田中およよNo2の「なんだかなー」日記

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2006年12月08日
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カテゴリ: ほどよく
ノルウェイの森

僕と彼は同じ会社で、同じ寮に住んでいた。
彼は社交的なタイプではなかったし、仕事を離れたところでの付き合いはなかった。

一度、とある駅で休日の夕方にあったが、声はかけなかった。
僕は女の子と待ち合わせていたのもある。
なにより、彼はものすごく急いで階段を上がっていた。
肩からは水筒と見間違えるほどの立派な望遠レンズのカメラを下げていた。

彼には寮で共通の郵便受けに彼宛の手紙や雑誌が届いてた。

雑誌は「はたらくくるま」とか、「~バス」とかいう雑誌で、僕はそんな雑誌が世の中にあるなどということは知らなかった。


ベネトンの店よりも色彩が豊かで、あまりに派手だったからちょっとめくってみてしまった。
なんかのプレゼントが当たったのかなって思った。
「すごいです!歴史的変化です。福山の○○系統のバスの時刻表が20年ぶりに更新されました。ノンステップバスが導入されるからです!!」との一文があった。

つまり会社の同僚が集まって彼の部屋でお酒を飲んだ。
酔った彼は寝転んでしまった。
何しろ、自分の部屋なのだ。
部屋を眺めさせていただいた。
時刻表や、バスの写真集なんかがイッパイあった。
MDをかけてみたら、「次は○○停留所、眼鏡のヤマモトにはこちらで下車下さい」と延々と続いていた。
バスの中の音を総て録音していたのだ。
その路線バスの経路は我々が住んでいる寮からはかなり遠かった。



冗談で僕は男友達とか、女性の会社の女性の同僚にこう言ったことがある。
「一度、廊下を通りかかって、バスの音を録音したMDを聞きながら、彼もあえいでいたのを聞いたことがあるだ。なんかね、彼は時刻表でマスターベーションするんだって」
男友達はやりかねないって顔をしていた。
女性の同僚は、髪に指を入れて、首を振った。
おかげで、髪の毛がカシャカシャ乱れていた。

僕は冗談だよって笑いった。
「冗談になってない。笑い事ちゃうよ!およよって、なんでそんな普通のコトがわからへんの?あんたも普通ちゃうからな」って僕は叱られてしまった。

この冗談は僕がノルウェイの森を読んで思いついたのだけど、やっぱり、現実とお話は違うのだなって思わされた。
まあ、当たり前なんだけど(苦笑)。

「僕の部屋に遊びに来た人間はみんなその運河の写真を見て「なんだ、これ?」と言った。「突撃隊はこれを観ながらマスターベーションをするんだよ」と僕は言った。冗談のつもりで言ったのだが、みんなあっさりとそれを信じてしまった」
講談社文庫 上巻 28-29頁 )
「そんな突撃隊の話をすると 直子 はいつも笑った」
講談社文庫 上巻 53頁 )

この突撃隊は主人公のワタナベの寮の同室の男性である。
洋服を選ぶのが面倒で、いつも学生服で背が高く、おかげで坊主なものだから、ナチスの突撃隊みたいだから、そう言われている。
政治には無関心で、単に地図が好きで、その職業につくため地図の勉強をしている目的もしっかりしている真面目な学生である。
見方によっては、だけど。
「彼が関心を抱くのは海岸線の変化とか新しい鉄道トンネルの完成とか、そういった種類の出来事に限られていた」( 講談社文庫 上巻 31頁 )
一つ、彼には話し方に特徴があってどもってしまうのだ。

突撃隊が登場するシーンはラジオ体操なんかもとっても面白い。
僕は笑って、噴出してしまうこともあった。

突撃隊は主人公に夏休み前に蛍をプレゼントして、帰省する。
でも、帰ってこない。
理由はまったくわからないままである。
寮長が明かさないからだ。

さて。
この小説での突撃隊の役割っていうのは、小説と主人公のワタナベを落ち着かせる役割があるんじゃないかって思う。
突撃隊がいなければ、「ノルウェイの森」の始まりはものすごく、書きにくいんじゃないかって思える。
突撃隊がいるから、ワタナベの孤独も深まると同時に、直子との会話の接点にもなっているし、60年代を描きながら、過剰な政治的風土っていうものを廃することができている。
何より、小説序盤の暗い空気の息抜きの役割をしてくれている。

また、突撃隊は「ノルウェイの森」のもととなった、短編「蛍」( 新潮文庫「螢・納屋を焼く・その他の短編」 に収録)にも登場してくる。
「蛍」と「ノルウェイの森」の序盤は描写の長短はあれ、内容は同じである。
その部分は突撃隊の登場から、いなくなるまでである。
また、突撃隊がいなくなってから、 ミドリ 永沢さん が登場する。

ノルウェイの森が、それとして動き始めるのはミドリと永沢さんが登場してからだ。
突撃隊はその前座で土台をセッセと作っている役割をになっているとも言える。

さて、その突撃隊を誰が演じるかってことを、やっと、考える。
結構、難しかった。
華がある俳優さんよりも、個性派で演技派な俳優さんがいいんだろうけど、そういう人ってどうしても年上の人が多いのだ。
キャリアあっての演技派なのだから、仕方ないのだろうけど。
うん、八嶋智人さんとかは、学生はきついかなって。

思い切って、お笑いのレギュラーの松本さんなんかを持ってきてもいいのかもしれないけど、逆に滑ってしまいそうな予感がする。
お笑いのリズムと、ドラマのリズムってやっぱり、違うような気がするのだ。

ちょっと、年上だけど山本太郎さん、なんか、どうかな。
ああいう顔の大学生っていそうだよね。
学生服がミョーに似合いそうだし。

もう一人、ない知恵を絞って出したのが、新井浩文さん。
「ジョゼと虎と魚たち」 で、ジョゼと孤児院が一緒になって、息子呼ばわりされている人。
やや、コワモテかもしれないけど、どもって台詞を喋ったら、そのギャップで笑わすことができるかもしれないし、彼は凄く器用でなんでも出来てしまう役者さんのような気がする。

と、いうことで、今回は早速、結論。

本命・山本太郎さん
対抗・新井浩文さん
穴・レギュラーの松本さん
大穴・僕の知り合い

えー、最後は本当に、本当に大穴です(苦笑)。

なんか、他にいい感じの俳優さん。
いないでしょうか??

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最終更新日  2006年12月09日 16時01分20秒
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