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2009/08/12
カテゴリ： 小説の本棚
明治、大正の東北の山村を舞台に、山の神を崇拝し、
ひたすら熊を追い続ける マタギ と呼ばれた男たちの物語。
マタギの魅力に取り憑かれた富治だったが、
ある事件がきっかけで村を追われることになる ...
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
舞台は秋田県・能代市から奥羽山脈に入った姉仁地方。
当初、東北地方に住む猟師全般のことを、
マタギと呼ぶものと誤解していた。
伝統（伝承）的な猟法にしたがって暮らす半農の猟師で、
姉仁を発祥とし、広く東北地方に点在していたようである。
主人公の富治は、マタギの家の次男坊に生まれるが、
好きなマタギを捨てて村を追われることになる。
身分の違いや時代の流れに翻弄されながらも、
現実に対峙し、己れの道を切り開いていく
富治の波瀾万丈の生き方に醍醐味があった。
クライマックスで富治は ｢山の神｣ に邂逅したのだろうか？
重厚で人間臭いストーリーは久々に大満足。
満足度はフルの ★★★
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