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もしかしたら地球の気候は、太陽の周囲に広がる惑星間空間中に存在する太陽起源の磁場の変動によりコントロールされているかもしれないのである。
地球温暖化が叫ばれ、原因は人類の排出する二酸化炭素であることが自明とされている。しかし、それは「本当」だろうか。
半世紀にわたって太陽物理学を研究してきた著者は、現在、太陽の活動は非常に弱くなっており、地球寒冷化が起きると提唱する。
著者は、二酸化炭素より水蒸気による温暖化効果の方が大きいと指摘する。
「炭酸ガスも、水蒸気と同様に温暖化物質であるので、このガスが大気中に蓄積したら、当然地球の温暖化が起こる。ただ、そもそも私たちが生きられる気象状態が維持されているのは、主に水蒸気による“温暖化”のおかげである事実を忘れてはならない」(127 ページ)。
これは説得力がある。
さらに、太陽放射が弱まる傾向にはないという。
著者が唱える仮説は、「太陽の周囲に広がる惑星間空間中に存在する太陽起源の磁場の変動によりコントロールされているかもしれない」(103 ページ)というものである。つまり、太陽磁場が弱まると、地球に突入する宇宙線が増え、それが雲の粒となり、地表に届くはずの太陽光を反射してしまうというものだ。
太陽磁場が弱まっていることは、太陽の自転を調べることで分かるという。
「二酸化炭素による地球温暖化」は、昨今、金融ビジネスの臭いがしてたまらない。
こういう純粋な物理学者による著作には、かえって説得力が感じられる。
■メーカーサイト⇒ 桜井邦朋=著/祥伝社/2010年10月発行 眠りにつく太陽
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