旅行のハナシ



中国のハナシ
常にお金の無いわたしは、そのときもやっぱり貧乏だった。
しかし、ビバ中国! 
かの国は貧乏人に優しい。
・・・むろん、ぬるま湯日本から遊びに来る程度の貧乏レベルでのことなので、そのへんおまちがえなく。真の貧乏人にはきっとキビシイだろう。
そんなふうに貧乏なわたしは約2週間の滞在中、もっぱら道端の屋台のお世話になっていた。ちなみにわたしがいたのは上海の田舎町。復旦大学の近所。学生街なので都会よりずっと物価も低かった。
そこで、昼ゴハンはいつも屋台のお弁当だった。白米のご飯にオカズをセルフサービスでのっけて、オカズの種類と数と量で値段が決まる方式。食い意地のはったわたしは米が隠れて見えなくなるほどのっけたものだ・・・(遠い目)
それでもお値段は驚きの低価格。日本円で150円くらいだったと思う。日本で同じモノを注文したら1500円はとられるだろう内容と量だった。
凡例)白米200グラム。青菜の油いため。テニスボールサイズの肉団子。
   煮卵。中国野菜(詳細不明)の煮浸し。
これはお得。ちょっとくらい衛生は?だったとしても、味もやや濃い味でおいしかったし。(要するに労働者の弁当ってことだ)わたしは満足していた。
ただ、中国人朋友はそんなわたしに眉をひそめて見せたものだった。
彼女は近所の大学生で、日本語がペラペラのいわゆるエリートだった。(中国で大学生はかなりエリート。日本のバカ学生よりずっと賢いしお育ちもいい)
彼女は言った。「そうゆう食べ物はあなたがた日本人は食べないほうがいいと思います。安いけれど不衛生なので、わたしは食べません」もちろん日本語である。わたしにわかる中国語はニーハオくらいだ。
非常に親切な忠告を、愚かな日本人は笑顔で無視した。煮卵がお腹に嵐を巻き起こすとは、まったく予想だにしていなかった。
・・・じつに、愚かだったといわねばなるまい。
あんのじょう、おこるべくしてそれはおこったのだ。
しばらくトイレの住人になったが、見栄っ張りな日本人は優しい朋友にそのことは告げず、静かにセレクトメニューから卵関係をはずしたのであった。
が、のどもと過ぎれば熱さを忘れるのたとえどおり、反省したのもつかの間、生焼けの羊肉の焼き串と出会い、震撼することになるのはそのわずか2日後の夕べであった・・・   









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