お食事編・前編


ジェリーはパート勤めをしていたので、私が家のことを全てする事になった。

夫以外は私に食費を預けた。まるで前から決まってたかのように・・・

そしてボロ家のローンは次男は結婚資金を貯める為、ジェリーも何故かそ知らぬ顔をして、長男一人で払う事となった・・

毎月13万のローン・・・。よくもったもんだ!!いまの私ではもうあんなやりくりは出来ないだろう。時は私を怠慢にした。とほほ・・。

しかしこの食事だけでも随分もめた。嫁vs姑とは調理法ひとつでもどうしてあんなにもめるんだろう。

私は先に一週間分の献立を決めてから、特売日に必要な物だけ買ってくるというやり方をした。

野菜の使いまわしも考えて例えばかぼちゃ一つ買うと、半分煮物、四分の一天ぷら、残りは味噌汁と計画した。

献立も冷蔵庫の扉に手作りカレンダーを貼って給食のように一週間分書き込んで、その献立表を家族に見せて、確認もとった。

そして夕食いらない日はバツを書いてな~と訴えた。次男はちゃんと答えてくれた。

しか~し!!!! ジェリーには通じなかった!!

「今日は晩御飯、食べてきたわ!」と帰ってきてから平気で言った。何度もである。「電話ぐらいしてな~おかあさん」と言う私に

「働いてるもんは、そないに簡単に電話もでけへんわ!」と答えた。

カッチ~ン!!!!

(何?誰にものゆうとんねん!?私は夫に養って貰ってるだけやで!あんたは自分の食費を私に預けてるだけやろ!?上等やんけ!)

私「ほなこうしましょか?私が働きに出るぅ、おかあさん仕事辞めて家のこと全部するぅ。パート勤めくらい私、出来ますよ~。いつでも。

  今までしてきましたも~ん。ほんでおかあさんに食費だけ預けたらぁ、立場変わるだけのことですや~ん。どない?」

と言った。今振り返ればえらい意地悪な言い方だ。関西弁もこういう時はキツイ。でも真実そう言った。間違いなし!

すると料理が死ぬほど苦手なジェリーは「いや・・・そないトムちゃん(本名やったけど)に苦労かける訳にはいかへんし・・

ええよ・・私が働くから・・」と答えた。

そしてそれ以来、自分が働いているという事をひけらかしはしなかった。あっぱれなり★


冷蔵庫だけは綺麗にしていた、私。買ってきた時点で袋から出して、全部透明のジプロックに入れ替える。こうしておけばいちいち開けてみないでも

何が入っているか解るし美しい★根菜類やきゅうりは立てて、潰れ易いトマトやレタスは上段に乗せていた。常備菜なんかもタッパに入れて

「ひじき、きんぴら○月○日」と製造日のラベルを貼っていた。こうすれば賞味期限も見当がつく。

あ~それなのにジェリーは「安かったからこうてきたったで~」と夫そっくりの口調で(苦笑)食材を買ってくる。料理もしないのに・・。

スーパーの袋に入ったままで、野菜室に ブヮサ!! と放り込む。あんなのは収納とは呼べない!

いや~~~!!やめて~~!!熟したトマトがつぶれる~!!計画も崩れる~!!

開けて見ると、黄色くなったブロッコリーや、もう何枚もはがされて小さくなった茶色系のレタス、しなびた茄子や、若干濁った水に浸かった豆腐

などが入っていた。

(そらぁ、安いわ~。見切り品やもん・・。数日で生ゴミや。どうすんのん、今日の料理はもう出来上がってるのに・・。明日も明後日も

 決めているのに・・!)

人は誰でも、どんな間柄であろうとも、自分の計画を邪魔する者がキライになるという。確かにそうだった。目の上のタンコブ・・。

それでも最初は、その食材を必死で使っていた。放っといてもやらなかったから、見かねて・・。臭いし・・・。

近所の会社に行っていたジェリーは昼食も帰ってきていたので←!!!! 見切り品のオンパレードにしてやった。しなびた茄子は氷水につけて

生き返らせてから焼き茄子やら煮びたしやら、レタスもソーセージと一緒にバターで炒めて塩、胡椒したり、黄色のブロッコリーはボロボロ

こぼれて調理しにくい事もこの時初めて知った。

「これは全部、おかあさんが買ってきはった食材ですよ」と言ったら「遠慮せんでもええ!!せいだい使こたらええんや!」と答えた。

皮肉も通用しないしぃ・・・あろうことか茄子を食べながら「天ぷらにしようとおもたんや!」と言った。

牛蒡を煮物にしたら「きんぴらにしようとおもたんや!」と・・。

決して「してくれたんやな~ありがとう♪」なんて言わなかった。そして気まぐれな買い物も止めてくれなかった。

任せるなら全部任せて欲しかった。私は気まぐれに手を出して、人の計画を乱し、なおかつ責任も背負わず、人に尻拭いさせる人間が一番嫌いだ。

家族会議になった。議題「ジェリーの買い物について」

長男「俺の妻を女中やとおもとるんか~!?嫁とちゃうぞ~!俺の妻やぞ~!よう平気でおれるな~ババァ!!!」

次男「やっぱりおかんが悪いわ~。姉ちゃんようやってくれてるやん。おかんと二人のときは晩メシなんてなかったけど、今は絶対にあるから

  俺は嬉しいで~。おかんも買い物するんやったらそれ自分で作ったらええやん。土日休みやし、女やねんから・・」

私が黙っていても言いたい事は長男も次男も言ってくれた。

実は全員サークルの元友達である。仲も良かったし、借金の負い目も兄弟にはあったのかもしれない・・・。

しかし味方のいなくなったジェリーは追い詰められたのか、こう言った。

「そんなん毎日毎日、三食、トムちゃんの作ったもん食べさせられて!私かて食べたいもん、食べたい時に、食べたいだけ、食べたいわ!!!」

と・・・・・。一応献立リクエストには答えていたがそう言った。

ぬぁ~に~ぃ~~???ぶっち~~~~ん!!!!!

(食べさせられてってか~!?上等じゃ!上等すぎじゃ!正面きってようゆうたのぅ!よっしゃ!ほんなら自由にしたるで~!なんぼでもなぁ!)

後編に続く・・・。








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