★ 「有元葉子の旅というレッスン」有元葉子(筑摩書房)(2004.7.1読了) |
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旅の上級者になれる本っていったらいいかな。ホテル選びのコツや上手な予約の入れ方、旅先に持っていく小物類などの上手な揃え方などなど。有元さん流の旅の楽しみ方がこの1冊にこめられています。レストランでの安心して食べるにはどうするか?とか情報収集の仕方や旅の衣装計画など読んでいて面白くて「へぇ~」とうなずくお話も幾つか。 |
★ 「anego」林真理子(小学館)(2004.7.3読了) |
東西商事に勤める33歳の独身OL・のだ奈央子がふとしたことで知り合った夫婦は心に深い闇を持っていた。読み進むうち明らかにされていく真実、次から次へと起こる事件。不倫、セックス、泥沼の恋。恋愛ホラーともいうべき衝撃長編。林真理子さんの小説は怖いくらいに女性というものを知り尽くしている。主人公が陥る恋愛の魔の部分の描写がとてもするどい。 最初は合コンを繰り返し、後輩からは慕われる姉御的存在なんだけど、ある沢木夫妻と知り合ったことからどんどん魔の部分へと落とされていく。絶対にしないと決めていた不倫、そして泥沼の展開。やっと光が射しかけたと思ったら・・・すごい顛末になっている。身から出たさびと言ってしまえばお終いだが、こんな波乱な人生は歩みたくないだろう。 |
★ 「星々の舟」村山由佳(文芸春秋)(2004.7.4読了) |
第129回直木賞受賞。禁断の恋に悩む兄妹、他人の男ばかり好きになる末っ子、居場所を探す団塊世代の長兄、そして父は戦争の傷痕を抱いて―愛とは、家族とはなにか。すごいと思う。もちろんそれまでも大作は書いてきた村山由佳先生だが、これほどまでに一人一人の人間を書き分け、しかも全てにつながりがある家族という設定。最後の章で父・重之が戦争体験を語るところはとても複雑で心が苦しくなる思いでした。家族といってもそれぞれ抱える問題は複雑でとても幸せとはいえない。兄・暁に思いを寄せる沙恵、それは超えてはならない禁断の恋愛だし、明るく努める末子の美希だって不倫に苦しんでいる。長兄の貢は団塊の世代。しかも職場の女の子と関係がある。それぞれが知られてはならない秘密を心に持ち、葛藤している。もちろん、小説の中で描かれている恋愛はせつなく、特に兄妹の禁断の恋は絶賛です。 |
★ 「孤独か、それに等しいもの」大崎善生(角川書店)(2004.7.5読了) |
5編の短編集。それぞれに何か切ないものを感じる小説でした。そして孤独。どれもが孤独という言葉と戦っているような気がした。 「八月の傾斜」 中学から高校まで一緒だった大久保君。かれは自転車ごとダンプカーにひかれて死んでしまった。その亡霊にとりつかれたように八月になると精神状態が不安定になる。彼が残していった苦しいほどの喪失感。27歳にしてピアスをあけたことでやっと決心できたのかもしれない。もちろん、今、祐子を愛してくれている早津のプロポーズを。 「だらだらとこの坂道を下っていこう」 24歳で由里子と結婚した僕は、30歳で子どもが出来、頂点に向かって山を登っていると思っていた。しかし、人事異動で移った部署にはなじめず酒をあおる日々。急性アルコール性肝炎になり、禁酒を余儀なくされる。それから大学時代の恩師、仲人でもある人が急逝した。妻と二人で恩師が余生を過ごしたモナコへ行く。その道中で久し振りにじっくり見る妻の顔、こみあげてくる愛しさ。やっとゆっくり坂道をくだっていこうと思えた。人生には休みが必要だと思う。どんどん突き進んでいく力も必要だが、ある年齢に達するとそれは息切れしてしまうように思える。 「孤独か、それに等しいもの」 双子として生まれた姉妹。しかし、妹の茜はバイクの事故で死んでしまった。妹のことを思い続ける私。これもまた死んだ人への喪失感が強いように思う。 「シンパシー」 これは少し不思議な話だった。二十数年前、大学の読書サークルのメンバーときた伊豆。そこへ行くまでに僕は仔犬を拾う。その仔犬は生後まだ間もなかったため、民宿に泊まって4日目に死んでしまう。その合宿でのある日、同じ仲間がサービスエリアのゴミ箱から拳銃を拾ってきた。そしてロシアンルーレットをすることになる。もちろん弾は抜いてある。死ぬ心配はないが、とても怖いと思う。同じ合宿に来ていた礼子はそのゲームの夜、僕の布団に入ってきて関係を持ってしまう。でも・・・合宿から帰ってきて4日目に父親の所有する猟銃で自殺してしまう。何故なんだろう?どうして死ななければならなかったんだろう?どうしてもその理由がわからなかった。 「ソウルケージ」 母は男と宿でダイナマイトを抱いたまま爆死してしまった。その痛みを抱える娘美緒。内容が壮絶だけにとても普通ではいられないだろうと同情してしまう。でもその痛みや苦しみを乗り越えていかなければ先には何も見えない。 |
★ 「潤一」井上荒野(マガジンハウス)(2004.7.5読了) |
9人の女性が潤一とどう関わったかを描く連作短編集。年齢はさまざまで14歳の少女がいるかと思えば62歳の夫を亡くした主婦など。関わったと言っても全員が恋愛・セックスと関係あるわけではない。この潤一という人間はつかみどころがない。誰とでも寝るし、すぐに目的もなくどこか遠くへ行ってしまう。彼女達は彼に少しの間かかわりそして見送るだけなのだ。読み進むうちに潤一という人間が段々わかってくるけど、ほんの一瞬をともにした彼女達から見れば「これは夢か?」と錯覚しても仕方がないかもしれい。 |
★ 「二人道成寺」近藤史恵(文芸春秋)(2004.7.7読了) |
不審な火事が原因で意識不明となった歌舞伎役者・岩井芙蓉の妻・美咲。その背後には芙蓉と中村国蔵の確執と、秘められた愛憎劇が―。「摂州合邦辻」に託された、ある思いとは?梨園の名探偵・今泉文吾シリーズ。女形として芸風も家柄も違う二人と美咲の恋心。三人の複雑な関係が歌舞伎の演目と例えられるなどの設定は面白いと思いました。事件の鍵は美咲が握っている。誰を思ってどうしたかったのか?ラストでの真相はそういうことか~とうなずいた。でも美咲が目覚めたら・・・どうなるのだろう?巻末に近藤さんのインタビューあり。 |
★ 「ラストシネマ」辻内智貴(光文社)(2004.7.9読了) |
昭和60年代、話の主人公・中西哲太は小学3年生。大人になった彼がその頃の「雄さん」との思い出を振り返る。「雄さん」は18歳で田舎を飛び出し映画俳優を目指していた。しかし、癌を患って故郷の病院で入院している。「雄さん」が昔、映画に一度だけ出たときのセリフ「いいじゃねえか、行かせてやれよ」この映画がどうしても見たくてどんな映画かわからないまま、少年の頃の私は探し続ける。そしてついに・・・その映画をつき止め・・・「雄さん」は自分のたった一言のセリフを見終えた後、静かに息を引き取る。ノスタルジックな背景と映画。「雄さん」のたった一言のセリフ。少年の頃の哲太の周りの人々。(哲太のお父さんが結構変わっているのだ!)どれもが懐かしいような感触で、じんわりと感動がこみあげてくる。この小説は「泣きながら一気に」読むものではないが、ラストまで短い距離を「がんばれ」と応援しながら、最後にほろっと一筋の涙が光る・・・といった感じだ。久し振りにじんわりと長時間、感動に浸り、そして昔の昭和の時代の映画が見たくなった。 「中村正太郎さんのこと」(小説宝石・03年8月号に掲載)も同時掲載。 こちらは中村正太郎さん(と言っても別に有名人ではない普通の人だが)のある日常のひとコマを淡々と描いたものです。 |
★ 「図書館の神様」瀬尾まいこ(マガジンハウス)(2004.7.11読了) |
清は高校時代をバレーボールに全てをかけていたが、ある不注意な言動から 山本さんは自殺した。(と周囲は思っている。)これを機にバレーボールからは離れ、住んでいた土地も離れる。そして大学卒業後、海辺の町の高校に国語講師として働くことになる。しかも文芸部の顧問にも。たった一人の部員・垣内くんとの出会いから成長していく清。弟の拓実や不倫相手のパティシエの浅見さんとの不思議な関係。しかし、元が体育会系なのだから手っ取り早く国語の講師になったとはいえ、本が好きとは限らない。清は今まで全く本というものに無縁だったらしいし。でも、この垣内くんにいろいろ影響されながら文学の世界を面白いと思えるようになるなんてすてきかも。どっちが先生だか?って感じだけど、こんな風に傷を癒して再生していけたらいいだろうな~弟の拓実との関係も姉弟にしてはいい感じだし。ただ、不倫相手の浅見さんは・・・やっぱり奥さんに赤ちゃんが出きると、動揺しちゃうのかな。まあ、不倫は肯定できないので。「さぶ」の話笑えたな~くくく(*^。^*)「ドラえもん」と比較するなよ。 |
★ 「冬のソナタ 完全版1」キム・ウニ/ユン・ウンギョン(作)根本理恵(訳)(ソニーマガジンズ・ヴィレッジブックス)(2004.7.11読了) |
ドラマのシナリオ本です。カットシーンも含む完全版。1は第1話から第5話まで。高校時代のチュンサン、ユジンたち。読めば読むほどドラマのシーンが蘇ります。やっぱり湖でのキスのシーンは胸キュンだね。事故死してから10年後。ポラリスで働くユジンは初雪の日にチュンサンそっくりな人を見ます。必死で追うユジン。ああ~なんてせつないの。ドラマに合わせて読んでいくと中々面白いね。 |
★ 「いつか、ふたりは二匹」西澤保彦(講談社・ミステリーランド)(2004.7.12読了) |
菅野智己小学六年生。四年生の時に母が再婚した頃、突然眠りにつくと猫の身体に乗り移れるという不思議な能力を持った。身体を借りている猫にジェニイと名づけ、セントバーナード犬のピーターと友達になる。智己のクラスメイトを含め三人の女の子が襲撃されるという事件が発生。それは昨年秋に町内で起きた女子児童誘拐未遂事件の犯人と同一人物の仕業のようだ。共通点は智己の義姉・久美子が被害者の家庭教師をしているということ。さて・・・ジェニイになった智己はピーターとともに事件を調べるが・・・ ミステリーランド!万歳!面白すぎる。猫と犬の物語。しかも猫に意識が乗り移っている。ポール・ギャリコの「ジェニイ」へのオマージュと西澤氏は述べているが、やっぱりそこは西澤氏。しっかりと西澤マジックにかかり、「いつもの西澤保彦」に仕上がっています。(これは巻末での本人談)最後の最後であっと驚き、そーだったのか~とうなずく。ジェニイになった智己は素晴らしい。5階からものすごいアクロバティックジャンプをしたり、思い切った行動をするが・・・最後は・・・やっぱり運命ですから。少々可哀想だったけどね。 |
★ 「パンダのポンポン」野中柊(作)長崎訓子(絵)(理論社)(2004.7.18読了) |
パンダのポンポンはレストランのコックさんで食いしん坊。
出てくる料理がとーっても美味しそうで。お腹がグーっとなってしまうのだ。 第一話「サンドイッチ・パレード」ではポンポンが猫のチビコちゃんの家で作ったサンドイッチを食べようと歩いているといつの間にかパレードのような行列が出来ていて、チビコちゃんの家についたらみんなにサンドイッチを食べられちゃった!!っていうお話。 第二話「空飛ぶオムライス」これは文字通り空飛ぶオムライスだけど、このオムライスがまた美味しそうなのだ。この材料どおりに作ったらきっとポンポンの特上オムライスができるかな。 第三話「紅白ふわふわケーキ」チビコちゃんのお誕生会をやろうと準備して待っていたら。実はポンポンの誕生日だったっていうお話。 |
★ 「エンリケ・バリオス アミの世界」エンリケ・バリオス(著) 徳間書店アミプロジェクト(編) さいとうひろみ(訳)(徳間書店)(2004.7.18読了) |
世界的ベストセラー『アミ小さな宇宙人』の作者へ直撃インタビュー、さくらももこさんとの往復書簡、世界中のアミファンの声、風刺小説など、アミのファンブックです。アミの本がどのように作られたか、そしてエンリケさんのことがわかる本です。 |
★ 「黄金蝶ひとり」太田忠司(講談社・ミステリーランド)(2004.7.18読了) |
