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2012.01.30
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カテゴリ: 書籍


ドラゴンフライエフェクト


ドラゴンフライエフェクト


 社会利益とお金儲けは両立しないという誤った思い込みのせいで、多くの人が苦労している。そんな誤った考えはもう捨てよう。(209ページ)

著者・編者 ジェニファー・アーカー=著
出版情報 翔泳社
出版年月 2011年08月発行

チーム・サミール、オバマの大統領選挙、アレックス・レモネードスタンド基金といった豊富な成功事例を引き合いに出し、ーシャルネットワークの背後で人々を動かしているものは何かと考えたとき、ドラゴンフライ効果が生まれているという。著者は、心理学やマーケティング分野の専門家ジェニファー・アーカーと、テクノロジー分野のマーケティング専門家アンディ・スミスの夫婦。

ドラゴンフライ効果とは、トンボ(ドラゴンフライ)のように 4 つの羽根が強調して羽ばたくことで、自由に空を舞い、どこまでも飛んで行けるという意味を持たせた言葉だ。4 つの羽根を、焦点、注目、魅了、行動という 4 つの要素に対応させており、以降の章で 4 つの内容を具体的に、実例を見せながら解説する。また、Facebook や Twitter の使い方についても触れられている。
それぞれの要素に対し次のようにデザイン原則という概念を使って整理されており、じつに読みやすい。

1.焦点
 (1)人間的
 (2)実行可能
 (3)検証可能
 (4)明確
 (5)幸福
2.注目
 (1)私的さ
 (2)意外性
 (3)視覚
 (4)感覚
3.魅了
 (1)ストーリーを語る
 (2)共感する
 (3)信頼を得る
 (4)適切なメディアを使う
4.行動
 (1)簡単に
 (2)楽しく
 (3)相手に合わせる
 (4)オープンに

ドラゴンフライ効果は、個人の SNS を活性化させることやマーケティングビジネスを成功させる効果を発揮することもできるが、真なる目的は「社会利益と営利活動が結び」(209 ページ)つけることにあるという。ジェニファーさんは、「社会利益とお金儲けは両立しないという誤った思い込みのせいで、多くの人が苦労している。そんな誤った考えはもう捨てよう。利潤を得ることと、社会に貢献することとは、同じ座標軸の両極にあるのではない。それらは別々の次元にあるものであり、共存できるもの、共存すべきもの、同時に追求されるべきものだ」と主張する。

医療や教育といった、今までビジネスと相容れないと考えられてきた分野に SNS を導入し、ドラゴンフライ効果を適用することで、ビジネスとして持続可能な社会貢献活動ができるかもしれないと感じた。最近読んだ『 新 IT 医療革命 』で、孫正義ソフトバンク社長が、まさにこの分野に進出すると豪語していたが、その際には是非ドラゴンフライ効果を応用してもらいたい。










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最終更新日  2012.01.30 15:44:03
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