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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[9]】はヒガンバナ科の植物です。第12回は、ヒガンバナ科のネギ(ネギ亜科ネギ属)の仲間です。写真は、ネギです。(2012年5月23日撮影)。◎ユリ科ネギ属⇒ネギ科ネギ属⇒ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属へと変遷(1)1980年代までは、マクロ形態的な仮説を根拠に演繹的に作り上げたクロンキスト体系が主流で、ネギ属はユリ科に属していました。(2)1990年代には、ミクロ的なゲノム解析から実証的に構築されたAPG(Angiosperm Phylogeny Group: 被子植物系統発生グループ)分類体系が登場し、1998年に初版が出されました。ネギ属はネギ科とされました。(3)APG分類体系は、2003年に第2版、2009年には第3版が出され、この第3版ではネギ属はヒガンバナ科に分類されることになりました。◎ネギ(ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属)☆筒状の葉を食用にする青ネギ、肥大化した偽茎を食用にする白ネギがあります。(2012年5月23日撮影)。◎タマネギ(ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属)☆タマネギは鱗茎を食用にするものですが、鱗茎は茎ではなく葉が層状に重なり合っているものです。(2012年10月28日撮影)。◎ニラ(ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属)☆扁平な葉を食用とするニラです。ウォーキングコース(玉川上水)では野生化しています。(2012年9月27日撮影)。◎ワケギ(ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属)☆筒状の葉を食用にするワケギは、ネギとタマネギの雑種だそうです。(2012年10月28日撮影)。◎ノビル(ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属)☆山野に自生するノビルは、鱗茎を食用にします。(2012年3月7日撮影)。◎園芸植物のハナニラ(ヒガンバナ科ネギ亜科ハナニラ属)☆ハナニラは原産地が南米で、主にメキシコからアルゼンチンにかけて分布し、日本には、明治時代に入ってきたそうです。ハナニラは、ハナニラ属の総称です。ハナニラ(花韮)の名は、花がきれいで葉がニラに似ており、葉を折るとネギやニラのような匂いがすることに由来します。雑草のように丈夫で、種と球根(塊茎)で、庭だけでなく芝生の中など野生化して繁殖しています。(2008年3月30日撮影)。☆ハナニラの花期は春で、球根(鱗茎)から数枚の線形の葉を根生し、その中心から花茎を伸ばします。(2015年4月6日撮影)。☆ハナニラは、花茎の先端に細長い鞘状の苞があり、苞の裂け目から細長い花柄が伸び、1個の花をつけます。(2013年3月12日撮影)。☆ハナニラの花のつくりは、花被片6枚(外花被片3枚、内花被片3枚)、雄蕊が6本、雌蕊が1本です。(2013年3月12日撮影)。
2018.11.07
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[9]】はヒガンバナ科の植物です。第11回は、ヒガンバナ科のスイセン(スイセン属)の仲間です。(2010年3月21日撮影)。☆スイセンは、スイセン属(ナルシッサス属)の総称です。球根(鱗茎)から3~6枚の線形の葉を根生し、その中心から花茎を伸ばします。花期は、11~4月です。(2008年1月3日撮影)。☆スイセンは、花茎の先端に細長い鞘状の苞があり、苞の裂け目から細長い花柄が伸び、種によって1個から10個以上の花をつけます。(2010年3月21日撮影)。☆スイセンの花のつくりは、花被片6枚(外花被片3枚、内花被片3枚)、雄蕊が6本、雌蕊が1本です。花被片の中心に、副花冠があります。副花冠について調べてみると、「副花冠は雄蕊の付属物」、「副花冠は花冠や雄蕊の一部が変形してできたらしい」という記事や、「副花冠はオシベの花糸が花弁化したうえで、その花弁どうしが合弁したものと考えられる」という記事がありました。(2014年3月25日撮影)。☆スイセンの花は、花被片の付け根より下に子房がある子房下位です。(2015年12月1日撮影)。☆スイセンは園芸品種が1万品種以上あるので、副花冠の形や花の咲き方によって、スイセンの品種が便宜的に区分されているそうです。☆ニホンズイセンなど一つの花茎に数個の花が房咲きに咲く品種は、「房咲き水仙」と呼ばれるそうです。(2014年1月5日撮影)。☆一つの花茎に一つの花が咲く品種で、副花冠が花被片の3分の一以下の品種は「小杯水仙(ショウハイスイセン)」と呼ばれるそうです。品種は少ないそうで、見かけませんでした。☆一茎一花で、副花冠が花被片の3分の一以上あり、花被片より短い品種は「大杯水仙(タイハイスイセン)」と呼ばれるそうです。(2016年3月23日撮影)。☆一茎一花で、副花冠が花被片と同じか、それより長い品種は「ラッパスイセン」というそうです。(2014年4月4日撮影)。☆他にも、八重咲きスイセンなど園芸品種の区分があるそうです。☆スイセンという名は、中国名の「水仙」を音読みしたものです。水仙という名は、水辺で咲くスイセンの姿を仙人に例えたと言われています。中国の古典に「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」という記述があるそうです。(2012年2月28日撮影)。☆スイセンの花言葉は、「うぬぼれ」「自己愛」などだそうです。花言葉の「うぬぼれ」「自己愛」は、水鏡に映った自分の姿に恋をしてスイセンになってしまった美少年ナルキッソスの伝説に由来するそうです。(2008年3月30日撮影)。
2018.11.06
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[9]】はヒガンバナ科の植物です。第10回は、ヒガンバナ科のクンシランの花です。(2015年4月19日撮影)。☆クンシランは、ヒガンバナ科クンシラン属(クリビア属)の半耐寒性多年草です。クンシランは、南アフリカ原産で、ヨーロッパを経由して明治時代に日本に渡来したそうです。属名の学名Clivia(クリビア)は、19世紀に植物学発展のために援助をした英国クライヴ家(Clive)出身の公爵夫人を讃えて名づけられたそうです。(2015年4月6日撮影)。☆クンシランは、クンシラン属の総称です。本来のクンシランは花が下向きで観賞用に適さず、花が上向きに咲くウケザキクンシラン(受け咲き君子蘭)の園芸品種がクンシランとして市場で流通しているそうです。(2015年4月19日撮影)。☆クンシランの葉は分厚い線形で、根元から8~10枚ほどでます。花とともに、肉厚の葉をも楽しむ園芸植物です。(2015年4月6日撮影)。☆クンシランの花期は3~4月で、高さ40~50センチほどの花茎の先に総苞片の中から多数(5~20個)の花を散形花序につけます。(2015年4月19日撮影)。☆クンシランの花被片は6枚(外花被片3枚、内花被片3枚)です。外花被片と内花被片は、ほぼ同じ形です。雄蕊は6本、雌蕊は1本で、雌蕊は雄蕊より長く、柱頭は3つに分かれているようです。(2015年4月19日撮影)。☆クンシランの花は、花被片の付け根より下に子房がある子房下位です。(2015年4月19日撮影)。☆写真ではわかりませんが、他のヒガンバナ科の植物の多くは地中に鱗茎がありますが、クンシランは太い根を張るだけで鱗茎はありません。(2013年4月3日撮影)。☆クンシラン(君子蘭)の名は、本来のクンシランの学名が「高貴な」「気品がある」という意味で、それに日本では「君子」という言葉を当てたことと、葉が蘭に似ていることに由来するそうです。(2015年4月19日撮影)。☆クンシランの花言葉は、「高貴」「情け深い」「誠実」「端正」などだそうです。「高貴」は、クンシラン(君子蘭)の名に由来するようです。(2015年4月19日撮影)。
2018.11.05
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[9]】はヒガンバナ科の植物です。第9回は、ヒガンバナ科のインドハマユウ(印度浜木綿)と思われる花です。(2013年6月23日撮影)。☆インドハマユウ(印度浜木綿)は、ヒガンバナ科クリナム属(ヒメノカリス属)の耐寒性常緑多年草(球根植物)です。インドハマユウについては、(1)インドハマユウ(インド、スリランカ、タイ、ベトナム原産)、(2)インドハマユウ(アフリカ、インド、スリランカ原産)、(3)アフリカハマユウ(南アフリカ原産)の3種が混同されてきたという説明もありましたが、詳しいことはわかりません。☆インドハマユウは、白色花が代表的ですが、園芸品種には桃色花品種もあるそうです。写真でも、花被片の外側に薄いピンク色が見えます。☆インドハマユウの葉は分厚い線形で、根元から多数でます。葉の長さは70センチほどで、葉の幅は10センチ程度です。☆インドハマユウの花期は6~9月で、高さ80センチほどの花茎の先に2枚の総苞片の中から多数の花を散形花序につけます。☆インドハマユウの花を横から見ると、6枚の花被片が基部で合着して細長い筒状になっています。☆インドハマユウの花被片は6枚(外花被片3枚、内花被片3枚)で、先端はやや反り返っています。外花被片と内花被片は、ほぼ同じ形です。雄蕊は6本、雌蕊は1本で、ほぼ同じ長さです。☆インドハマユウの花は、花被片の付け根より下に子房がある子房下位です。☆インドハマユウ(印度浜木綿)の名は、インド原産の浜木綿から。園芸店では、属名の「クリナム」で流通することも多いそうです。ハマユウ(浜木綿)の名は、白い花が木綿(コウゾの樹皮を細く裂いてつくった繊維)を垂らしたように見えることから名づけられたそうです。☆インドハマユウの花言葉は、「どこか遠くへ」「あなたを信じます」「快楽」「清潔」などだそうです。
2018.11.04
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[9]】はヒガンバナ科の植物です。第8回は、ヒガンバナ科のゼフィランサスとハブランサスの花です。写真は、ゼフィランサスの花です。(2012年10月15日撮影)。☆ゼフィランサスは、アメリカ原産で江戸時代末期から明治時代初期に渡来したヒガンバナ科ゼフィランサス属(タマスダレ属)の多年草、球根(鱗茎)植物です。鱗茎の分球による繁殖力が強く、園芸植物ですが、耐寒性があり野生化したものがよく見られます。(2012年10月15日撮影)。☆ゼフィランサスは、葉が線形で、6月から10月に花茎の先の苞の中から蕾を伸ばし、1個の花を上向きに咲かせます。(2012年10月15日撮影)。☆ゼフィランサスの花は、花被片6枚(外花被片3枚、内花被片3枚)、黄色い葯がつく雄蕊が6本、雌蕊が1本です。(2012年10月15日撮影)。☆ゼフィランサスの名は学名の音読みで、「Zephyranthes」の名はギリシャ語のZephyros(西風、ゼピュロス)とanthos(花)が語源だそうです。和名のタマスダレ(玉簾)は、白い小さな花を「玉」に、葉が集まっている様子を「簾」に例えたことによるそうです。ゼフィランサスの花言葉は、「汚れなき愛」「期待」「便りがある」「予想」などだそうです。(2012年10月15日撮影)。☆こちらは、ハブランサスの花です。6月から9月に花茎の先の苞の中から蕾を伸ばし、1個の花を咲かせます。(2009年6月21日撮影)。☆ハブランサスは、アメリカ原産で大正初期に渡来したヒガンバナ科ゼフィランサス属と近縁のハブランサス属の多年草、球根(鱗茎)植物です。ゼフィランサスは花を上向きに咲かせますが、ハブランサスは花を横向きに咲かせます。(2009年6月21日撮影)。☆ハブランサスの花は、花被片6枚(外花被片3枚、内花被片3枚)、黄色い葯がつく雄蕊が6本、雌蕊が1本です。(2009年6月21日撮影)。☆ハブランサスの名は学名の音読みで、「Habranthus」の名はギリシャ語のhabros(優雅な)とanthos(花)が語源だそうです。(2009年6月21日撮影)。
2018.11.03
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[9]】はヒガンバナ科の植物です。第7回は、ヒガンバナ科のスノーフレークの花です。(2016年3月12日撮影)。☆スノーフレークは、ヨーロッパ原産のヒガンバナ科スノーフレーク属の多年草で球根植物です。園芸植物ですが、各地で野生化して広がっています。(2016年3月12日撮影)。☆スノーフレークは、2月の上旬から中旬に葉が伸びて成長し、3月中旬から花茎の先に1~4個の花を咲かせます。(2013年3月19日撮影)。☆スノーフレークは、花茎の先端に細長い鞘状の苞があり、苞の裂け目から細長い花柄が伸び、下向きに花をつけます。(2013年3月20日撮影)。☆スノーフレークの花は、花被片の付け根より下に子房がある子房下位です。(2016年3月12日撮影)。☆スノーフレークの花のつくりは、花被片6枚(外花被片3枚、内花被片3枚)、黄色い葯がつく雄蕊が6本、雌蕊が1本です。(2016年3月12日撮影)。☆スノーフレークの花被片の先端近くには、緑色の斑紋があります。(2016年3月12日撮影)。☆スノーフレークの名は英名snowflakeで、「雪のひとひら」「雪片」「雪の結晶」という意味です。スノーフレークの和名は、オオマツユキソウ(大待雪草)です。同じヒガンバナ科のマツユキソウ(スノードロップ)に比べて大きいことから。マツユキソウ(待雪草)の名は、冬の終わりの雪が消える頃に咲く花ということから。(2016年3月12日撮影)。☆スノーフレークの別名は、スズランスイセン(鈴蘭水仙)で、花がスズランに似て葉がスイセンに似ていることから。(2016年3月12日撮影)。☆スノーフレークの花言葉は、「純粋」「純潔」「汚れなき心」「皆をひきつける魅力」などだそうです。「純粋」「純潔」「汚れなき心」は、花びらの先端に入る緑の斑点が、純白で清楚な花をいっそう際立たせていることに由来するそうです。(2013年3月19日撮影)。
2018.11.02
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[9]】はヒガンバナ科の植物です。第6回は、ヒガンバナ科のキツネノカミソリの花です。(2017年8月6日撮影)。☆キツネノカミソリは、本州・四国・九州の山野に生えるヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草です。(2017年8月6日撮影)。☆キツネノカミソリは、長さ30~40センチ、幅0.8~1センチの葉を早春に伸ばし、夏になると枯れます。葉が枯れたあと、8月から9月に高さ30~50センチ花茎が伸びて、3~5個の黄赤色の花を散形状につけます。(2012年7月31日撮影)。☆キツネノカミソリの総苞片は、披針形で長さ3~4センチです。開花し始めた蕾では、数個の花を包んでいる2枚の総苞片がよくわかります。開花したものでも、花柄の付け根に2枚の総苞片があるのがわかります。(2017年8月6日撮影)。☆キツネノカミソリの花柄は、長さ2~6センチです。キツネノカミソリは、花被片の付け根より下に子房がある子房下位です。(2014年8月7日撮影)。☆キツネノカミソリの花のつくりは、花被片6枚(外花被片3枚、内花被片3枚)、黄色い葯がつく雄蕊6本、雌蕊1本です。雄蕊の長さは花被片とほぼ同じ長さです。雌蕊花柱は、花被片より少し長いようです。(2013年7月30日撮影)。☆この写真では、キツネノカミソリの雌蕊花柱が花被片や雄蕊より長く突き出しているのがわかります。キツネノカミソリは花の後に実ができます。キツネノカミソリは、球根(鱗茎)の分球と種の両方で増えていきます。(2017年8月6日撮影)。☆キツネノカミソリの花被片は、「斜めに開いて反り返らない」という記事がありましたが、このように明らかに反り返っているものもありました。(2017年8月6日撮影)。☆キツネノカミソリ(狐の剃刀)の名は、花の色が狐色で葉の形が剃刀に似ているので名づけられたそうです。すでに紹介した通り、キツネノカミソリの葉は春に出て夏には枯れます。(2016年7月26日撮影)☆キツネノカミソリの花言葉は、「妖艶」だそうです。「妖艶」は、薄暗い林床で花茎をすっと伸ばして橙赤色の花をつける妖しいほどのなまめかしい姿からつけられたそうです。(2017年8月6日撮影)。
2018.11.01
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[9]】はヒガンバナ科の植物です。第5回は、ヒガンバナ科のナツズイセンの花です。(2017年8月6日撮影)。☆ナツズイセンは、本州・四国・九州の山野に生えるヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草です。山野に自生すると言われていますが、人家の近くにしか見られないので、古くに中国から渡来したものが野生化したのではないかといわれているそうです。観賞用に栽培されています。(2012年7月31日撮影)。☆ナツズイセンは、早春に長さ20~30センチ、幅18~25ミリの葉を伸ばしますが、初夏には枯れてしまいます。8月から9月に、鱗茎から高さ50~70センチの花茎を伸ばし、数個の淡紅紫色の花を咲かせます。ウォーキングコース(玉川上水)では、7月下旬から8月中旬頃まで咲いています。(2013年8月11日撮影)。☆ナツズイセンの総苞片は、披針形で長さ1.5~4センチです。花柄の付け根に枯れた総苞片が見えます。花柄は長さ1.5~3センチです。ナツズイセンの花を横から見ると、6枚の花被片が基部で合成して細長い筒状になっており、ユリ科(ススキノキ科)ワスレグサ属ノカンゾウの花の形に似ています。ノカンゾウは子房上位ですが、ナツズイセンは花被片の付け根より下に子房がある子房下位です。(2017年8月6日撮影)。☆ナツズイセンの花被片は6枚(外花被片3枚、内花被片3枚)で、先端はやや反り返っています。外花被片と内花被片は、ほぼ同じ形です。(2014年8月7日撮影)。☆ナツズイセンの雄蕊は6本で、花糸は花被片と同じ淡紅紫色です。雌蕊は雄蕊より長く、下部は雄蕊と同じ淡紅紫色ですが、上部は濃い紅紫色です。(2013年8月11日撮影)。☆この写真では、雌蕊は花被片と同じくらいの長さで突き出ています。果実はできません。(2017年8月6日撮影)。☆ナツズイセン(夏水仙)の名は、花が夏に咲き、葉や球根(鱗茎)が水仙に似ていることから名づけられました。(2009年8月15日撮影)。☆ナツズイセンの別名は、花期に葉がないことからハダカユリ(裸百合)とも呼ばれるそうです。(20137年8月11日撮影)。☆ナツズイセンの花言葉は、「深い思いやり」「あなたのために何でもします」「快い楽しさ」「楽しむ」「悲しい思い出」などだそうです。(2012年7月31日撮影)。
2018.10.31
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[9]】はヒガンバナ科の植物です。第4回は、ヒガンバナ科のシロバナマンジュシャゲの花です。(2012年9月21日撮影)。☆シロバナマンジュシャゲは、中国の染色体が2倍体のヒガンバナとショウキズイセンの雑種で、九州では自生しているそうです。これは、栽培品が逸出したものと思われます。(2015年9月20日撮影)。☆シロバナマンジュシャゲは、9月に花茎を伸ばします。花は、花茎の先に苞に包まれた花序が1個だけつきます。苞葉は、2枚です。苞が開くと、1つの花序には5~7個前後の花が顔を出します。写真では、地面から伸びてきている蕾が、緑色の2枚の苞葉に包まれているのがわかります。(2012年9月21日撮影)。☆シロバナマンジュシャゲの花序は、全ての花が横を向いて開き、外向きに輪生状に並びます。花序の下に、開いた2枚の苞葉が見えます。(2012年9月21日撮影)。☆シロバナマンジュシャゲの一つひとつの花は、花被片が6枚(外花被片3枚、内花被片3枚)です。長く伸びる雄蕊が6本、ほぼ同じ長さの雌蕊が1本です。花被片は、強く後ろに反り返っています。(2015年9月19日撮影)。☆シロバナマンジュシャゲの花は、花被片の付け根より下に子房がある子房下位です。(2015年9月19日撮影)。☆写真はありませんが、シロバナマンジュシャゲの花が終わり花茎も枯れると、花茎の根元から葉が伸びてきます。10月~11月に、葉が成長します。ヒガンバナの緑の葉は、太陽の光を浴び、光のエネルギーによって光合成を行い、糖やデンプンなどをつくります。(2015年9月19日撮影)。☆シロバナマンジュシャゲは、中国の染色体が2倍体のヒガンバナ(赤い花)とショウキズイセン(黄色い花)の雑種です。赤い花(ヒガンバナ)と黄色い花(ショウキズイセン)の雑種が白花になるのは何とも不思議ですが、ヒガンバナの赤い色素の生合成をショウキズイセンの遺伝子が阻害し、ショウキズイセンの黄色い色素の生合成をヒガンバナの遺伝子が阻害しているそうです。(2013年9月30日撮影)。☆シロバナマンジュシャゲ(白花曼珠沙華、シロバナヒガンバナ:白花彼岸花)の名は、赤い花が咲く曼珠沙華(彼岸花)に対して白い花が咲くことから。(2015年9月20日撮影)。☆シロバナマンジュシャゲの花言葉は、「追憶」「深い思いやり」「再会」などだそうです。(2012年9月21日撮影)。
2018.10.30
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[9]】はヒガンバナ科の植物です。第3回は、ヒガンバナ科のショウキズイセンの花です。(2012年9月16日撮影)。☆ショウキズイセンは、四国や九州以南に自生するヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年生球根植物です。園芸用に植えられていたものが、何かの理由で持ち込まれたようです。(2012年9月16日撮影)。☆ショウキズイセンは、9月~10月に花茎を伸ばします。花は、花茎の先に苞に包まれた花序が1個だけつきます。苞葉は、2枚です。苞が開くと、1つの花序には5~7個前後の花が顔を出します。左側の花序の下に、開いた2枚の苞葉が見えます。(2012年9月16日撮影)。☆ショウキズイセンの花序は、全ての花が横を向いて開き、外向きに輪生状に並びます。(2012年9月16日撮影)。☆ショウキズイセンの一つひとつの花は、花被片が6枚(外花被片3枚、内花被片3枚)です。雄蕊が6本、長く伸びる雌蕊が1本です。花被片は、後ろに反り返っています。(2012年9月16日撮影)。☆ショウキズイセンの花は、花被片の付け根より下に子房がある子房下位です。(2012年9月16日撮影)。☆写真はありませんが、ショウキズイセンは、花の後に葉が出て、初夏まで残っていますが、花の時期には枯れています。(2013年9月8日撮影)。☆ショウキズイセン(鐘馗水仙)の名は、波打っている花被片を、子どもの病気除けや学業成就に効がある鐘馗様の波打つ長い髭にたとえて名付けられたそうです。(2012年9月16日撮影)。☆ショウキズイセンの花言葉は、「陽気」「元気な心」「深い思いやり」「追想」などだそうです。「陽気」「元気な心」は、花弁を大きく反り返らせて華やかに咲く黄色い花の様子からつけられたのではないかという記事がありました。(2012年9月16日撮影)。☆黄色い花のショウキズイセンと中国の染色体が2倍体のヒガンバナ(赤い花)との雑種が、シロバナマンジュシャゲだそうです。その仕組みは、明日のシロバナマンジュシャゲで紹介します。(2012年9月21日撮影)。
2018.10.29
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[9]】はヒガンバナ科の植物です。第2回は、ヒガンバナ科のヒガンバナの花です。(2012年9月22日撮影)。☆ヒガンバナは、人家に近い田畑の縁、堤防、墓地などに群生するヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草です。花茎は、高さ30~50センチになります。北海道から九州・沖縄にまで分布していますが、中国から渡来したものが広がったものと考えられています。(2014年9月19日撮影)。☆ヒガンバナは、9月中旬頃に花茎を伸ばします。花は、花茎の先に苞に包まれた花序が1個だけつきます。苞葉は、2枚です。苞が開くと、1つの花序には5~7個前後の花が顔を出します。しろうと自然科学者の観察では、最少で4個、最多で8個でした。(2017年9月12日撮影)。☆ヒガンバナの花序は、全ての花が横を向いて開き、外向きに輪生状に並びます。花柄は、長さ6~15ミリです。この花序は、花が5個です。(2012年9月16日撮影)。☆ヒガンバナの一つひとつの花は、花被片が6枚(外花被片3枚、内花被片3枚)です。長く伸びる雄蕊が6本、ほぼ同じ長さの雌蕊が1本です。花被片は、強く後ろに反り返っています。(2017年9月12日撮影)。☆ヒガンバナの花は、花被片の筒部が6~10ミリの長さです。ヒガンバナは、花被片の付け根より下に子房がある子房下位です。(2017年9月12日撮影)。☆ヒガンバナは多年生球根植物で、染色体が3倍体なので正常な減数分裂ができないため種ができず、球根(鱗茎)で増えます。ヒガンバナやシャガなど染色体が3倍体のものは、種子ができません。バナナも3倍体なので、種子ができません。ヒガンバナは、3n(33本)の染色体です。染色体数が奇数の3n(33本)だと減数分裂ができず種ができないので、球根の分球で広がっていきます。(2016年9月27日撮影)。☆9月中旬にヒガンバナの花が咲き、花が終わり花茎も枯れると、花茎の根元から葉が伸びてきます。10月~11月に、葉が成長します。ヒガンバナの緑の葉は、太陽の光を浴び、光のエネルギーによって光合成を行い、糖やデンプンなどをつくります。そして、デンプンとして鱗茎に貯えられたり、新しい鱗茎を育てるために使われたりします。(2016年12月23日撮影)。☆ヒガンバナ(彼岸花)の名は、秋の彼岸の頃に一斉に開花することから名づけられました。なお、「彼岸花」と呼ばれるようになったのは、江戸時代に入ってからだそうです。「曼珠沙華」はサンスクリット語で、「天界に咲く花」という意味があり、仏教の経典に由来するそうです。(2014年9月19日撮影)。☆ヒガンバナの花言葉は、「情熱」「独立」「再会」「あきらめ」「悲しい思い出」「思うはあなた一人」「また会う日を楽しみに」などです。(2014年9月19日撮影)。
2018.10.28
