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新しい地球をめざす移民船の中。窓はもう何年も雨の風景しか映さない。

そんなシノの為だけに存在している感情型人工物、フィー。
船の揺れが激しくなり、それとともにフィーの様子も・・・『雨の檻』含む7編収録。

菅浩江恐るべし!(笑)豪華で読みやすいSF短編集です。
以前読んだ  『アイ・アム Iam.』  もかなり良かったのですが、今作にはそれ以上にやられました。
『アイアム』の主人公と同じような人工生命体も多数登場。
『雨の檻』『カーマイン・レッド』に出てくるのは自動人形。


ここまでも十分読み応えがあったのだが、ここから3作が更に凄かった。

『そばかすのフィギュア』
自分が考えたキャラクター(アーダほか)が、フィギュアに採用された少女。そのキットは擬似神経をもち小さな人間のように話すことも出来る。アーダに託した思いが切なく・・・。

『カトレアの真実』
他の収録作品とは一風変わった作品。ミステリの要素もあり、面白かった。
快楽と死が隣り合わせの町で、ビョーキになりスリープラスまで症状が進んでしまった女。彼女に近づいていった頬にカトレアの刺青がある男。

 彼の表情に、彼の花に、彼の目に、ごまかされることなく、唇からこぼれる言葉さえ信じていれば・・・(P172)


そして私が一番気に入った『お夏、清十郎』!
時遡能力を持つ、日舞白扇流の家元・奈月。
廃れていた過去の楽曲や至芸を復活させるため、意識を過去へと。
奈月の苦悩、そして進むべき道、その先にあるものとは?


しかし、長い旅から帰ったとき・・・一人また一人といなくなっている。
自分だけが時をとめられて。世の中はどんどん進んでいく。
テストケースであった奈月は様々な障害に苦しむこととなる。
頭脳以外を氷付けにされ、踊れない舞踊家になっている現実。
それでも奈月を時遡に駆り立てるもの。


圧倒されてしまった。情景が目に浮かぶ。

闇の中を舞う一枚のもみじ葉。

黒と赤のコントラスト。美しい。と思った。
踊りのことはわからないが、伸ばした指先まで目にみえるようだった。


最後を飾るのは幻の?デビュー作『ブルー・フライト』。
読んでいて、何だか若いぞ!と思った(笑)
人生の浮沈みを未だ経験せず、希望と絶望が入り混じった状態。
進むべき道がわからずに苦悩し、選んだもの。
最後の結末がいかにもな感じではありますが、やはり光るモノがあります。
(めちゃくちゃ偉そうですが、笑)

この本は七生子さんに強力プッシュされ、順番を繰り上げて読みました。
結論・・・これは積んでいて良い本ではない!読まなきゃ!(笑)
とっても贅沢な充実した1冊でした。七生子さん、ありがとう~~!
他の菅さん作品も是非読まねば!

『雨の檻』 菅浩江 ハヤカワ文庫(1993年4月印刷、発行)





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最終更新日  2004年01月11日 18時54分46秒
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