Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2013/07/05
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カテゴリ: カクテルブック
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 英スコットランド生まれのハリー・マッケルホーン(Harry MacElhone 1890~1958)は、知る人ぞ知る、世界で一番有名な街場のバー、パリの「ハリーズ・ニューヨーク・バー」の創業者です。

 そして、彼が1919年に著した、世界初の体系的なカクテルブック「Harry's ABC Of Mixing Cocktails」は、ジェリー・トーマス(Jerry Thomas)の「How To Mix Drinks or Bon-Vivant’s Companion」(1862年刊)やハリー・クラドック(Harry Craddock)の「The Savoy Cocktail Book」(1930年刊)とともに、カクテルブックの三大古典的名著とも言われ、プロのバーテンダーにとってはマスト・アイテムとなっています。s-IMG_3854.jpg

 マッケルホーンのカクテルブックは、20世紀初頭のカクテルのことを知るうえで、重要な基礎資料の一つですが、初版本は出版部数があまり多くなかったのか、古書市場に出てくることは極めてまれです(サヴォイ・カクテルブックは初版本が時折古書市場に出てくるのと対照的です)。

 現在この「Harry's ABC Of …」が古書市場に出てきたら、その稀少価値が故にかなりの高値がつくでしょう。復刻版も残念ながら、現在まで出版されていないために、初版本の詳細な内容は一部のコレクターしか知り得るすべがありませんでした( 写真左 =「ABC Of …」の本文の表紙頁。左側頁の写真でポーズをとっているのが著者のHarry MacElhone)。

 現在でも市販されている「Harry’s ABC…」は1986年に、息子のアンドリューと孫のダンカンが編集した復刻改訂版がベースとなっており、うらんかんろ持っているのもこちらの方です。復刻改訂版には369種類のカクテルが収録されていて、ハリー・マッケルホーンの簡単な伝記も付いています。

 しかし、この復刻改訂版は、戦前最後の改訂となった1939年版がベースになっていることに加えて、アンドリューらによって、1980年代までに生まれた比較的新しいカクテルが、かなり追加収録されています。s-IMG_3815.jpg

 せっかく「古典的名著」と言われているのに、収録カクテルのうち、どれが(初版時に収録された)1910年代の欧州で登場していたカクテルなのか判然としないことが、古い時代のカクテルのことを調べている僕にとっては大きな不満でした( 写真右 =本文中には、このような広告がたくさん掲載されています)。

 これまでは、同じハリー・マッケルホーンが1927年に著したもう一冊のカクテルブック「Barflies and Cocktails 300 recipes」(こちらは初版の忠実な復刻版が出ています)の内容から、「Harry’s ABC…」の初版の中身を類推するしかありませんでした。

 この「Harry’s ABC…」初版本の詳しい中身が分かれば、有名なカクテルの誕生の時期について、これまで「**年代に生まれたらしい」とか「いつ頃生まれたかはっきりとは分からない」とか伝えられてきたものについて、誕生の時期がかなり絞り込めます(少なくとも1910年代に欧州に登場していたかどうかが分かります)。

 私は「せめてコピーでいいので、初版本の中身を知りたーい」とずっーと、願い続けて、古書市場もずっと探し続けてきました。すると今回、突然、吉報が舞い降りてきました! 神戸の懇意なバーテンダーで、古い時代のカクテルについてとても造詣の深いMさんが、「**さん、やりましたよー! ついに古書オークションで手に入れましたよー!」と興奮して連絡してきてくれたのです。 <次回へ続く> >




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うらんかんろ

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汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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