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[9]】はヒガンバナ科の植物です。第1回は、ヒガンバナ科の植物の特徴です。写真は、ヒガンバナの花です。◎花は花茎の先に散形か1個つき、両性で放射相称。☆ヒガンバナ科の花は、ヒガンバナのように花茎の先に散形花序をつけるもの、ゼフィランサスのように1個の花を上向きに咲かせるものがあります。◎花被片の付け根より下に子房がある子房下位。☆ヒガンバナ科の花は、花被片の付け根より下に子房がある子房下位です。スノーフレークの花です。◎花被片は6枚で外花被片3枚と内花被片3枚。☆ヒガンバナ科の花は、花被片は6枚で外花被片3枚と内花被片3枚です。ナツズイセンの花です。◎雄蕊は6本で子房は3室に分かれている。☆ヒガンバナ科の花は、雄蕊は6本で子房は3室に分かれています。雌蕊の柱頭が3つに分かれているクンシランの花です。◎スイセン属は花の中央に副花冠がある。☆ヒガンバナ科のスイセン属には、花の中央に副花冠があります。「副花冠は雄蕊の付属物」、「副花冠は花冠や雄蕊の一部が変形してできたらしい」という記事や、「副花冠はオシベの花糸が花弁化したうえで、その花弁どうしが合弁したものと考えられる」という記事がありました。◎葉は線形で、花と葉は別時期のものと同時期のものがある。☆ヒガンバナは花と葉は別時期で、花が終わり花茎も枯れると、花茎の根元から葉が伸びてきます。10月~11月に、葉が成長します。☆ハナニラは花と葉は同時期に見られ、球根(鱗茎)から3~6枚の線形の葉を根生し、その中心から花茎を伸ばします。◎多くは球根(鱗茎)がある多年草である。☆ヒガンバナ科の植物の多くは地中に鱗茎がありますが、クンシランは太い根を張るだけで鱗茎はありません。◎葉が常緑のものと常緑でないものがある。☆インドハマユウ(印度浜木綿)は、耐寒性常緑多年草です。☆キツネノカミソリは常緑ではなく、長さ30~40センチ、幅0.8~1センチの葉を早春に伸ばし、夏になると枯れます。
2018.10.27
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[8]】はキキョウ科の植物です。第10回は、キキョウ科のツルニンジンの花です。(2017年9月26日撮影)。☆ツルニンジンは、北海道から九州の山麓や平地の林の中に生えるキキョウ科ツルニンジン属の蔓性多年草です。☆ツルニンジンの葉は互生ですが、側枝の先ではふつう3~4個集まってつきます。☆ツルニンジンの花期は、8~10月です。ツルニンジンの花は、側枝の先に下向きにつきます。☆ツルニンジンの萼は5つに分かれ、萼片は長さ2~2.5センチの長楕円形で、先は尖っています。☆ツルニンジンの花冠は、長さ2.5~3.5センチの広鐘形で、花冠は5つに分かれて先端はそり返っています。花冠の基部には、距があります。☆ツルニンジンの花冠を正面から見た写真です。花冠は5つに分かれて先端はそり返り、花冠の内部には紫色の斑紋があります。ツルニンジンは、雄性先熟の花です。この花は、雌蕊より先に成熟した5本の雄蕊から出た花粉が、雌蕊の柱頭の周りについています。雌蕊の柱頭の周りの花粉は、まだ花が蕾の時期に、雄蕊が成熟して出した花粉がついたものです。☆雄蕊は既に花粉を出し終えて、花冠の内側に付いています。雌蕊の柱頭の周りに花粉がついていますが、雌蕊はまだ成熟していないので受粉・受精することはありません。花冠の底には蜜があり、この蜜を求めて訪れた昆虫が、雌蕊の柱頭の周りの花粉を体につけて飛び去ります。そして、雌性期になって雌蕊が成熟した他の花で、花粉を雌蕊柱頭につけて受粉・受精させます。☆雌性期なったツルニンジンの花です。雌蕊は成熟しており、柱頭が3つに分かれています。ここに、体に他の花の花粉をつけた昆虫がやってきて、花粉を雌蕊柱頭につけて受粉・受精させます。このように、雄蕊が先に成熟して花粉を出し、雄蕊が花粉を出し終えた後に雌蕊が成熟して受粉・受精するのが、雄性先熟です。自家受粉(自分の花の花粉で受粉すること)を避け、他家受粉(他の花の花粉を受け取って受粉すること)します。同じ種の中でも、多様な遺伝情報を受け取ることによって、個体の生命力を高めるための巧妙な仕組みです。☆ツルニンジン(蔓人参)の名は、茎が蔓性であることと、根が朝鮮人参(高麗人参)に似ていることに由来するそうです。別名は、ジイソブで、同じキキョウ科ツルニンジン属のバアソブに比べて大きいことに由来するそうです。バアソブ(婆雀班)の名は、花冠の斑点を老婆のソブ(雀班:木曽地方の方言でソバカスのこと)に見たてたものだそうです。なお、「雀班」の読みは、「ソブ」と「ソバカス」だそうです。☆ツルニンジンの花言葉は、「感謝」「誠実」だそうです。
2018.10.26
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[8]】はキキョウ科の植物です。第9回は、キキョウ科のツリガネニンジンの花です。(2016年10月19日撮影)。☆ツリガネニンジンは、北海道から九州の山野や高原に普通に自生するキキョウ科ツリガネニンジン属の多年草です。草丈は、40~100センチです。(2016年10月19日撮影)。☆ツリガネニンジンの葉は、茎に3~5枚輪生するそうです。まれに葉が互生や対生することもあるそうです。この写真では、葉は茎に3枚輪生しています。(2016年10月19日撮影)。☆ツリガネニンジンの花期は、8~10月です。ツリガネニンジンは、茎頂に円錐形の花序を出し、1個から数個の花が輪生してやや下向きにつきます。(2014年8月7日撮影)。☆ツリガネニンジンの花のつくりは、細長く上にそり返り小さな鋸歯がある5枚の萼、釣鐘型で先が5つに分かれてそり返る花冠、雌蕊花柱は花冠より長く突き出しています。(2016年10月19日撮影)。☆ツリガネニンジンの花は、雄性先熟で雄蕊が先に熟して花粉を出します。この花は雄性期で、棍棒型の雌蕊花柱の周りに花粉がつき、葯が空になった雄蕊は花冠の内側に倒れていきます。(2012年8月20日撮影)。☆この写真では、葯が空になった雄蕊が花冠の内側に倒れているのがわかります。(2015年7月23日撮影)。☆雌性期に移り変わり始めたツリガネニンジンの花です。雌蕊花柱の周りの花粉がなくなり、柱頭が3つに分かれ始めています。(2013年8月22日撮影)。☆雌性期のツリガネニンジンの花です。雌蕊の柱頭が3つに分かれています。(2016年10月19日撮影)。☆ツリガネニンジン(釣鐘人参)の名は、花の形が釣鐘に似ていて、根が朝鮮人参に似ていることから名づけられたそうです。(2015年9月4日撮影)。☆ツリガネニンジンの花言葉は、「詩的な愛」「優しい愛情」「遠慮」「大切な思い出」などだそうです。風に吹かれると、小さいながらも澄んだ鐘の音が聞こえてきそうな花の形です。☆ツリガネニンジンは、花の色・形など変化が多いのが特徴です。花の色は、淡紫色・淡青色・白色など微妙な変化があります。花の形も、さまざまな変化があります。2015年9月30日の日記で紹介しました。◎ツリガネニンジンは花の色・形など変化が多い(2015年9月30日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20150930/
2018.10.25
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[8]】はキキョウ科の植物です。第8回は、キキョウ科の二重のホタルブクロ(八重ホタルブクロ)の花です。(2012年6月18日撮影)。◎2012年、初めて出合った二重のホタルブクロ(白花八重ホタルブクロ)の花。☆ウォーキングコース(玉川上水)で、ホタルブクロなのに花冠が二重(ふたえ)に見えたので、近づいて撮影してみました。外側の花冠は内側の花冠の半分ほどの長さで、先端が外側に反り返っています。(2012年6月15日撮影)。☆どの花も、花冠が二重になっています。(2012年6月15日撮影)。☆花を注意深く見ていくと、萼片が一部残っており、二重の花冠の外側は萼片が変化したように見えます。二重の花冠は、外側は萼片が変化したもので内側は本来の花冠のようです。萼片の間が盛り上がっており、萼片の間に反り返る付属片がないので、ヤマホタルブクロの変異種のようです。(2012年6月15日撮影)。☆花冠が二重になっているものは萼片がないので、萼片が花冠のように変化して、二重の花冠になった変異種と考えられます。◎2度目に出合った二重のホタルブクロ(白花八重ホタルブクロ)の花。☆ウォーキングコース(玉川上水)の別の場所で、二重のホタルブクロを見つけました。最初に紹介したものは外側の花冠が内側の花冠の半分ほどの長さでしたが、こちらは外側の花冠が内側の花冠とほぼ同じ長さです。(2012年6月18日撮影)。☆株を増やしてきているのでしょうか。10本前後が群生していました。(2012年6月18日撮影)。☆こちらの花も、花冠が二重になって萼片がないので、萼片が花冠のように変化して、二重の花冠になった変異種と考えられます。(2012年6月18日撮影)。◎2013年、翌年出合った二重のホタルブクロ(紅花八重ホタルブクロ)の花。☆最初にウォーキングコース(玉川上水)で二重のホタルブクロに出合った翌年の2013年、花冠の色が紅紫色の二重のホタルブクロ(紅花八重ホタルブクロ)に出合いました。外側の花冠は、内側の花冠の半分ほどの長さで、先端が外側に反り返っています。(2013年6月5日撮影)。☆1株の茎に、1個の花が咲いていました。(2013年6月5日撮影)。☆こちらの花も、花冠が二重になって萼片がないので、萼片が花冠のように変化して、二重の花冠になった変異種と考えられます。(2013年6月5日撮影)。◎2014年、再び出合った二重のホタルブクロ(白花八重ホタルブクロ)の花。☆2014年、ウォーキングコース(玉川上水)で、二重のホタルブクロ(白花八重ホタルブクロ)の花に出合いました。外側の花冠は、内側の花冠の半分ほどの長さで、先端が外側に反り返っています。(2014年6月10日撮影)。☆最初に二重のホタルブクロ(白花八重ホタルブクロ)の花に出合った場所とは、別の場所でした。ウォーキングコース(玉川上水)では、数カ所に数品種の二重のホタルブクロ(八重ホタルブクロ)の花が生えているようです。(2014年6月10日撮影)。☆こちらの花も、花冠が二重になって萼片がないので、萼片が花冠のように変化して、二重の花冠になった変異種と考えられます。(2014年6月10日撮影)。◎ツツジの花で萼片が花冠のように変化して二重の花冠になった事例。☆萼片が変化して花冠が二重になる事例は、他の植物でも見かけます。ツツジの花でも、二重の花が咲くツツジでは萼が見えません。花柄の先に萼はなく、直接に花冠が付いています。(2013年4月23日撮影)。
2018.10.24
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[8]】はキキョウ科の植物です。第7回は、キキョウ科のヤマホタルブクロの花です。(2015年6月22日撮影)。☆ヤマホタルブクロは、ホタルブクロの変種で、東北地方南部から近畿地方東部の山地に生えるキキョウ科ホタルブクロ属の多年草です。(2012年6月5日撮影)。☆ヤマホタルブクロには、白花の品種があり、シロバナヤマホタルブクロというそうです。(2017年7月4日撮影)。☆ヤマホタルブクロの葉は互生し、三角状卵形または披針形で不ぞろいの鋸歯があります。葉には、葉柄が短いか、葉柄がありません。葉腋から花茎を伸ばし、花をつけます。(2013年6月2日撮影)。☆ヤマホタルブクロは、写真のように萼片の間が盛り上がっており、ホタルブクロのように萼片の間に反り返る付属片はありません。(2012年5月30日撮影)。☆ヤマホタルブクロの鐘形の花は、先端は浅く5つに分かれ、外側に反り返っています。また、花冠の裂片に先端まで、はっきりしたスジが見えます。(2013年6月2日撮影)。☆ヤマホタルブクロの花もホタルブクロと同じように、花の周りにも中にも細い毛があります。釣鐘型の下向きの花ですので、何もなければ昆虫は滑り落ちてしまいます。そのため、花冠の中に長い毛を密集させて、蜜を求めてやってきた昆虫のために安定した足場を提供しているそうです。(2013年6月4日撮影)。☆ヤマホタルブクロは、雄性先熟の植物です。雄蕊が先に熟して、蕾のうちに花粉が出て雌蕊花柱につきます。この花は雄性期で、花柱の周りに花粉がついています。(2014年6月13日撮影)。☆花柱に付着した花粉が無くなった頃、雌蕊の柱頭が3つに分かれて開き、虫が運んできた花粉を受粉します。こちらの花は雌性期で、花の奥にしおれた雄蕊が見え、雌蕊の柱頭が3つに分かれています。(2014年6月13日撮影)。☆ヤマホタルブクロ(山蛍袋)の名は、ホタルブクロよりも深山に咲くことに由来するそうですが、どちらも同じような山野に咲いています。(2013年6月2日撮影)。☆ヤマホタルブクロ花言葉は、「忠実」「激しい束縛」だそうです。
2018.10.23
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[8]】はキキョウ科の植物です。第6回は、キキョウ科のホタルブクロの花です。(2017年7月4日撮影)。☆ホタルブクロは、北海道から九州の山野、丘陵に生えるキキョウ科ホタルブクロ属の多年草です。山野草として栽培され、庭や公園などに植えられています。草丈は、40~80センチです。☆ホタルブクロの根出葉は、卵心形で長い葉柄があります。葉柄には翼があるというのですが、確認できません。茎葉は互生し、三角状卵形または披針形で不ぞろいの鋸歯があります。下部の茎葉の葉柄を見ると、葉柄に翼があるのがわかります。上部の葉には、葉柄が短いか、葉柄がありません。☆ホタルブクロとヤマホタルブクロとの違いは、ホタルブクロの萼の裂片の間に付属片があって、それが上にそり返っていることです。この写真では、萼の裂片の間にある付属片が上にそり返っているのが確認できます。☆近くには、白花のホタルブクロも見つけました。ホタルブクロの花色には赤紫のものと白とがあり、関東では赤紫が、関西では白が多いそうです。☆ホタルブクロの花期は、6~7月です。ホタルブクロは、茎の上部に長さ4~5センチの大きな鐘形の花をつけます。先端は浅く5つに分かれ、外側に反り返っています。赤紫色の花では、花冠の先端が白くなっています。☆白花のホタルブクロでは、花冠に紫色の斑点が見えます。また、花冠の裂片に先端まで、はっきりしたスジが見えます。☆ホタルブクロの花は、花の周りにも中にも細い毛があります。釣鐘型の下向きの花ですので、何もなければ昆虫は滑り落ちてしまいます。そのため、花冠の中に長い毛を密集させて、蜜を求めてやってきた昆虫のために安定した足場を提供しているそうです。☆ホタルブクロは、雄性先熟の植物です。開花したときには5本の雄蕊が成熟して花粉を出す雄性期で、その後雌蕊が成熟する雌性期になり柱頭が3つに分かれます。こちらの花は、雌性期になっています。奥にある雄蕊はしおれてしまい、雌蕊柱頭が3つに分かれています。☆ホタルブクロ(蛍袋)の名は、子どもが袋のような花にホタルを入れて遊んだことに由来するという説や、ぶら下がって咲く花の様子を提灯に見立て提灯の古語の火垂(ほたる)に由来するという説があるそうです。☆ホタルブクロの花言葉は、「忠誠」「忠実」「誠実」「感謝」「正義」「愛らしさ」「貞節」などだそうです。ホタルブクロの釣鐘形の花から、教会や宗教的な意味で名づけられたという説がありました。神への「忠誠」「忠実」「誠実」「感謝」、信仰心を守る「正義」、神の下で生きる神の子の「愛らしさ」などだそうです。
2018.10.22
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[8]】はキキョウ科の植物です。第5回は、キキョウ科のサワギキョウの花です。(2012年9月14日撮影)。☆サワギキョウは、北海道から九州の山野の湿地に生えるキキョウ科ミゾカクシ属の多年草です。草丈は、50センチから1メートルです。☆サワギキョウの葉は、互生して多数つき、披針形で葉柄はありません。☆サワギキョウの花期は8~9月で、茎の上部に総状花序をつけます。☆サワギキョウの花は、花冠は濃紫色の唇形花で、上唇は2つに深く分かれ、下唇は3つに深く分かれています。☆サワギキョウは雄性先熟の花で、雄蕊が先に熟して花粉を出します。上の咲き始めた花は雄蕊が見える雄性期で、先に開花した下の花は花粉を出しきった雌性期で雌蕊花柱が伸びてきているのがわかります。☆この花は雌性期で、花粉は見えず、雌蕊花柱が伸びてきています。自家受粉(自分の花の花粉で受粉すること)を避け、他家受粉(他の花の花粉を受け取って受粉すること)する雄性先熟(雄蕊先熟)の典型的な例です。同じ種の中でも、多様な遺伝情報を受け取ることによって、個体の生命力を高めるための巧妙な仕組みです。☆サワギキョウ(沢桔梗)の名は、沢(湿地)に生えるキキョウであることから。☆サワギキョウの花言葉は、「高貴」「乙女の魅力」「悪意」「敵意」「特異な才能」などだそうです。「高貴」「乙女の魅力」は楚々とした美しい花であること、「悪意」「敵意」は毒草であることに由来するようです。
2018.10.21
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[8]】はキキョウ科の植物です。第4回は、キキョウ科のヒナキキョウソウの花です。(2017年5月18日撮影)。☆ヒナキキョウソウは、北アメリカ原産の帰化植物で、関東地方以西の市街地の道端などに見られるキキョウ科キキョウソウ属の1年草です。『日本帰化植物写真図鑑』によると、1931年に横浜市で帰化が報告されたそうです。ヒナキキョウソウは、茎は直立して分岐せず、高さは40センチほどになり、通常茎の先端に1個だけ花を咲かせます。ヒナキキョウソウの花期は、5月から6月です。☆ヒナキキョウソウの葉は互生で葉柄がない卵形、基部はやや心臓形になりますが茎を抱くことはありません。葉腋にも花を1~2個つけますが、ほとんどが閉鎖花で開花しません。☆葉腋には、1~2個の閉鎖花が見えます。☆茎の先端に1個だけ咲くヒナキキョウソウの開放花です。青紫色の花冠は星形に深く5つに裂けており、外側に5つの萼片が見えます。ヒナキキョウソウの花は、雄性先熟で雄蕊が先に熟して花粉を出します。この花は雄性期で、棍棒型の雌蕊花柱の周りに花粉がつき、葯が空になった雄蕊は花冠の内側に倒れています。☆この花は雌性期に移りつつあるようで、雌蕊花柱の周りの花粉は無くなり、雌蕊柱頭が開き始めています。☆この花は雌性期で、雌蕊柱頭が3つに開いています。自家受粉(自分の花の花粉で受粉すること)を避け、他家受粉(他の花の花粉を受け取って受粉すること)する雄性先熟(雄蕊先熟)の典型的な例です。同じ種の中でも、多様な遺伝情報を受け取ることによって、個体の生命力を高めるための巧妙な仕組みです。☆キキョウソウの果実は熟すと中央に隙間ができますが、ヒナキキョウソウの果実は熟すと上部に隙間ができます。☆ヒナキキョウソウ(雛桔梗草)の名は、キキョウソウに比べて草丈が小さいことに由来するそうです。キキョウソウ(桔梗草)の名は、花がキキョウに似ていることから。☆ヒナキキョウソウの花言葉は、「陽気で明るい」だそうです。由来は、わかりませんでした。
2018.10.20
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[8]】はキキョウ科の植物です。第3回は、キキョウ科のキキョウソウの花です。(2017年5月28日撮影)。☆キキョウソウは、北アメリカ原産の帰化植物で、東北南部以南に広く分布し、道端や芝生などで見られるキキョウ科キキョウソウ属の1年草です。『日本帰化植物写真図鑑』によると、1940年代に東京で帰化が確認されたそうです。キキョウソウは、茎は直立して下部でまばらに分岐し、高さは60センチほどになります。☆キキョウソウの茎には数本の明瞭な稜があり、稜には毛が生えています。☆キキョウソウの葉は、葉柄がない心臓形で互生、鋸歯があり基部は茎を抱いています。葉にも毛が生えています。☆キキョウソウの花期は、5月から6月です。それぞれの葉腋には、1個の花が見えます。☆キキョウソウの青紫色の花冠は星形に深く5つに裂けており、外側に5つの萼片が見えます。キキョウソウの花は、雄性先熟で雄蕊が先に熟して花粉を出します。この花は雄性期で、棍棒型の雌蕊花柱の周りに花粉がつき、葯が空になった雄蕊は花冠の内側に倒れています。☆この花は雌性期で、雌蕊柱頭が3つに開いています。自家受粉(自分の花の花粉で受粉すること)を避け、他家受粉(他の花の花粉を受け取って受粉すること)する雄性先熟(雄蕊先熟)の典型的な例です。同じ種の中でも、多様な遺伝情報を受け取ることによって、個体の生命力を高めるための巧妙な仕組みです。☆キキョウソウの果実は、熟すと中央に隙間ができます。☆キキョウソウ(雛桔梗草)の名は、花がキキョウに似ていることから。茎に花や葉が互生して離れて咲くので、ダンダンギキョウ(段々桔梗)の別名があります。☆キキョウソウの花言葉は、「優しい愛」「人当たりがいい」だそうです。由来は、わかりませんでした。
2018.10.19
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[8]】はキキョウ科の植物です。第2回は、キキョウ科のキキョウの花です。(2017年8月13日撮影)。☆キキョウは、日本全土の山野の草地に生えるキキョウ科キキョウ属の多年草です。キキョウの花期は、6月中旬から9月です。観賞用に栽培され、園芸品種もあります。☆キキョウの葉は互生で、狭卵形で長さ4~7センチ、先は尖り縁に鋸歯があります。☆キキョウの花の萼筒は、先端が5つに分かれています。☆キキョウは、雄性先熟の花です。その様子を詳しく観察してみました。キキョウの花の雄蕊は、初め直立して若い雌蕊を取り囲んでおり、蕾のうちに成熟します。☆開花すると、間もなく葯が破れて花粉を出します。☆雌蕊は、後から伸び出して、花柱の周りに生えた毛に花粉がつき、葯が空になると雄蕊は花冠の内側に倒れます。☆花冠の底の蜜を求めて訪れた昆虫によって、花粉は他の花に運ばれていきます。雌蕊花柱の周りについていた花粉は、なくなっています。☆その後、雌蕊の柱頭が5つに分かれて開きます。雌蕊は、昆虫によって他の花から運ばれてきた花粉によって受粉します。自家受粉(自分の花の花粉で受粉すること)を避け、他家受粉(他の花の花粉を受け取って受粉すること)する雄性先熟(雄蕊先熟)の典型的な例です。同じ種の中でも、多様な遺伝情報を受け取ることによって、個体の生命力を高めるための巧妙な仕組みです。☆キキョウ(桔梗)の名は、漢名を音読みした「キチコウ」が「キキョウ」に変化したものだそうです。漢名「桔梗」は、乾燥した根(生薬)が硬いことに由来するそうです。☆桔梗の花言葉は、「誠実」「永遠の愛」「気品」「変わらぬ愛」「清楚」「従順」「変わらぬ心」「優しい愛情」などがあるそうです。「誠実」「永遠の愛」は、桔梗が恋人の為に一生涯待ち続けた若い女性の象徴であったという物語に由来するそうです。「気品」は花色の紫がかつて高貴な色とされていたため、「変わらぬ愛」は長く咲き続ける花姿に由来するそうです。また、「清楚」「従順」は、白色の桔梗が伝統的な日本の女性の魅力を表しているとされていたためにつけられたそうです。
2018.10.18
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[8]】はキキョウ科の植物です。第1回は、キキョウ科の植物の特徴です。写真は、キキョウソウ属のキキョウソウです。◎キキョウ科の植物には1年草と多年草がある。☆キキョウ科の植物には1年草と多年草があります。1年草で観察した植物は、キキョウソウ属(キキョウソウ、ヒナキキョウソウ)です。写真は、キキョウソウ属のヒナキキョウソウです。☆多年草で観察した植物は、キキョウ属(キキョウ)、ミゾカクシ属(サワギキョウ)、ホタルブクロ属(ホタルブクロ、ヤマホタルブクロ)、ツリガネニンジン属(ツリガネニンジン)、ツルニンジン属(ツルニンジン)です。写真は、ホタルブクロ属のヤマホタルブクロです。◎キキョウ科の植物の萼筒は先端が5つに分かれている。☆キキョウ科の植物の萼は筒状になっており、先端が5つに分かれています。写真は、キキョウ属のキキョウの花です。◎キキョウ科の植物の花は両性で、左右相称または放射相称になっている。☆キキョウ科の植物は、多くの花が放射相称ですが、ミゾカクシ属は左右相称になっています。写真は、ミゾカクシ属のサワギキョウの花です。☆写真は、花冠が放射相称で鐘形のツルニンジン属のツルニンジンの花です。◎キキョウ科の植物の雌蕊柱頭は3つまたは5つに分かれる。☆キキョウ科の植物は雌蕊柱頭が3つに分かれるものが多いですが、キキョウ属は雌蕊柱頭が5つに分かれます。写真は、キキョウ属のキキョウの花です。☆写真は、雌蕊柱頭が3つに分かれたツリガネニンジン属のツリガネニンジンの花です。◎キキョウ科の植物は雄性先熟で、雄蕊が先に花粉を出し、その後雌蕊が熟して受粉する。☆キキョウ科の植物は、雄性先熟です。雄蕊が花粉を出す雄性期から雌蕊が熟して受粉する雌性期への変化を、キキョウの例で紹介します。キキョウの花の雄蕊は、初め直立して若い雌蕊を取り囲んでおり、蕾のうちに成熟します。☆雌蕊は、後から伸び出して、花柱の周りに生えた毛に花粉がつき、葯が空になると雄蕊は花冠の内側に倒れます。☆花冠の底の蜜を求めて訪れた昆虫によって、花粉は他の花に運ばれていきます。雌蕊花柱の周りについていた花粉は、なくなっています。☆その後、雌蕊の柱頭が5つに分かれて開きます。雌蕊は、昆虫によって他の花から運ばれてきた花粉によって受粉します。☆自家受粉(自分の花の花粉で受粉すること)を避け、他家受粉(他の花の花粉を受け取って受粉すること)する雄性先熟(雄蕊先熟)の典型的な例です。同じ種の中でも、多様な遺伝情報を受け取ることによって、個体の生命力を高めるための巧妙な仕組みです。
2018.10.17
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[7]】はキク科アザミ属の植物です。第9回は、花の形がアザミに似ているタムラソウです。(2013年9月日3撮影)。☆タムラソウは、本州から九州の山地や丘陵地の草原に多いキク科タムラソウ属の多年草です。草丈は、30~140センチになります。(2013年9月3日撮影)。☆タムラソウの茎には、多数の縦線があります。葉は互生し、茎葉は羽状に裂けています。写真では、葉の縁に粗い鋸歯が見えます。(2012年9月14日撮影)。☆タムラソウの花期は8~10月で、数個に枝分かれした茎先に上向きにアザミに似た花をつけます。(2012年9月14日撮影)。☆総苞は長さ25ミリの広卵状球形で、総苞片は7列で密につきます。総苞片は広披針形で、先端は鋭く刺状に尖っています。(2013年9月3日撮影)。☆タムラソウの頭花は全て筒状花で、外側の1列の小花は雄蕊・雌蕊がなく結実しないそうです。花冠は、先端が細長く5つに分かれています。(2012年9月14日撮影)。☆内側の小花は両性花で、花柱の先は2つに分かれています。(2013年9月3日撮影)。☆タムラソウ(田村草)の名は、由来がはっきりしないそうです。「タマムラソウ(玉群草)」の転化という説があり、「タマ(玉)」は丸い頭花のこと、「ムラ(群)」は物が多く集まった状態のこと、つまり丸い頭花がたくさんついている草ということだそうです。さらに、古くは集合した軍隊を「屯(タムラ)」や「党(タムラ)」と言ったそうで、花が群れ咲いている様子をタムラソウと名付けたのではないかという説がありました。(2013年9月3日撮影)。☆タムラソウの別名は、タマボウキ(玉箒)です。花の形から名づけられたようです。(2013年9月3日撮影)。☆タムラソウの花言葉は、「あなただけ」「秘密」などだそうです。(2013年9月3日撮影)。
2018.10.16
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[7]】はキク科アザミ属の植物です。第8回は、キツネアザミです。(2013年4月26日撮影)。☆キツネアザミは、本州から沖縄の道端や田畑に生えるキク科キツネアザミ属の越年草です。キツネアザミは、アザミのような多年草・宿根草ではないので、毎年咲く場所を変えるそうです。(2016年4月26日撮影)。☆キツネアザミの草丈は、60~90センチです。キツネアザミは、古い時代に農耕とともに中国か朝鮮から入ってきたと考えられているそうです。(2016年4月26日撮影)。☆キツネアザミの葉は、羽状に切れ込んでいます。アザミのような棘はありません。(2013年4月24日撮影)。☆キツネアザミの花期は、4~6月です。すっと立った茎の上部が枝分かれし、枝先に紫色のつぼみがたくさんついています。(2016年4月26日撮影)。☆総苞は球形で、総苞片は8列に並び、外片の背部に紅紫色のとさか状の突起があります。(2013年4月24日撮影)。☆キツネアザミの花は、先端から薄紅紫色の筒状花がこぼれるかのように咲いています。(2016年4月26日撮影)。☆キツネアザミ(狐薊)の名は、花の姿がアザミに似ているが、アザミと違って葉は柔らかくトゲも無く、キツネにだまされるということから。地方によっては、猟師に追われた狐が、アザミに化ける時に慌てたのでトゲを付けるのを忘れたと言う伝承もあるとのこと。(2016年4月26日撮影)。☆キツネアザミの花言葉は、「嘘は嫌い」だそうです。名前の由来と関係があるようです。
2018.10.15
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[7]】はキク科アザミ属の植物です。第7回は、アメリカオニアザミです。(2013年6月17日撮影)。☆アメリカオニアザミは、ヨーロッパ原産ですが北アメリカから輸入された穀物や牧草に混入して日本に渡来したキク科アザミ属の帰化植物です。ヨーロッパ原産なので「セイヨウオニアザミ」と呼ばれることもあるそうです。繁殖力・生命力が強く、道端や草地でも見かけます。草丈は、80センチから2メートルほどにもなります。(2017年9月8日撮影)。☆アメリカオニアザミは、1960年代に北海道で確認され、北海道から本州・四国に広がっているそうです。茎など全体に短い綿毛があり、茎にはひれ(翼)があり鋭いトゲがあります。葉の先端にも、鋭いトゲがあります。格別に鋭いトゲなので、家畜やシカなどにも食べられることがなく、繁殖していくそうです。(2017年9月8日撮影)。☆アメリカオニアザミの花期は、6~10月頃です。アメリカオニアザミの頭状花は、枝分かれした茎先に1~3個付きます。アメリカオニアザミの花だけを見ると、ピンク色が鮮やかで、たくさんの紫色の筒状花が集まっている花の上部の色と形は、きれいなアザミの花に見えます。総苞片は線形で、先端は葉と同じように鋭いトゲになっています。(2017年9月8日撮影)☆アメリカオニアザミの花は、花が終わると紫色の筒状花は茶褐色に変わり、その後総苞片が外側に広がってきます。(2013年6月17日撮影)。☆綿毛が大きく膨らみ、タンポポのように種を付けた大量の綿毛が大きく広がってきます。(2017年7月8日撮影)。☆さらに綿毛が大きく広がり、種が風に乗って飛んでいきます。(2017年7月8日撮影)。☆アメリカオニアザミ(亜米利加鬼薊)の名は、アメリカ経由で渡来した葉や茎・総苞片など全身トゲトゲの鬼のような薊に由来するそうです。(2013年6月17日撮影)。☆アザミは、トゲを意味する「アザ」に植物名に多い接尾語「ミ」が付いたという説、トゲが多いことから「驚き呆れる、傷む、傷ましい」の意味の「あざむ」に由来する説などがあるそうです。漢字の「薊」は、「草冠+魚+刀」からなる字で「魚」はトゲトゲした骨があることを表し、トゲがあって刀のように刺す草を表しているそうです。(2017年9月8日撮影)。☆アザミ全般の花言葉は、「独立」「厳格」「権威」「復讐」「満足」「安心」「人間嫌い」「触れないで」などだそうです。アメリカオニアザミ独自の花言葉があるかどうかわかりませんが、しろうと自然科学者は「触れないで」を一押ししたいと思います。(2017年9月8日撮影)。
2018.10.14
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[7]】はキク科アザミ属の植物です。第6回は、キセルアザミ(マアザミ)です。(2012年9月14日撮影)。☆キセルアザミは、本州・四国・九州の湿地に生えるキク科アザミ属の多年草です。茎の高さは、50センチ~1メートルです。☆キセルアザミの茎葉は少なくて小さく、葉身は羽状に裂けています。☆キセルアザミの花期は9~10月で、茎の先にキセルのように下向きに花をつけます。花の後は、上向きになるそうです。☆キセルアザミの総苞は、鐘形から筒形で、総苞片は8~10列あります。☆キセルアザミの頭状花序は、全て筒状花です。☆キセルアザミ(煙管薊)の名は、長い花茎の先に頭花がうつむき加減につく様子が煙管に似ていることから名づけられました。別名はマアザミ(真薊)で、若い葉を食用にすることから「真のアザミ」という意味だそうです。☆アザミは、トゲを意味する「アザ」に植物名に多い接尾語「ミ」が付いたという説、トゲが多いことから「驚き呆れる、傷む、傷ましい」の意味の「あざむ」に由来する説などがあるそうです。漢字の「薊」は、「草冠+魚+刀」からなる字で「魚」はトゲトゲした骨があることを表し、トゲがあって刀のように刺す草を表しているそうです。
2018.10.13
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[7]】はキク科アザミ属の植物です。第5回は、トネアザミです。(2012年9月14日撮影)。☆トネアザミは、ナンブアザミの変種で、本州の関東地方から近畿地方に分布し、関東地方の日当たりの良い草原や林縁で秋に最もよく見かけるキク科アザミ属の多年草です。草丈は1.5~2メートルで、茎は分枝して多くの花をつけます。(2012年9月14日撮影)。☆トネアザミの根生葉(ロゼット葉)は大きく羽状に切れ込み、長さ30センチ前後で放射状に地際に広がりますが、花時にはなくなります。トネアザミの葉は、長さ約20~30センチと細長く、先は鋭く尖り枝状につき出た部分があり、縁には触ると痛い太くて長いとげがあります。東北地方に多いナンブアザミの変種ですが、ナンブアザミに比べて葉の切れ込みが深く葉の棘が長くなっています。(2012年9月14日撮影)。☆トネアザミの花期は、8月~10月です。「トネアザミの特徴は花が横や下を向いており」と書いてあるものがありますが、横向きや下向きとともに上向きに咲いているのも見かけます。(2012年9月14日撮影)。☆トネアザミはナンブアザミの変種ですが、ナンブアザミに比べて総苞片が太くて長いのが特徴です。(2012年9月14日撮影)。☆開花し始めたばかりのトネアザミの花です。トネアザミの花は、全て筒状花(管状花)です。外側の筒状花をよく見ると、花冠が細長く5つに分かれて開いているのがわかります。花冠の中から5つの雄蕊の葯が集まり筒状になった赤紫色の集約雄蕊が伸びてきています。中央の筒状花は、花冠の先端が浅く5つに分かれていますが、集約雄蕊は伸びていません。(2017年9月26日撮影)。☆ほぼ全ての筒状花が開花した時期のトネアザミの花です。花冠は、細長く5つに分かれて開いています。花冠の中から伸びている集約雄蕊の先に、花粉が出ているのが見えます。(2017年9月26日撮影)。☆キク科のトネアザミの花は、雄蕊が先に成熟して花粉を出す雄性先熟の花です。中央の花は雄性期で、集約雄蕊の先に花粉が出ているのが見えます。外側の花は雌性期に移り、集約雄蕊の先の花粉はなくなり、集約雄蕊の中から雌蕊花柱が伸びてきています。このように、雄蕊が先に成熟して花粉を出し、雄蕊が花粉を出し終えた後に雌蕊が成熟して受粉・受精するのが、雄性先熟です。自家受粉(自分の花の花粉で受粉すること)を避け、他家受粉(他の花の花粉を受け取って受粉すること)します。同じ種の中でも、多様な遺伝情報を受け取ることによって、個体の生命力を高めるための巧妙な仕組みです。(2017年9月26日撮影)。☆トネアザミ(利根薊)の名は、関東地方に多く見られることからトネ(利根)のアザミ(薊)の名が付けられました。別名は、大きなアザミの意味からタイアザミ(大薊)です。(2012年9月14日撮影)。☆アザミは、トゲを意味する「アザ」に植物名に多い接尾語「ミ」が付いたという説、トゲが多いことから「驚き呆れる、傷む、傷ましい」の意味の「あざむ」に由来する説などがあるそうです。漢字の「薊」は、「草冠+魚+刀」からなる字で「魚」はトゲトゲした骨があることを表し、トゲがあって刀のように刺す草を表しているそうです。(2017年9月26日撮影)。☆トネアザミの花言葉は、「独立」「厳格」「人嫌い」「報復」だそうです。
2018.10.12
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[7]】はキク科アザミ属の植物です。第4回は、アズマヤマアザミです。(2017年9月26日撮影)。☆アズマヤマアザミは、関東地方や中部地方(愛知県・長野県以東)の山地の沢沿いの林のふちや林内に生えるキク科アザミ属の多年草です。茎は直立し、高さは1.5メートル程度で、場合によっては2メートルにもなります。(2017年9月26日撮影)。☆アズマヤマアザミの茎につく葉は、長さ約20センチで細長く、羽状に裂けて鋭く尖り縁にも刺があります。写真では、縁に刺があるのがわかります。(2017年9月14日撮影)。☆この写真では、羽状に裂けた葉の先が鋭く尖っており、刺があるのがわかります。(2017年9月26日撮影)。☆アズマヤマアザミの花期は、9~11月です。アズマヤマアザミの頭花は、茎の先端や葉腋に多数が穂状につきます。(2017年9月14日撮影)。☆アズマヤマアザミの頭花は、無柄または短い柄があり、2~3個まとまって上向き又は斜め上向きにつきます。(2017年9月14日撮影)。☆アズマヤマアザミの総苞は狭円筒形、長さ15~20ミリ、幅6~10ミリ、密にクモ毛があります。総苞片は11~12列、短く、わずかに反り返り、先に短い刺があります。(2017年9月26日撮影)。☆アズマヤマアザミの筒状花をよく見ると、花冠が細長く5つに分かれているのがわかります。花冠の中から雄蕊の葯が5つ集まり筒状になった集約雄蕊が伸びており、先端には花粉が見えます。アズマヤマアザミの花は雄性先熟で、雄蕊が先に成熟して花粉を出し、その後雌蕊が花粉を押し出すように伸びてきます。(2017年9月26日撮影)。☆アズマヤマアザミ(東山薊)の名は、四国や九州に分布するヤマアザミ(山薊)に対して関東地方に多いことから名付けられたそうです。アザミは、トゲを意味する「アザ」に植物名に多い接尾語「ミ」が付いたという説、トゲが多いことから「驚き呆れる、傷む、傷ましい」の意味の「あざむ」に由来する説などがあるそうです。漢字の「薊」は、「草冠+魚+刀」からなる字で「魚」はトゲトゲした骨があることを表し、トゲがあって刀のように刺す草を表しているそうです。(2017年9月26日撮影)。☆アズマヤマアザミの花言葉は、「権威」「独立」「触れないで」「厳格」「復讐」などだそうです。「権威」「独立」は、高さ1.5~2メートルの高さで花を咲かせている姿が凛としていることに由来するようにしろうと自然科学者には思えました。(2017年9月26日撮影)。
2018.10.11
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[7]】はキク科アザミ属の植物です。第3回は、ノハラアザミです。(2017年8月24日撮影)。☆ノハラアザミは、本州中部地方以北に分布するキク科アザミ属の多年草です。草丈は、50センチから1メートルです。(2017年8月22日撮影)。☆ノハラアザミは花の時期にも根出葉があるのが特徴です。ノハラアザミの葉は、羽状に深く裂けており、鋭い刺針(とげはり)があります。(2016年10月5日撮影)。☆ノハラアザミの茎葉は互生し、上に行くほど小さくなっています。ノハラアザミは、葉の中肋が紅色を帯びるそうですが、少し赤味がかっているように見えます。(2017年8月22日撮影)。☆ノハラアザミの花期は、8~10月です。ノハラアザミの頭花は、茎の先に2~3個直立して付き、短い花柄があります。(2016年10月5日撮影)。☆ノハラアザミは、花が上向きで、クモ毛があり反り返らない短く規則的な総苞片が特徴です。総苞片は6~7列で、先には短い刺針があり、斜上しています。(2017年8月24日撮影)。☆ノハラアザミに花は、全て筒状花です。(2015年9月19日撮影)。☆筒状花をよく見ると、花冠が細長く5つに分かれているのがわかります。(2015年9月19日撮影)。☆ノハラアザミ(野原薊)の名は、山野で普通に見られることから。アザミは、トゲを意味する「アザ」に植物名に多い接尾語「ミ」が付いたという説、トゲが多いことから「驚き呆れる、傷む、傷ましい」の意味の「あざむ」に由来する説などがあるそうです。漢字の「薊」は、「草冠+魚+刀」からなる字で「魚」はトゲトゲした骨があることを表し、トゲがあって刀のように刺す草を表しているそうです。(2013年9月8日撮影)。☆ノハラアザミの花言葉は、「心の成長」「独立」「自立」などだそうです。(2013年9月8日撮影)。
2018.10.10
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[7]】はキク科アザミ属の植物です。第2回は、ノアザミです。(2012年8月21日撮影)。☆ノアザミは、本州・四国・九州の山野に生えるキク科アザミ属の多年草です。草丈は、50センチから1メートルです。アザミの仲間で春から初夏に花が咲くのは、ノアザミだけです。(2018年7月3日撮影)。☆ノアザミの茎には、毛が目立ちます。(2018年7月2日撮影)。☆ノアザミの茎葉の基部は茎を抱き、鋭い棘が目立ちます。(2018年7月2日撮影)。☆ノアザミの花期は、5~8月です。ノアザミの頭花は、枝先に上向きにつき、紅紫色で直径は4~5センチです。春に花が咲くアザミは、ふつうはこの種だけです。(2018年7月3日撮影)。☆ノアザミの総苞片は6~7列で、外片には先が短い刺針があります。(2018年5月22日撮影)。☆ノアザミの花は、舌状花はなく全て筒状花です。雄蕊の葯が5つ集まり筒状(集約雄蕊)になっており、集約雄蕊の中から雌蕊が伸びてきています。(2018年7月2日撮影)。☆筒状花をよく見ると、花冠が細長く5つに分かれているのがわかります。(2018年5月22日撮影)。☆ノアザミ(野薊)の名は、山野に咲くアザミです。アザミは、トゲを意味する「アザ」に植物名に多い接尾語「ミ」が付いたという説、トゲが多いことから「驚き呆れる、傷む、傷ましい」の意味の「あざむ」に由来する説などがあるそうです。漢字の「薊」は、「草冠+魚+刀」からなる字で「魚」はトゲトゲした骨があることを表し、トゲがあって刀のように刺す草を表しているそうです。(2016年5月31日撮影)。☆ノアザミの花言葉は、「独立」「素直になれない恋」だそうです。(2018年5月22日撮影)。
2018.10.09
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[7]】はキク科アザミ属の植物です。第1回は、アザミの仲間とアザミに似ている植物です。写真は、キク科アザミ属のノハラアザミの花です。◎キク科アザミ属の葉には、刺(トゲ)がある。☆キク科アザミ属の葉には、トゲがあります。「アザミ」の名は、トゲを意味する「アザ」に植物名に多い接尾語「ミ」が付いたという説、トゲが多いことから「驚き呆れる、傷む、傷ましい」の意味の「あざむ」に由来する説などがあるそうです。写真は、キク科アザミ属のトネアザミの葉です。☆漢字の「薊」は、「草冠+魚+刀」からなる字で「魚」はトゲトゲした骨があることを表し、トゲがあって刀のように刺す草を表しているそうです。写真は、キク科アザミ属のアメリカオニアザミの葉です。◎頭花は全て筒状花で、花冠は先端が細長く5つに分かれている。☆キク科アザミ属の頭花は全て筒状花で、花冠は先端が細長く5つに分かれています。写真は、キク科アザミ属のノアザミの花です。☆写真は、キク科アザミ属のノハラアザミの花です。◎雄性先熟で雄蕊が先に熟し、その後雌蕊が熟して柱頭が伸びてくる。☆雄性先熟は、自家受粉(自分の花の花粉で受粉すること)を避け、他家受粉(他の花の花粉を受け取って受粉すること)します。同じ種の中でも、多様な遺伝情報を受け取ることによって、個体の生命力を高めるための巧妙な仕組みです。雄性期のキク科アザミ属のトネアザミの花です。集約雄蕊の先端から花粉を出しています。☆雌性期になったキク科アザミ属のノハラアザミの花です。花粉は見えなくなり、集約雄蕊の中から雌蕊花柱が伸びてきています。◎アザミ全体の花言葉は、「独立」「厳格」「権威」「復讐」「報復」「満足」「安心」「人間嫌い」「触れないで」など。☆アザミの花言葉は、アザミの植物の特徴に由来するようです。写真は、キク科アザミ属のトネアザミです。◎アザミ属でないのに「アザミ」の名がついたキツネアザミ。☆キツネアザミは、キク科アザミ属ではなくキク科キツネアザミ属の越年草です。◎アザミ属でないが花の形がアザミに似ているタムラソウ。☆タムラソウは、キク科アザミ属ではなくキク科タムラソウ属の多年草です。
2018.10.08
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[6]】はケシ科キケマン属の植物です。第7回は、ムラサキケマンです。(2017年4月27日撮影)。☆ムラサキケマンは、日本全国の低地の林縁の木陰や湿った草地などに生えるケシ科キケマン属の越年草です。草丈は、20~50センチです。(2018年4月22日撮影)。☆ムラサキケマンの葉は、2回3出複葉です。小葉は、3出状から羽状に分かれています。(2017年4月27日撮影)。☆ムラサキケマンは、茎の上部に総状花序をつけ、筒状で先端が唇形の紅紫色の花を密につけます。(2018年4月22日撮影)。☆ムラサキケマンの萼片は左右2枚で、非常に小さく、花と小花柄の接合部分についています。写真では、花と小花柄の接合部分に先端が細く裂けている白い萼片が見えます。小花柄の付け根には、先端が細かく裂けている苞葉が見えます。(2017年4月27日撮影)。☆ムラサキケマンの花弁は4個で、外側の2個と内側の2個は形が異なります。外側の花弁のうち上の花弁は後ろが袋状になって突き出ています。(2012年4月17日撮影)。☆外側にある上下の2枚の花弁は薄紫色で先端は紫色、内側の左右2枚の花弁は白と紫色で先端が合着しています。確認できませんが、花の中には、雄蕊が2本、雌蕊が1本あります。(2017年4月27日撮影)。☆ムラサキケマンの果実は蒴果(さくか)で、長さが約2センチ、果柄から真っ直ぐ垂れ下がります。ムラサキケマンの果実は、熟しても緑色です。熟すと2つに裂けて果皮が巻き上がり、黒い種子をはじき飛ばします。種子にはアリが好むエライオソームがついているので、飛び散った種子はアリに運ばれて拡散していくようです。(2013年4月25日撮影)。☆ムラサキケマン(紫華鬘)の名は、紫色のケマンソウ(華鬘草)から。ケマンソウ(華鬘草)の名は、仏具の一つである「華鬘(ケマン)」という装飾具に似ていることから名づけられたそうです。(2012年4月17日撮影)。☆ムラサキケマンの花言葉は、「喜び」「助力」「あなたの助けになる」などだそうです。「喜び」は独特の動きがある花が咲いた姿を春のはずんだ気分になぞらえたもの、「助力」「あなたの助けになる」は仏具に由来する名前であることから心のよりどころである宗教の役割になぞらえたものだそうです。(2015年4月15日撮影)。☆ムラサキケマンの独特の生活史について、「しろうと自然科学者の自然観察日記」で紹介したことがあります。◎ムラサキケマンの2年がかりの独特の生活史(2015年4月16日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20150416/
2018.10.07
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[6]】はケシ科キケマン属の植物です。第6回は、エゾエンゴサクです。(2010年5月5日撮影)。☆エゾエンゴサクは、北海道から本州北部の山地の湿った山林内に生えるケシ科キケマン属の多年草です。草丈は、10~30センチです。地下に、直径1~2センチの球形の塊茎があるそうです。(2012年5月3日撮影)。☆エゾエンゴサクの葉は、1~3回3出複葉で、小葉は線形から卵円形まで変異が多いそうです。小葉は、ほとんどが卵円形のものでした。(2012年5月3日撮影)。☆一部ですが、小葉が線形のものも見かけました。(2012年5月7日撮影)。☆エゾエンゴサクは、茎の上部に総状花序をつけ、筒状で先端が唇形の青紫色の花を密につけます。(2010年5月5日撮影)。☆エゾエンゴサクの花の色は変異が多く、赤紫色のものもあります。(2010年5月5日撮影)。☆白花のエゾエンゴサクも見つけました。(2012年4月30日撮影)。☆エゾエンゴサクは、花弁は4個で、外側の2個の花弁が上下に合わさって筒状になり、花冠の先は唇形、上側の花弁は後方に袋状に伸びて距を作ります。内側の2個は、ほとんどが筒状の花弁のなかに隠れており、先端部分が合着し唇形状の開口部から合着した花弁の先端を覗かせます。(2010年5月5日撮影)。☆エゾエンゴサクの花を正面から撮影した写真です。上と下に外側の花弁が見え、中央に見えるのは内側の2枚の花弁が合着した先端部分のようです。(2010年5月5日撮影)。☆エゾエンゴサクの果実は、線形の蒴果(さくか)で、数珠状にくびれています。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。熟すと種を弾き飛ばすようです。(2012年5月7日撮影)。☆エゾエンゴサク(蝦夷延胡索)の名は、蝦夷(北海道)に生える延胡索であることから名づけられたそうです。エンゴサクは、塊茎を乾燥したものを鎮痛作用がある「延胡索」という漢方薬として利用していることから。なお、エゾエンゴサクの塊茎は、「和延胡索」といい、「延胡索」の代用生薬として用いられるそうです。(2010年5月5日撮影)。☆エゾエンゴサクの花言葉は、「妖精たちの秘密の舞踏会」だそうです。2008年に放映された倉本聰氏脚本のテレビドラマ「風のガーデン」の中で、森一面に咲くエゾエンゴサクに「妖精たちの秘密の舞踏会」という花言葉をつけたそうです。(2012年4月30日撮影)。
2018.10.06
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[6]】はケシ科キケマン属の植物です。第5回は、ジロボウエンゴサクです。(2018年4月16日撮影)。☆ジロボウエンゴサクは、本州(関東以西)から九州の山地の野原に生えるケシ科キケマン属の多年草です。草丈は、10~20センチです。地下に、球形の塊茎があるそうです。☆ジロボウエンゴサクの葉は、2~3回3出複葉で長い葉柄があり、小葉はふつう2~3つに深く裂けています。☆ジロボウエンゴサクは、10~20センチの花茎を伸ばし、紅紫色から青紫色、まれに白色の花を総状につけます。☆ジロボウエンゴサクは、ヤマエンゴサクに似ていますが、花は少し細く、花柄のつけねにある苞葉(ほうよう)にギザギザとした切れ込みがなく全縁なので見分けがつきます。☆ジロボウエンゴサクの花は、花弁は4個で、外側の2個と内側の2個は形が異なります。外側の花弁のうち上の花弁は後ろが袋状になって突き出ています。筒の部分は、白色を帯びます。☆ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索)の名は、紀州地方(現在の伊勢地方)でスミレを「太郎坊」、ジロボウエンゴサクを「次郎坊」と呼び、子供たちが両者の花を絡らみ合わせて引っ張ってどちらかが先にちぎれるかを競ったことに由来するそうです。エンゴサク(延胡索)の名は、塊茎を乾燥したものを鎮痛作用がある「延胡索」という漢方薬として利用していることに由来するそうです。☆ジロボウエンゴサクの花言葉は、「私を思って」「約束」「幸運」だそうです。
2018.10.05
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[6]】はケシ科キケマン属の植物です。第4回は、エゾキケマンです。☆エゾキケマンは、北海道から本州北部の山地の日当たりの良い草地に生えるケシ科キケマン属の越年草です。草丈は、20~50センチです。茎は下部で枝分かれし、大きな株をつくります。☆エゾキケマンの葉は互生し、3~4回羽状に裂け、小葉はさらに羽状に細かく裂けます。☆エゾキケマンは、茎先の総状花序に黄色い花を密に多数つけます。キケマンの花は黄色で、上唇の先端に茶褐色の斑があります。☆エゾキケマンは、花弁は4個で、外側の2個の花弁が上下に合わさって筒状になり、花冠の先は唇形、上側の花弁は後方に袋状に伸びて距を作ります。内側の2個は、ほとんどが筒状の花弁のなかに隠れており、先端部分が合着し唇形状の開口部から合着した花弁の先端を覗かせます。☆エゾキケマンの花を正面から撮影した写真です。上と下に外側の花弁が見え、中央に見えるのは内側の2枚の花弁が合着した先端部分のようです。☆エゾキケマン(蝦夷黄華鬘)の名は、蝦夷(北海道)に咲く黄色い花の華鬘草に由来します。
2018.10.04
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[6]】はケシ科キケマン属の植物です。第3回は、ミヤマキケマンです。(2018年4月22日撮影)。☆ミヤマキケマンは、近畿地方以東の山地の日当たりの良いところに分布するケシ科キケマン属の越年草です。越年草とは、秋に発芽し越冬し翌年に花が咲いて枯れる二年生植物のことです。(2018年4月22日撮影)。☆ミヤマキケマンは、フウロケマン(近畿地方以西に分布)の近畿地方以東の山地にふつうに見られる変種だそうです。草丈は20~45センチで、フウロケマン(総状花序に2~8個の花)よりも密に多数の花をつけるそうです。観察してみると、10数個の花をつけているものがありました。中間形もあるそうです。(2018年4月22日撮影)。☆ミヤマキケマンの葉は、1~2回羽状複葉で、小葉は羽状に深い切れ込みがあるそうですが、変異があるようです。(2016年4月19日撮影)。☆こちらの写真では、小葉に切れ込みがほとんどないものや、切れ込みが深いものまで様々です。(2018年4月22日撮影)。☆ミヤマキケマンは、3~10センチの総状花序に、長さ20~23ミリの花を密に多数つけます。写真では、1つの総状花序に10個から10数個の花が見えます。総状花序に2~8個の花が咲くフウロケマンに比べて、花の数が多いようです。(2018年4月22日撮影)。☆ミヤマキケマンは、花弁は4個で、外側の2個の花弁が上下に合わさって筒状になり、花冠の先は唇形、上側の花弁は後方に袋状に伸びて緩やかに屈曲した距を作ります。内側の2個は、ほとんどが筒状の花弁のなかに隠れており、先端部分が合着し唇形状の開口部から合着した花弁の先端を覗かせます。(2016年4月19日撮影)。☆ミヤマキケマンの花を正面から撮影した写真です。上と下に外側の花弁が見え、中央に見えるのは内側の2枚の花弁が合着した先端部分なのでしょうか。(2016年4月19日撮影)。☆ミヤマキケマンの果実は、長さ2~3センチの線形の蒴果(さくか)で、数珠状にくびれています。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。熟すと種を弾き飛ばすようです。(2016年4月19日撮影)。☆ミヤマキケマン(深山黄華鬘)の名は、山地に咲く黄色い花の華鬘草に由来します。ケマンソウ(華鬘草)の名は、仏具の一つである「華鬘(ケマン)」という装飾具に似ていることから名づけられたそうです。「深山」の名はついていますが、深山に分布するのではなく低山や丘陵地に分布するそうです。(2018年4月22日撮影)。☆ミヤマキケマンの花言葉は、「戦い」だそうです。どんな由来があるのでしょうか。
2018.10.03
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[6]】はケシ科キケマン属の植物です。第2回は、キケマンです。(2013年3月25日撮影)。☆キケマンは、本州(関東以西)から沖縄の日当たりの良い場所に生えるケシ科キケマン属の越年草です。草丈は40~60センチになります。☆キケマンの葉は、2~3回3出複葉です。☆キケマンは、茎先に黄色い総状花序をつけます。☆キケマンの花は黄色で、上唇の先端に紫色の斑があります。花弁は4個で、外側の2個の花弁が上下に合わさって筒状になり、花冠の先は唇形、上側の花弁は後方に袋状に伸びて緩やかに屈曲した距を作ります。☆上下の外側の花弁、後方に袋状に伸びて緩やかに屈曲した距はわかりますが、詳しい花のつくりはわかりません。☆キケマン(黄華鬘)の名は、黄色い花の華鬘草に由来します。ケマンソウ(華鬘草)の名は、仏具の一つである「華鬘(ケマン)」という装飾具に似ていることから名づけられたそうです。☆キケマンの花言葉は、「祈りある生活」「さびしさに耐える」だそうです。
2018.10.02
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[6]】はケシ科キケマン属の植物です。第1回は、これまでに観察した6種類のケシ科キケマン属の植物と特徴です。◎茎先に数個から多数の花の総状花序をつける。☆キケマン属は、茎先に総状花序をつけます。花の数は、数個のものから密に多数の花をつけるものもあります。多数の花をつけたエゾエンゴサクの総状花序です。◎花冠の先は唇形で上側の花弁は後方に袋状に伸びて距または胞を作る。☆キケマン属の花弁は4個で、外側の2個の花弁が上下に合わさって筒状になり、花冠の先は唇形、上側の花弁は後方に袋状に伸びて距または胞を作ります。花の中には、雄蕊が2本、雌蕊が1本あります。ジロボウエンゴサクの花です。◎内側の2枚の花弁は唇形状の開口部から合着した先端を覗かせる。☆内側の2個の花弁は、ほとんどが筒状の花弁のなかに隠れており、先端部分が合着し唇形状の開口部から合着した花弁の先端を覗かせます。正面から見たエゾキケマンの花です。◎萼片は非常に小さく、小花柄の付け根には苞葉がある。☆萼片は左右2枚で、非常に小さく、花と小花柄の接合部分についています。小花柄の付け根には、苞葉があります。ムラサキケマンの先端が細く裂けている白い萼片と苞葉です。☆静岡県・東伊豆で観察したキケマンの花です。☆東京都・高尾山で観察したミヤマキケマンの花です。☆北海道で観察したエゾキケマンの花です。☆東京都・昭和記念公園で観察したジロボウエンゴサクの花です。☆北海道で観察したエゾエンゴサクの花です。☆東京都・立川市で観察したムラサキケマンの花です。☆第2回から第7回まで、これまでに観察した6種類のケシ科キケマン属の植物を詳しく紹介します。
2018.10.01
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[5]】はフウロソウ科の植物です。第7回は、エゾフウロです。(2017年6月14日撮影)。☆エゾフウロは、ハクサンフウロの変種で、北海道や本州(東北地方)の山地に生えるフウロソウ科フウロソウ属の多年草です。☆花や葉の形からハクサンフウロかと思いましたが、北海道に自生していることと萼片に密に開出毛があることから、エゾフウロとわかりました。☆エゾフウロは、草丈が30~80センチで、葉は幅5~10センチで基部近くまで掌状に5つに深く裂けており、さらに細く裂けています。☆エゾフウロの花茎の先につく花は、直径3センチ程で紅紫色です。花弁は5枚で、濃い紫色のスジがあります。エゾフウロは「花弁が重なっている」という記事を見かけましたが、この花は花弁が重なっていません。変種の中でも変異があるのでしょうか。☆エゾフウロの雄蕊は10本です。花糸と葯は濃い紫色ですが、花糸の下の方は白くたくさんの毛が見えます。フウロソウの仲間は雄性先熟で、雄蕊が先に熟して花粉を出します。☆雄性期から雌性期に変わる頃には、雄蕊は花粉を出し終えて葯が落ちてしまいます。そして、雌性期には雌蕊が熟して柱頭が5つに分かれ、他の花の花粉で受粉します。自家受粉(自分の花の花粉で受粉すること)を避け、他家受粉(他の花の花粉を受け取って受粉すること)します。同じ種の中でも、多様な遺伝情報を受け取ることによって、個体の生命力を高めるための巧妙な仕組みです。☆エゾフウロ(蝦夷風露)の名は、蝦夷(北海道)に生えるフウロソウ(風露草)から。フウロソウ(風露草)の名の由来は、出入り口が1箇所だけで周囲が木で囲まれている草刈場を「フウロ野」と呼び、フウロソウは草刈場に生える草という意味とのことだそうです。☆エゾフウロの花言葉は、フウロソウに共通の「変わらぬ信頼」「陽気」だそうです。
2018.09.30
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[5]】はフウロソウ科の植物です。第6回は、アサマフウロです。(2012年9月14日撮影)。☆アサマフウロは、本州中部の湿り気のある高原の草地に生えるフウロソウ科フウロソウ属の多年草です。草丈は60~80センチで、茎や葉柄には圧毛があるそうです。☆アサマフウロの葉は、ほとんど基部まで5つに深く分かれ、裂片はさらに2~3回3出状に切れ込みます。☆アサマフウロの花期は8~9月で、茎先に集散状に数個の花をつけます。☆アサマフウロの花は、濃紅紫色で直径3~4センチ、フウロソウの仲間では大きな花です。5枚の花弁は濃い紅紫色の脈が目立ち、下部の脈上には白い軟毛が生え、基部には白毛を密生します。雄蕊は10個で、雌蕊は1個です。☆アサマフウロの花は雄性先熟で、雄蕊が先に熟して花粉を出し、その後雌蕊が熟してきます。これは雄性期の花で、雌蕊柱頭は分かれ始めていません。自家受粉(自分の花の花粉で受粉すること)を避け、他家受粉(他の花の花粉を受け取って受粉すること)します。同じ種の中でも、多様な遺伝情報を受け取ることによって、個体の生命力を高めるための巧妙な仕組みです。☆この写真では、右側の花が雄性期から雌性期に移りつつあるようで、雌蕊柱頭が分かれ始めています。左側の花は雌性期の花で、雄しべの葯はなくなり、雌蕊柱頭が5つに分かれています。☆花弁が散り、先が嘴状に伸びる果実が成長してきています。果実は、花柱分枝を含めて長さ約3センチの蒴果(さくか)です。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。☆アサマフウロ(浅間風露)の名は、長野県の浅間山麓に多く分布することから名づけられたそうです。フウロソウ(風露草)の名の由来は、出入り口が1箇所だけで周囲が木で囲まれている草刈場を「フウロ野」と呼び、フウロソウは草刈場に生える草という意味とのことだそうです。☆アサマフウロの花言葉は、フウロソウに共通する「変わらぬ信頼」「陽気」などだそうです。
2018.09.29
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[5]】はフウロソウ科の植物です。第5回は、ミツバフウロです。(2016年9月4日撮影)。☆ミツバフウロは、北海道から九州の山地の草むらに生えるフウロソウ科フウロソウ属の多年草です。なお、北海道に分布するものは、葉裏全面に短い伏毛があるので、エゾノミツバフウロとして区別する考えもあるそうです。☆ミツバフウロの葉は、3つに深く裂けており、裂片には大きな鋸歯があります。☆ミツバフウロの花です。花柄にゲンノショウコのように目立つ開出毛がないので、花柄は一見すると無毛ですべすべしているように見えます。☆花に近づいて見ると、花柄に下向きの圧毛が見えます。☆萼片には、3つの脈が見え、萼片にも下向きの圧毛が見えます。☆ミツバフウロの花です。萼片は5枚で、先端は細く尖っています。植物図鑑(『日本の野生植物』平凡社)では、萼片が花弁より少し短いとありましたが、写真で見ると萼片が花弁より少し長いようです。5枚の花弁には、3本の紫色のスジがあります。青紫色の葯がある雄蕊は10本、中央に雌蕊らしいものが見えます。☆ミツバフウロ(三葉風露)の名は、葉が3つに深く裂けていることに由来します。フウロソウ(風露草)の名の由来は、出入り口が1箇所だけで周囲が木で囲まれている草刈場を「フウロ野」と呼び、フウロソウは草刈場に生える草という意味とのことだそうです。☆ミツバフウロの花言葉は、ハクサンフウロなどとともにフウロソウに共通する「変わらぬ信頼」だそうですが、誰がどんな理由で名づけたのでしょうか。
2018.09.28
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[5]】はフウロソウ科の植物です。第4回は、ゲンノショウコです。(2016年10月4日撮影)。☆ゲンノショウコは、北海道から九州の山野のふつうに見られるフウロソウ科フウロソウ属の多年草です。白紫花と赤紫花があり、白紫花は東日本に、赤紫花は西日本に多いそうです。(2017年9月26日撮影)。☆ゲンノショウコの茎や葉には毛があり、茎の上部、葉柄、花柄、萼には腺毛がまじっているそうです。(2017年8月23日撮影)。☆ゲンノショウコの葉は、3~5つに分かれ、裂片には大きな鋸歯があります。写真で見ると、3つに裂けているものが多いようです。ゲンノショウコの葉は、葉柄の基部に小さな托葉があります。(2017年8月23日撮影)。☆ゲンノショウコの花期は、7月から10月です。花は長い花柄の先に2個つき、直径1~1.5センチです。(2017年9月8日撮影)。☆ゲンノショウコの花柄には、開出毛があります。ゲンノショウコの花の萼片は5枚で、花弁より少し短く、3つの脈があります。萼片の3つの脈のうち中央の脈は、萼の先端から突き出し、細く尖っています。(2017年8月23日撮影)。☆ゲンノショウコの5枚の花弁は先端が丸く、花弁には5本の赤紫色のスジがあります。萼片は5枚で、花弁より少し短く、先が細く尖っているのがわかります。雄蕊は10本です。ゲンノショウコは、雄蕊が先に熟する雄性先熟です。この花は雄性期で、雌蕊花柱の先端はまだ開いていません。自家受粉(自分の花の花粉で受粉すること)を避け、他家受粉(他の花の花粉を受け取って受粉すること)します。同じ種の中でも、多様な遺伝情報を受け取ることによって、個体の生命力を高めるための巧妙な仕組みです。(2017年9月8日撮影)。☆雌性期のゲンノショウコの花です。雌蕊の柱頭が5つに分かれて開いています。雄蕊から花粉が出終わった後に、雌蕊花柱が5つに分かれます。(2016年10月14日撮影)。☆花びらが散って大きくなってきたゲンノショウコの若い果実です。心皮の上部が嘴状に伸び、その下端に種子がある子房が丸くなっています。果実は、蒴果(さくか)です。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。(2017年9月26日撮影)☆ゲンノショウコの熟した果実です。熟すと5つに分かれ、裂片は種子を1個ずつ巻き上げます。ゲンノショウコは、開いた果実の形が神輿の屋根のように見えるので、ミコシグサ(神輿草)の別名がついています。(2017年10月10日撮影)。☆ゲンノショウコ(現の証拠)の名は、古くから全草を干して下痢止め薬として用い、その薬効が直ちに現れたので「現によく効く証拠」から「現の証拠」に転じたそうです。ゲンノショウコの花言葉は、「心の強さ」「憂いを忘れて」だそうです。
2018.09.27
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[5]】はフウロソウ科の植物です。第3回は、ヒメフウロです。(2017年7月4日撮影)。☆ヒメフウロは、本来は滋賀の伊吹山や徳島の剣山など限られた地域にのみ自生する植物ですが、外国から入ってきた観賞用のものが北海道と本州で帰化していることが確認されているフウロソウ科フウロソウ属の越年草です。園芸植物で「ヒメフウロ」として流通しているのは、別種だそうです。(2017年7月4日撮影)。☆茎は基部で分岐し、草丈は20~60センチになります。全草に軟らかい開出した白毛がまばらにあるそうです。(2013年5月2日撮影)。☆ヒメフウロの葉は互生し、深く3つに分かれ、小葉はさらに羽状に分かれています。茎の上部の葉は、羽状葉状になっています。古くなった葉や、結実期に入った全草は赤く染まることが多いそうです。(2014年5月14日撮影)。☆ヒメフウロの花期は、5月から8月です。花はピンク色の花冠が5つに深く分かれており、雄蕊が10本あります。ヒメフウロは雄性先熟の花なので、雄蕊が先に熟して花粉を出します。自家受粉(自分の花の花粉で受粉すること)を避け、他家受粉(他の花の花粉を受け取って受粉すること)します。同じ種の中でも、多様な遺伝情報を受け取ることによって、個体の生命力を高めるための巧妙な仕組みです。(2013年5月2日撮影)。☆こちらの花は、雄蕊の葯に花粉が見えますが、雌蕊の花柱が5つに分かれ始めており、雌性期から雄性期に移りつつあるようです。(2017年7月4日撮影)。☆こちらは雌性期のヒメフウロの花です。雄蕊は脱落しており、雌蕊の花柱の先端が5つに分かれています。(2017年7月4日撮影)。☆開花した花とともに、果実ができてきている花も見えます。萼片には開出毛と腺毛があるそうですが、長い開出毛があるのがわかります。(2017年7月4日撮影)。☆ヒメフウロ(姫風露)の名は、花が小さくてかわいらしいフウロソウから。フウロソウ(風露草)の名の由来は、出入り口が1箇所だけで周囲が木で囲まれている草刈場を「フウロ野」と呼び、フウロソウは草刈場に生える草という意味とのことだそうです。(2012年5月21日撮影)。☆ヒメフウロの花言葉は、「静かな人」「変わらぬ信頼」などだそうです。(2017年7月4日撮影)。
