海洋冒険小説の家

海洋冒険小説の家

(16)権大納言の反撃



 「ほーお、礼なあ、ははーん、六条の院どの、さては、その高貴なおん方のおんケツが、いや、ケツではお品がよろしくないな、おいど(居処)は女言葉やし、ええっと、そのお尻が、ひょうっとして、焙烙丸で、やけどしてまっかっかになっているのとちゃいまっか。はっはっはっは。みなさんのお尻はどうでっか?」
 「ええーい! 黙れ黙れぃ!、そのいまいましい舌め。そちのために、はかりごとが狂ってしまったわ。もう少しで信長の首が取れたものを、邪魔そって!。大湾沖で受けた戦の恨みもまとめて、ここで、礼だけはさせてもらう。覚悟せい。それ、かかれ!」
 その声とともに、鉄砲を持った三人が前に飛び出してきて、銃口を助左衛門に向けた。
 そして、その時、
 「ダダーン」
 鉄砲の響きが、座敷の右手の回廊から聞こえて、鉄砲の海賊三人がたちまち倒れた。
 「えっ」
とばかり、六条の院が回廊を見た。
                (続く)


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: