お空のあいちゃん

お空のあいちゃん

大晦日



窓からはあの、最初に入院していた大学病院が 、見えました。 3週間前、 あそこから、私はこの病院を眺めていました。長い、長い、3週間でした。けして幸せとはいえない3週間でした。 ホントならいまごろ、ベビーベットを買って楽しく出産の準備をしているはずでした。

午後7時。雨が降ってきたよ、と言いながら、ルームメイトがお見舞いにきてくれました。 彼はあいちゃんが産まれた事を 、まだ知りませんでした。 おとといの夜から私達が帰って来ないので、心配して来てくれたようでした。

8時。主人があいちゃんの病院から帰ってきました。 あいちゃんの病院と私がいる病院は地下の廊下でつながっていると教えてくれました。 “あいちゃんは、だいじょうぶだよ。明日、いっしょに会いに行こうね。” と言う主人の言葉に、私はホッとしました。それから、主人はまたルームメートといっしょに夕飯を買いに出かけました。私は1人で、ニューヨークのカウントダウンを、TVでみていました。

9時。えみちゃんのパパとママがプレゼントをもって遊びにきてくれました。みんなで、ニューヨークのカウントダウンを見ていました。そのあと、えみちゃんのパパとママは、夕食を食べて帰ってきた主人といしょにあいちゃんの病院にいってしまって、私はまたしばらく1人になりました。

10時。3人ともあいちゃんの病院から戻ってきました。えみちゃんのママが“あいちゃんは足がとってもながかったよ”と教えてくれました。 えみちゃんのパパとママが帰るのといっしょに、主人もいったん家に戻る事にしました。“ 12時前までにはもどるから” といって、主人は出て行きました。

私はテレビをみながら、うとうとしていました。 疲れがどっとでてきたようでした。 私はすこに眠る事にしました。

私が目を覚ました時、もう新しい世紀が始まっていました。


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