2018.09.26
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[5]】はフウロソウ科の植物です。第2回は、アメリカフウロです。(2013年5月3日撮影)。☆アメリカフウロは、昭和初期に渡来し今では全国に広がった北アメリカ原産の帰化植物で、フウロソウ科フウロソウ属の1年草です。(2017年5月14日撮影)。☆アメリカフウロの葉は長い葉柄があり、5つに深く裂けて、さらに細かく裂けています。(2017年5月14日撮影)。☆アメリカフウロの花期は5~6月で、葉腋から花柄を出し、直径5ミリ程の淡紅色の5弁花を数個つけます。(2017年5月14日撮影)。☆アメリカフウロの花のつくりは、5枚の萼、5枚の花びら、10本の雄蕊、先端が5つに分かれている雌蕊です。花をよく見ると、雄蕊は内側と外側に5本ずつあります。(2016年5月6日撮影)。☆この花では、雌蕊柱頭が5つに分かれていることがわかります。左上の若い果実を見ると、萼片は3脈があり縁と外面脈上に長い毛があるのがわかります。(2017年5月14日撮影)。☆果実が成長してきました。萼とともに果実にも腺毛が見えます。果実は、長さ約2センチの蒴果(さくか)です。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。(2017年5月14日撮影)。☆実が熟すと、全体がこのように黒くなり、ゲンノショウコと同じように、花柱が下から5つに裂けて外に巻き上がり、種を弾き飛ばします。(2014年5月20日撮影)。☆アメリカフウロ(亜米利加風露)の名は、アメリカ原産のフウロソウから。フウロソウ(風露草)の名の由来は、出入り口が1箇所だけで周囲が木で囲まれている草刈場を「フウロ野」と呼び、フウロソウは草刈場に生える草という意味とのことだそうです。(2017年5月14日撮影)。☆アメリカフウロの花言葉は、「誰か私に気づいて下さい」だそうです。小さい花なので、意識しないと見すごして通り過ぎてしまうかもしれません。そんな思いで名づけられたのでしょうか。(2017年5月14日撮影)。
2018.09.25
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[5]】はフウロソウ科の植物です。第1回は、フウロソウ科の植物の特徴です。写真はアサマフウロの花です。◎放射相称の花は5数性で萼片・花弁はともに5個。☆フウロソウ科の植物は、花は放射相称で5数性、萼片・花弁はともに5個です。アメリカフウロの花です。雄蕊は10個です。☆ミツバフウロの花です。萼片・花弁はともに5個です。雄蕊は10個です。◎雄性先熟で雄蕊が先に熟し、その後雌蕊が熟して柱頭が5つに分かれる。☆雄性先熟は、自家受粉(自分の花の花粉で受粉すること)を避け、他家受粉(他の花の花粉を受け取って受粉すること)します。同じ種の中でも、多様な遺伝情報を受け取ることによって、個体の生命力を高めるための巧妙な仕組みです。雄性期のヒメフウロの花です。雄蕊が先に熟して花粉を出しています。☆雌性期のゲンノショウコの花です。雄蕊の葯はなくなり、雌蕊が熟して柱頭が5つに分かれて開いています。◎果実は蒴果で上部が細長く伸びた嘴型になる。☆ヒメフウロの果実です。上部が嘴状に伸び、その下端に種子がある子房が丸くなっています。果実は、蒴果(さくか)です。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。☆アサマフウロの果実です。上部が嘴状に伸びてきています。◎果実は熟すと下から5つに裂けて外に巻き上がり種を弾き飛ばす。☆実が熟して全体が黒くなったアメリカフウロの果実です。花柱が下から5つに裂けて外に巻き上がり、種を弾き飛ばします☆ゲンノショウコの熟した果実です。熟すと5つに分かれ、裂片は種子を1個ずつ巻き上げます。☆フウロソウ(風露草)の名の由来は、出入り口が1箇所だけで周囲が木で囲まれている草刈場を「フウロ野」と呼び、フウロソウは草刈場に生える草という意味とのことだそうです。☆フウロソウに共通する花言葉は、「変わらぬ信頼」「陽気」「慰める」「妬み」などだそうです。
2018.09.24
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[4]】はブナ科の植物です。第13回は、ハイイロチョッキリです。(2017年9月26日撮影)☆台風などの強風が吹いた後でもないのに、コナラの木の下に枝がたくさん落ちています。しかも、不思議に思ったのは、今日落ちたばかりのように葉がしおれていないこと、そして、どの小枝にも実がついていることでした。調べてみると、ゾウムシの仲間の昆虫ハイイロチョッキリの仕業であることがわかりました。(2016年8月15日撮影)。☆同じように、実がついたクヌギの小枝も落ちています。(2016年8月15日撮影)。☆とにかく鋭い切り口です。(2016年8月15日撮影)。☆よく見ると、コナラのドングリの殻斗の縁付近に、卵を産み付けたと思われる小さな黒い傷が見えます。ハイイロチョッキリは、クヌギやコナラの実に卵を産み付けて、その後に実を枝ごと切り落とすのです。(2017年9月26日撮影)。☆植物は、虫に食べられたり傷つけられたりすると生体防衛反応として、卵や幼虫の成長を阻害する物質を分泌するそうです。そこで、ハイイロチョッキリは、卵を産み付けた実を枝ごと切り落として、クヌギやコナラが卵や幼虫の成長を阻害する物質を分泌しないようにしているそうです。(2017年9月26日撮影)。☆ハイイロチョッキリは、卵を産み付ける時に、殻斗の縁付近の薄い部分に穿孔しているのが特徴だそうです。(2017年9月26日撮影)。☆この穴の奥に、ハイイロチョッキリの卵が入っているようです。幼虫はドングリを使用の中心から食べて成長します。(2017年9月26日撮影)。☆ハイイロチョッキリの成虫は、ドングリが緑色の時期の8月20日ごろから10月下旬ごろまで、ドングリの実の成長にあわせて生きているそうです。クヌギやコナラの実が柔らかく、穿孔して卵を産み付けやすいからでしょう。ハイイロチョッキリの成虫は、10月には全部死んでしまい、幼虫が冬越しするそうです。(2016年8月21日撮影)。☆昆虫が進化の過程で身につけた知恵、素晴らしいですね。(2017年9月26日撮影)。☆インターネットで、ハイイロチョッキリに関してNHKが制作した記事を見つけました。記事を許可なく転載できませんので、リンクをクリックしてご覧ください。とてもわかりやすい動画です。◎どんぐりとハイイロチョッキリ(NHK for School)。http://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005401434_00000
2018.09.23
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[4]】はブナ科の植物です。第12回は、ブナ科の堅果(ドングリ)の芽生えです。(2014年4月7日撮影)。☆2014年と2016年、そして2018年の春は、コナラとクヌギの堅果(ドングリ)の芽生えを観察できました。(2014年4月7日撮影)。☆調べてみると、ブナ科の堅果(ドングリ)は乾燥に弱いので、地上に落ちて乾燥して中の水分がなくなってしまうと、発芽能力を失って芽が出ないそうです。2014年と2016年、そして2018年の春、雪が融けた後のドングリの芽生えという共通性を考えると、雪の下で十分な水分を得て発芽の条件ができたと考えられます。(2014年3月11日撮影)。☆細長いコナラのドングリで、根は堅果のどちらから出るのかを観察してみました。堅果の尖った先端部から、果皮を突き破って根を伸ばしています。根は、ドングリの先端部から出ることが確認できます。(2016年2月13日撮影)。☆丸いクヌギのドングリです。やはり、先端部から出た根を土の中に伸ばしています。(2014年4月7日撮影)。☆ドングリの割れた果皮の中に、双子葉植物の特徴である2枚の子葉が見えます。(2016年2月13日撮影)。☆2枚の子葉は、肉質で栄養分を蓄えています。ドングリに胚乳はありませんが、子葉に蓄えられている栄養分を利用して発芽し成長します。(2014年3月11日撮影)。☆2枚の子葉の間から、茎が伸び葉も伸びてきます。(2014年4月7日撮影)。☆この若葉は、大木になったコナラの若葉と同じように白っぽい色で、葉には薄っすらと細い毛が見えています。(2014年4月7日撮影)。☆10月に観察したクヌギの幼木です。高さは20センチ程度、春に芽を出し成長したものでしょうか。(2014年10月2日撮影)。
2018.09.22
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[4]】はブナ科の植物です。第11回は、ブナ属のイヌブナの花です。(2018年3月29日撮影)。☆イヌブナは、本州(岩手県以南)・四国・九州(熊本県以北)に分布するブナ科ブナ属の落葉高木です。樹高は25メートル、幹は直径70センチにもなります。樹皮は灰黒色で、多数のいぼ状の皮目があるそうです。☆イヌブナは雌雄同株・雌雄異花で、雄花序は新枝の下部の葉腋に数個つき、雌花序は新枝の上部の葉腋について上向きにつくそうです。下向きに3本ぶら下がっているのが雄花序で、上部に上向きについているのが雌花序のようです。☆イヌブナの雄花序は、新枝の下部の葉腋から垂れ下がり、長い軟毛が密生する長さ2.5~4.5センチの柄があります。苞は、線形です。☆イヌブナの雄花序は、6~15個の雄花が頭状に集まってつきます。雄花の花被は長さ5ミリほどの円錐形で、淡褐色の長毛が密生し上部は6つに分かれるそうです。葯が花被の外に出る雄蕊は、12個あるそうです。☆茶褐色の苞に包まれて下に伸びているのが、イヌブナの雌花序のようです。雌花は、花柱が3本で、柱頭は2つに分かれて反り返ります。写真の下に、柱頭が2つに分かれて反り返る3本の花柱が見えます。☆イヌブナ(犬椈)の名は、木材の質がブナ(椈)より劣るため名づけられたそうです。ブナの幹が灰白色なのに対して、イヌブナの幹が灰黒色なので別名クロブナと呼ばれるそうです。☆果実は観察できませんでしたので、今後の課題とします。
2018.09.21
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[4]】はブナ科の植物です。第10回は、マテバシイ属のシリブカガシです。☆シリブカガシは、本州(近畿地方以西)・四国・九州・沖縄に生えるブナ科マテバシイ属の常緑高木です。幹は高さ15メートル、直径50センチになります。☆シリブカガシの葉は互生し、葉身は倒披針状長楕円形で大きく、縁は全縁または上部にわずかに鋸歯があります。葉身は厚い革質で、表面には光沢があり、裏面は銀白色です。☆シリブカガシ雌雄同株・雌雄異花で、花期は9~10月です。新枝の葉腋に雄花序が数個ついて斜上し、新枝の上部の葉腋に雌花序が出て斜上します。写真では雄花序は見えますが、雌花序は確認できません。シリブカガシの花期は他のブナ科の植物とは違う秋なので、花と大きく成長してきた果実を同じ時期に観察できます。☆シリブカガシの果実は、花期から1年後の翌年秋に熟します。シリブカガシの殻斗は椀状で、多数の鱗片状の総苞片が瓦重ね状に並んでいます。堅果は楕円形で、基部の着点(堅果の底)がくぼんでいます。☆シリブカガシ(尻深樫)の名は、堅果の殻斗がとれた跡(堅果の底)が凹んでいることから、尻が深いドングリをつける樫の木に由来します。
2018.09.20
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[4]】はブナ科の植物です。第9回は、マテバシイ属のマテバシイです。☆マテバシイは、本州(紀伊半島)・四国・九州・沖縄の沿海地の林野に生えるブナ科マテバシイ属の常緑高木です。幹は高さ15メートル、直径60センチになります。公園や庭木、街路樹としても植えられています。☆マテバシイの葉は互生で、葉身は倒披針状長楕円形で大きく、縁は全縁です。葉身は革質で、表面には光沢があります。☆マテバシイは雌雄同株・雌雄異花で、花期は6月です。新枝の葉腋に雄花序が数個ついて斜上し、新枝の上部の葉腋に雌花序が出て斜上します。☆雄花は皿形で、花被片は6つに分かれ、雄蕊が12本あります。☆雌花は、総苞を含めて直径約2ミリ、総苞内に1つの花が咲き、花柱は3本あるそうです。☆マテバシイの果実は、花期から1年半後の翌年秋に熟します。これは5月末に観察した前年にできた果実ですが、約1年でここまで成長しました。☆秋には、前年にできた果実が熟します。☆マテバシイの殻斗は椀状で、多数の鱗片状の総苞片が瓦重ね状に並んでいます。☆マテバシイ(馬刀葉椎、全手葉椎)の名前の由来は、諸説あるそうです。なお、椎(シイ)の名の由来は、実が自然落下し木の下にあるので、「下(シ)」と「実(ヒ)」から「シヒ」そして「シイ」になったという説もあるようですが定かではありません。(1)待てばおいしい椎の木の実になる。待てば背が高い椎の木になる。(2)馬刀(マテ)と呼ばれる馬を切る刀があり、葉の形がその刀に似ている。(3)ドングリの形が二枚貝のマテガイに似ている。(4)全手葉椎は、葉が手のひらを広げたように広がって伸びていくことから。(5)九州で使われていたヤリガンナに「マテバ」というのがあり、そのヤリガンナの先端部分と葉の形が似ている。☆マテバシイの花言葉は、「勇気」「力」「長寿」「永遠の愛」だそうです。
2018.09.19
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