと疎外感を感じる恵。
おまけに小説の執筆に夢中な佐原が、エッチの時も『上の空』な感じがして寂しくなってしまう。
元彼女の女優、塔子と、取材の為とはいえ会ったという話も聞いて、ネガティブにネガティブに落ち込んでしまう。

そんな時、スポーツクラブで会った百瀬というプロデューサーに見初められ、撮影会の後、食事に連れ出され、お酒を飲まされて襲われそうになった恵。


お約束通り、佐原が助けに来てくれて、怒った佐原にお仕置きされて…と、正しいBL道をひた進んだ展開でした。
でも、うだうだ悩むトコが好きな私にとっては『OK』。
助けられた後も、佐原がわざと恵から離れた部屋に行こうとするのがツボでした。(もちろん、そのココロは、『今そばにいると、酷いコトをしてしまうからvv』)

つーことで、次第に面白くなってきたこのシリーズ。

そうそう、兄ちゃんの方は、せっかく帰って来てやったのに、
弟が家出をしてしまい、はじめてのひとり暮しに絶えられず
(やっぱこの人の方がヘタレ。カワイイぞ)
エラそうに竜大を呼びつけて『寂しいんだ』と、酔いにまかせて白状してしまったのでした。

翌朝、超嬉しそうな竜大に向かって、すっとぼけたフリで
「何でお前はここにいるんだ??」としらをきる兄ちゃんもカワイイが
「そう来たか~。」と、意地悪ココロに火をつけられ
その後何度も「お前は覚えてないらしいけどさ~」と
しつこくしつこく、アノ夜の兄ちゃんの醜態を再現する竜大も子供っぽくて愛しいです。やっぱりこのカップル、面白いなぁ。

で、最後は、(実は知ってた)恵にカミングアウトして
大人カップルはまた旅だって行きましたとさ。

シリーズ4 その腕で惑わせて

佐原の誕生日に、自分の稼いだお金でプレゼントしようと、
バイトを始めた恵。
親友の五十嵐の紹介で入った(時給の良い)カフェは、従業員が美形ばかりなのだ。


イイ!イイ!イイ~~~!!設定がイイ~~。
ワタシもそんなカフェなら行きたいです~~。

お話は、佐原が見合いさせられたり
その日に恵が不安定なのを見越して、佐原の弟(カフェの客)が恵を連れ出したりと、ちっちゃくイロイロあって、
まー、盛りあがりにちょっと欠けますが、佐原と恵の生活を見ている分、ある程度は楽しめます(ワタシはお兄ちゃん達の方が見たいけどさ)

恵がカフェで百瀬にカメラテストされる話のその後や
夏休みにお兄ちゃんのいるNYも含めた海外に行く話が続巻で出そうなので、一応、楽しみなんですね~~。

ナンヤカンヤ言いつつ、最後まで楽しんで、続巻を待っているワタシなのでした。
仕事もせずに読んでいたのだから、面白かったんだろう…。

(御参考)
シリーズ5 その腕に縛られて


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: