日々精進なり  <武蔵野東ラグビー部>

日々精進なり <武蔵野東ラグビー部>

2013年09月23日
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カテゴリ: ラグビー本舗
ノーサイドの笛が鳴る。

高い音色は終わりの合図。

終わったのは彼らの高校ラグビーシーズン。

彼らは、本校3年ラグビー部員。



キャプテンは地に膝をつき、涙をほとばしらせた。

数名がそれに続き、地に膝をつき涙を流した。

放心状態でそれを迎えた者もいる。


5-77


これが、対戦校と本校の力量差だ。



喉元まで出ていた、負けることは決定的だという言葉。

それは言わずしても結果はわかっていたと思う。

ただ、風潮としてそれを指導者が指揮官が口にするのはタブーである。

理由は様々だ。

それは、私が学生時代に卒業論文として書いた内容が全て。

要約すれば、高校スポーツの在り方。

入学の段階でスポーツ推薦入学や特待生入学で入ってくる運動有能生徒。

いや、運動が有能でなかったとしても体格有能もある。

そして、学校の器が大きければ大きいほど、それは広がる。

実際に私の卒業論文では、学校側のアンケートには、スポーツ推薦年間5名と明記されていても、

在校生へのアンケートでは、全学年で30名以上の生徒が「スポーツ推薦で入学した」



暴くつもりはないし、非難もしない。

これが現実だということだけは理解できた。


これも、学校運営上、学校経営上の宣伝手段でもあると理解している。


話を戻すと、、

故に、全国大会優勝経験校と本校には差がある。



ただ、その強豪校も昔は無名校。

強豪校になるには、なっただけのエピソードや歴史もある。

本校にもそのチャンスがあると真剣に思っている。

ただ、今は、、、


ノーサイドの後は、部員たちをグランドの片隅に集めた。

「頑張ったけど、よくやったけど、負けは負け。これが現実だ!

そして、今から出ていく社会こそが厳しいこの現実なんだ。」

もっと優しい言葉をかけてもよかった。

でも私は知っている。ここで何を慰めても、どう優しくしても、

3年生たちは半年足らずで、その現実に出ていかなければいけないのだから、、、

ただ、本音はある。

彼ら3年生も口にこそ出さなかったが、

もしかしたら、やる前からわかっていたかもしれない。

負ける戦に堂々と挑んだ彼ら。

劣勢上等、粉骨砕身、木端微塵。

自分たちの3年間をぶつけたのだろう。

それは、後悔ばかりの3年間だっただろうし、

辞めたかったり、逃げ出したかった、紆余曲折の年月だっただろう。

いや、今現在も嫌で仕方ない部員もいるかもしれない。

それが、、終わった。

本当にお疲れ様。

正論からすれば、もちろん出来ることは山ほどあったよ。

でもね、、大人ですら同じことの繰り返し。だから、いいんだ。

これを教訓にしてくれたら。




試合後、集合も終わり、着替えさせるために全員を解散させ、

私は一人、体育館の脇に腰を下ろした。

止めどなく出てくる涙と、胸を締め付ける敗戦の悔しさ。

私もまだラガーマンのはしくれ。

教師としての感情と、チームを率いている監督としての感情は別物だ。

昨年の今頃から、緻密に考えて押し引き、駆け引きをしながらやってきた1年間。

夏の喧騒が懐かしく感じる秋初旬に華々しく散ったことは、あまりにも早く寂しい。

3分間だけ、悔しさと悲しさに浸っていた。



頑固オヤジは、そんな時でも頑固オヤジでありたいというポリシーから、

一人で泣いていたのだが、、どうやら、数名の保護者には目撃されてしまったようだ。


親も教師も人間であり、弱い部分も当然ある。

そこをどこまで子どものために、涙を飲んで強くなれるかが大切だと思っている。

昨今は、子どもと一緒になって、泣き、笑い、困り、迷い、途方に暮れる大人が多い。

人生の随分先輩なのに、一緒に右往左往する親が沢山いる。


ともあれ、、終わった。

気持ちの切り替えなんてできないよ!

今も寂しいし、悔しい。

でも、進まなければいけない。

前に進む歩みを止めるわけにはいかない。

何故なら、この3年生がこれだけ泣けるのは、

しっかりと1、2年生の時に茨の地を怯まずに進んできた実績があるからだ。

歩みを止めれば、今の1、2年生に同様の思いをさせられない。

そうなると、来年、再来年は、負けても泣けない部員しか生まれない。

”木を植えなければ、森は死ぬ”


最後に、、、

集合の際に声を大きくした部分がある。

「生活の面も変えなければ勝てないんだよ!

強くなりたければ、そこから変えろ!強くなりたいと真剣に思え!!

弱いままでもいいやとあきらめる部員もいるじゃないか!

そして、更に、それを助長する親もいる!!!!!」

最後の一行だ。

これに尽きる。

ただ入学して入部すれば、自動的に子どもが成長して強くなると思ったら大間違い!

そこに軋轢やプレッシャー、精神的に押し潰されるような経験と辛さ。

それを乗り越えて涙を流し感謝して、、それでようやく強くなる。

鉄や鋼は焼きを入れて叩いてようやく強くなる。

黙って座らせて、小言を聞かせれば強くなるような人間はいない。


さぁ、、


来週から再スタートだ。

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最終更新日  2013年09月25日 10時59分33秒
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