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経験不足のボランティアばかりが乗船するシー・シェパードの船の航行は本当に危ない。
最近2,3 年、環境保護団体グリーンピースに代わり、シー・シェパードの反捕鯨運動がメディアを賑わしている。身体を張って調査捕鯨船に突入しようとする彼らは、なぜ南極海という場所で危険を顧みずに行動するのか――本書は、国際的な視点からシー・シェパードの裏側をルポするものである。
本書によると、シー・シェパードのリーダーである ポール・ワトソン
は、元々はグリンピースで活動しており、方針の違いから仲違いしたという。
シー・シェパードが有名になったのは、オーストラリアのドキュメンタリー番組『Whale Wars(クジラ戦争)』に出演してからだ。「オーストラリアでは、ホェールウォッチングは一大産業」(223 ページ)になっているため、クジラの回遊数に関心をもつ人が多いのだという。
シー・シェパードは高額寄付者の名前を船の名称にしており、「自分の名前がついた船が、南極海で捕鯨船退治に使われることに魅力を抱く富豪は他にもいるかもしれない」(218 ページ)という。
こうしてメディアとマネーのバックアップを受けたシー・シェパードは、危険を顧みないボランティアを 1 年契約で募り、南極海で暴れているというのだ。
日本の関係者は「経験不足のボランティアばかりが乗船するシー・シェパードの船の航行は本当に危ない。南極海は大荒れの天候に襲われることがあり、素人の船乗りが行く海域ではない。厄介なのは、妨害中にたとえば、クルーが海に落ちたりして、シー・シェパードが救難信号を出した場合、シーマンシップにのっとり、救助に向かわなくてはいけないことだ」(44 ページ)と嘆く。
■メーカーサイト⇒ 佐々木正明=著/産經新聞出版/2010年06月発行 シー・シェパードの正体
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