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2007年04月04日

『マジシャン』松岡圭祐著

テーマ：ミステリはお好き？(1498)

カテゴリ：趣味

「目の前でカネが倍になる」。
参考人らが口を揃えてこう証言する奇妙な詐欺事件が多発。
事件を追う警視庁捜査二課の警部補・舛城徹の前に、マジシャンを志す一人の少女・沙希が現れる。
その少女が語ったカネが倍に増えるトリックとは？
警視庁に通報される金融関連詐欺の中には、奇術詐欺的なトリックを使ったものも少なくないという。
その驚くべき手口とは？
騙す、誤魔化す、まやかす、眩ます、嵌める、惑わす、誑かす―人をあざむくプロである「奇術師VS詐欺師」のとんでもない頭脳戦が展開。

・・・ということで、まあ、ドラマの『トリック』ですね。

でも『トリック』と大きく違うのはコメディーではなく、シリアスなものだということ。

沙希の心の動きがすごく丁寧に書かれています。

正直、今の子供達の精神年齢を考慮すると沙希は10～12歳くらいで、ちょうどいいと思うんだけどね。（小説では15歳の設定なんで）

途中から舛城が神永学氏の『心霊探偵八雲』の後藤刑事っぽくみえてしょうがなかったけど。→そこまで暴力的ではなく、まあ、勢いが、ってところだな。(笑)。

捜査二課だし、本当は頭脳派で肉体派じゃないんだと思うんだけどね。

マジシャンが日本では胡散臭く、怪しい自分人物だと貶められている、という背景が非常にうまく書かれていると思います。

多分、マジシャンって日本じゃ成功しないんだと思うわ。

松岡氏は私と同年代なんだけど、こうしてみると結構なストーリーテラーだな～。

プロットもストーリーも筆力も、なかなかいい感じよ。

エンター色が豊かで、情景描写も過不足ないし。

神永学氏同様、映像化を意識した文章なのかなあ？？？

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