ピカルディの三度。～T.H.の音楽日誌/映画日誌（米国発）

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Sep 23, 2007

映画：ニューシネマパラダイス Nuovo Cinema Paradiso（1988年イタリア）

テーマ：おすすめ映画(4071)

カテゴリ：映画、テレビ

「映画盛衰」

　我が家の近くには、前世紀初頭に建てられた独特の建築様式の映画館があります。シャンデリアも立派。町民の憩いの場にもなってて、上映開始よりちょっと早めに足を運ぶと、近況報告し合ってる赤ら顔の人々の笑顔が見受けられます。
　しかも上映前にオルガンの生演奏がつくこともあり、往年のスタンダードの名曲をおばちゃんが15分ぐらい弾いてくれます。

　でもやっぱり経営は苦しいみたい。先日も「寄付金のお願い」がうちの郵便受けに入ってました。もしかしたらこの映画館もつぶれてしまう日が来るかもしれません……。

　ふと、表題のイタリア映画のことを思い出しました。戦後のシチリア、とある映画館をめぐる人間模様を描いた傑作。

　僕は、この映画は音楽（モリコーネの）から入ったのですが、改めて観直してみると、筋も役者も卓越してます。なにより村人たち（エキストラ）の顔がいい。

　印象的な場面は、故郷を捨てた主人公が帰郷するところ。ちょっと自分の人生と重ねてしまったりもして。

　シチリアは都市部にだけは行ったことはありますが、映画の雰囲気とは全然違いました……。もっと田舎のほうもいつか旅してみたいような、いや、映画の印象のままに美化しておきたいような、そんな不思議な思い入れのある映画です。

*****

　余談ですが、昔NHKで「世界わが心の旅」というドキュメンタリー番組がありました。今も放映してるのでしょうか。
　帰郷ものではありませんでしたが、なんとなくコンセプトがこの映画に似ており？、気に入ってた番組です。
　そして、やはりテーマ音楽が良かった。確かピカルディーの三度で終止する名曲だったよーな（笑）。

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