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2010.04.29
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カテゴリ: 日本映画


<日本人の心情の本質を描くことに長けている>
という川端作品を、まだ一度も読んだことがないので、内容にちょっと驚かされてしまった。


ところがある日を境に、夫・修一が外に女をつくり、両親と菊子の心労は募っていく・・・・・。


むかしの日本人女性らしく、菊子はだまって静かに耐えている。
その苦しみを一番理解して、事態を動かそうとするのが義理の父・信吾なのだけれど、彼の胸中には複雑な想いがあるのだった。
老境に差しかかった父の、長男の嫁・菊子に対するプラトニックな情愛――――。
じつにさり気なく、奥ゆかしく描いてはいるものの、信吾の献身的な労わりや視線に、何気に心がざわざわとしてきてしまう。


一方、夫の修一には腹が立ちっぱなし。威張った態度や、菊子に対する冷酷さがイヤ。
『有りがたうさん 』『 めし 』では爽やかな優男役が似合っていたはずだったが、本作のコクのない亭主関白役には、なにげに虫唾が走ってしまった。


終盤、別離へと物語はむかっていく。
菊子は信吾のすすめで、しばらく実家へ帰ることに決めたのだ。義父の優しい気遣いに感謝しつつ、別れに涙する菊子。「便りをくれ」という信吾の本心が切なかった。
修一よりもお似合いに映る、信吾と菊子。肝心の修一の心がちっとも伝わらないのは、ふたりほどに心理描写を丁寧に描かれていなかったからだろう。
主人公はあくまでも、父・信吾と、嫁・菊子なのだった。

上原謙と、父親を演じた山村聡では、なんと山村聡のほうが一歳若かったのだそうだ。
老けメイクをして信吾を演じていたからこそ、菊子(原節子)とのツーショットがやけに艶っぽかったのね。
夫婦の物語だと思って観ると、思いがけない内容に驚かされるかもしれない。川端康成が、ちょっと読んでみたくなったなぁ。
ちなみに、前出の成瀬監督作『めし』では、川端康成が監修を務めていた。





原作/ 川端康成
脚本/ 水木洋子
出演/ 原節子  上原謙  山村聡

(モノクロ/95min)






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Last updated  2010.05.02 19:19:06
コメント(4) | コメントを書く


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Re:【山の音】 1954年 老境に差しかかった男の、長男の嫁に対する繊細で曖昧な情愛(04/29)  
ヤスカイ  さん
こんばんは。

GW・・忙しくしているのかな・・・?

この映画・・ずっと昔に見たような・・・もしかしたら成瀬監督のほかの作品か・・・
どうも記憶がね・・・

川端・・以前『有難う』を取り上げたの はるさんじゃなかった? 違ってたらごめんなさい。
私も川端はあまり読みませんが、ちょっと面白い・・・というか・・はるさん好みかなと思われるのが『片腕』という短篇。ちょっとおかしな設定で、なんともエロチックなお話。
代表作なのかどうかわかりませんが・・・。
(2010.05.02 22:05:54)

ヤスカイさんへ  
はる*37  さん
こんばんは。

1日に試合に負けてから
なんとぽっかりと今日・明日、お休みになって
今日は予定外の休日となりました。
久しぶりに朝寝坊しちゃった!
明日はお客さんがきて、賑やかです^^

映画の感想も、ずっと途中まで書いて放置状態で
今更、手直ししてアップしちゃいましたが、、
気持ちがのらずに、全然つたわらない雑文と化し、、悲し。


>はるさん好みかなと思われるのが『片腕』という短篇。ちょっとおかしな設定で、なんともエロチックなお話

きゃ~
わたしのイメージとは、やはりそうですか(笑)
でも読んでみたいと思っちゃった。
昔の文芸ものは、あからさまじゃない分、行間にエロスを感じますね。
『片腕』メモメモ 〆(..) (2010.05.03 00:10:08)

そうだった!  
ヤスカイ  さん
ごめんなさい。
よく読んでなかったのは私のほうです。
そうそう! 『有がたうさん』の映画のほうを取り上げたんでした。
原作と映画とまぜこぜに考えてしまてったみたい・・・歳だな・・・。

はるさんのイメージではなく・・・好みのなかにこういうものが多いように思えるので・・・ 
鏡花とか 百聞とか ガルシア・マルケス、安倍公房とか・・・ それぞれなんとなくエロチックなものもあるでしょう? 

そういえば・・・はるさん一番のお気に入り『鉄男』がリメイクされたというニュースを読みましたが、わがデニーロさんもだいぶお気に入りになったそうですね。
「この続編を作るなら 私も出演したいな・・・」と塚本さんに直接語ったとか・・・すげえ!
是非実現してほしいと思ってます。

実は『輝ける闇』を映画化するなら・・・という妄想を若い頃持ってまして、デニーロさんなら話を聞いてくれるのではないか・・・などと妄想をふくらましたものでした。
主演は渡辺謙あたりじゃ・・・カッコよすぎる? 片岡鶴太郎っていうのも面白いかと・・・すごい妄想!! GWなので赦して・・・・

(2010.05.03 11:39:12)

ヤスカイさんへ  
はる*37  さん
こんばんは♪

>好みのなかにこういうものが多いように思えるので

そうですね~
ほんとにそうです。自覚してます!
鏡花、百聞、安倍公房――映画でも肉感的な作品は好き。


>『鉄男』がリメイク

そうなんです。
全編英語だそうで、楽しみ。
ただここ暫くは、塚本氏の目の覚めるような新作はなくて
若いころの作品にあったような、凶暴性やエロスやぎりぎりの焦燥なんかが
歳と共に大人しくなってくるのは
やはり人間らしい変化なのかなぁと思っています。
オリジナル『鉄男』のようなパワフルな作品にはならない予感がしています。
でも楽しみ。

『輝ける闇』を映像化したなら、、、
片岡鶴太郎っておもしろそうですね!
私的には、それこそ田口トモロヲさんとか(笑)ダメですかね。
(2010.05.04 20:57:02)

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