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2016.03.17

『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ第七段　～由美かおるで行こう！～　映画『西遊記之孫悟空三打白骨精』によせて

カテゴリ： ◆映画・TV・華流・韓流・ショービズ

↓前回です♪
第六段

★☆★☆
第七段

不吉な夢から突然目覚める。

誰かが建てつけの悪い引き戸を開けのだ。

小さな影がそっと出て行った。

夜目になれ、横になったまま首を動かし左右を見ると

近過ぎる場所に猪八戒と沙悟浄が臭い息を吐いて寝汚い。

臭いのは息ばかりではなさそうだ。

明日は全員でしっかり身体を洗おう。

衣も洗って、陽に晒そう。

ふたりに触れないように注意深く起き上がり

大きな怪物たちを踏まないよう跨いで歩き

狭い小屋を出た。

寝る前に見た月が場所を移して、まだ煌々と輝いている。

じき満月だ。

小さな石に腰かけて、庭の一角に

用心深い猿が一匹、低い石塀越しに遠く遙かに視線を鋭く投げていた。

遮るもののない、痩せてだだっ広いだけの土地に

捨てられた廃屋が今夜の宿だ。

赤い目だ。光る目。三蔵と認めると光がしぼんだ。

暗がりでも、月にきらきらと輝く黒曜石のような目。

その目が細まると

『師匠。寝てなきゃなりません』

彼は、切実な懸念を口にした。

それは行者もだろう？と、三蔵は、珍しく親しみをこめて言った。

悟空は今だと感じ口が渇くのを覚えながら呟いた。

『師匠。俺たちは心配しているんです。』

『何をだ』

三蔵は、日頃のよそよそしさを取り戻した。

『何もなかったんだ』

『ええ、わかっていますよ。そのことを言ってるんじゃない。

いったい何があったんです？』

『お前の言っていることは無茶苦茶だ』

低く押し殺した声だった。

悟空は急にめそめそ泣いていた男が懐かしくなった。

『あなたはよく泣く人だ。』

悟空は穏やかになって、気持ちのままを言った。

『でも、その手は使える。』

にやっとした。

『あの妖怪も、赤子に手を出しているようで、気がひけただろう』

『そうだろうか？』

三蔵が生真面目な顔で、いっとき考慮するのを悟空は見守った。

『そうでなければ、今ごろ師匠はご用を終えて、

とっくに食われてますよ』

彼は手招きをし、突っ立ったままの三蔵を隣りの石に招いた。

三蔵は、あっさり従い、その石に腰を下ろした。

悟空は厳かに言った。

『明日は風呂に入るんです。

少し行けばこんこんと綺麗な水の湧いている泉がある。

湯を沸かして皆で入るんです。師匠の面倒臭い作法にも従いますよ』

そして、と孫行者は続けた。

『それで終わらせるんです。これからは、いつも。ずっと先の先まで。

例え何があろうとも、です』

彼は横を向き、同じように彼に向き直った三蔵の目を強く見つめた。

暗いせいばかりでなく、法師の目から光は失せていた。

彼の思考が脳の中をさ迷っている様子が手にとれた。

『大真面目に考えこまないことですよ。生き続けるんだ』

三蔵の顔がその言葉に、

始めて耳にした異国の人のような表情を作った。

すぐに僧の目にしばし、狂おしい光が宿り、猿を驚かせた。

『私は半ば死んでいるのだ』

彼は静かに言った。

『私は親殺しだ』

つづくのでしょうか。。

おごそかにおごそかに
↑身体を清めるシャオフォン玄奘三蔵の動画　思わず合掌
ここで悟空がつぶやく高老庄とは多分、
取経に失敗した時、還俗（げんぞく）して帰る場所、、
猪八戒が、のはずだけど。

ウィリアム・フォン、馮紹峰、フォン・シャオフォン、ペン・シャオペン　以上全部同じ人（笑）

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Last updated 2019.10.13 16:36:59

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すみれゆきの

いつのまにか母娘でやることになったブログです。娘は主に音楽関係を2017.04あたりから担当。 '17.07.22現在『アジアの音楽』『アジア以外の音楽』の両カテ以外の音楽の記事は娘です。私は映画やドラマなどを中心に気功や太極拳などの情報ファッションや猫や人間の健康に関することなどを発信してます。混乱します？そうでもない？娘は几帳面。私はイイカゲン。そんな感じの見分け方で(笑)

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