一即多、多即一

一即多、多即一

心臓で考える


といい、「彼らの唇は薄く、鼻は鋭く、その顔は深いしわでゆがんでいる。眼は
硬直して見つめており、白人たちはいつもなにかを求めている。なにを求めてい
るのだろう。白人たちはいつもなにかを欲望している。
 いつも落着かず、じっとしていない。われわれインディアンには、彼らが欲し
がっているものが分らない。われわれは彼ら白人を理解しない。彼らは気が狂っ
ているのだと思う」といった。

 どうして白人たちがすべて狂気なのか、私は尋ねた。
「彼らは頭で考えるといっている」と、彼は答えた。
私は驚いて、「もちろんそうだ。君たちインディアンはなにで考えるのか」と
反問した。
「ここで考える」と彼は心臓を指した。

「ユング自伝2」より

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