五年生の夏休み、洸は物心がついてから一度も会っていない祖父・白木義明の住む茶木村で過ごすことになった。アサギマダラという蝶が群れとび、鍾乳洞があり、豊かな自然が残る村には、山を守る“テツ”がいるという。「茶木牧場&白木万能学研究所」なる看板をかかげた祖父は、あらゆることの先生として、村民から尊敬されていた。だが、なにか皆に秘密にしていることがありそうだ。村にかくされているという宝と関係があるのか…。ある日とつぜん祖父が姿を消した。茶木村を観光地化しようと前村長の不良息子が会社社長となって戻ってきたのと、関係があるのだろうか。もう~また楽しい思いをしました。大体、目次からしてやられてたーって感じだし。子どもの頃の夏休みのあのドキドキ感がそのまま1冊になったような感じ。ミステリーというよりも冒険色が強くてこれは子どもが読んでも楽しいだろうな~第3回配本。 |
★ 「だからキッチンが好きなんだ」土器典美(講談社)(2004.7.19読了) |
キッチンが4つもあるという。すごい!でもキッチンにこだわりを持つというのはいささか贅沢かも。食という楽しみをここからはじめるためにもやっぱりこだわりたいかもね。他にもジャンクフードの話では土器さんは「ピーナツクリームロール」が無性に食べたくなる時が年に3回くらいくると言っていたが、私は実は日清焼きそばUFOが無性に食べたくなる時が年1回くらいある。あれは焼きそばというよりもとってもジャンクな食べ物の代表格だと思う。パン作り(クロワッサン)の話や冷蔵庫への白へのこだわり、ご飯の話も面白かった。 |
★ 「鬼神伝 鬼の巻」高田崇史(講談社・ミステリーランド)(2004.7.19読了) |
第3回配本。 京都の中学に転校してきて三ヵ月、天童純に友だちはいない。純の胸には生まれた時から赤紫色のふしぎな形をしたあざがあった。ある日、いじめっ子に追いかけられるうち、純は東山の麓ふかくに建つ古びた寺に迷い込み、密教僧・源雲によって時空を超え平安の都に飛ばされてしまう。胸に勾玉の形をしたあざがある純こそ封印された龍・オロチを解きはなち、鬼を退治するべく選ばれた者だという。桃太郎、一寸法師…。彼らはなぜ鬼を退治するのか。鬼とはいったい何者なのか。QEDシリーズで挫折した私。だって難しいんだもん。でもこれは伝奇ものとはいえ、幾分読みやすくなっている。そりゃあ、子ども向けに書いているのだから当たり前だけど。何となく鬼の持つイメージが変わったのは私だけか?しかし、続編が出ている。神の巻。これを早く借りて読まねば・・・ |
★ 「川の名前」川端裕人(早川書房)(2004.7.21読了) |
菊野脩(キク)、亀丸拓哉(ゴム丸)、河邑浩童(河童)の、小学五年生三人は、自分達が住む地域を流れる川を、夏休みの自由研究の課題に選んだ。 そこにはそれまで三人が知らなかった数々の驚くべき発見が隠されていたのだ。少年たちの川をめぐる夏の冒険がはじまった。多くは書けないが、ペンギン小説でもある。上の三人がある日発見したもの。それはペンギンだった。しかし、事態は段々ややこしくなるのだ。自由研究にと観察を続けていくうちに孵化することを知る。この三人に加え、同級生や周りの人も巻き込んでいくし、当然、友情も芽生えたりして、最後は立派な「カワガキ隊」になるのだ。で、騒動と言えば、このペンギンがマスコミに知れ、以前の「タマちゃん騒動」のようになってしまう。ラストのカヌーで川を下るシーンはもう圧巻としかいいようがない。これはまさにアドベンチャー。ちなみにカワガキとは、川を愛して止まない餓鬼、子どものこと。これは是非、夏休みの課題図書にしてほしいくらいである。 |
★ 「Friends」 安達千夏ほか(著)(祥伝社)(2004.7.22読了) |
友だち以上、恋人未満の男女関係のせつなさを9人の注目作家が描く、「LOVERS」に続く恋愛アンソロジー第2弾。 「ザーサイの思い出」江國香織 イギリスの中華料理屋でザーサイ大盛り。何だか面白い思い出話。 「青い空のダイブ」谷村志穂 男女のグループ旅行。ハワイで。好きだった幼馴染に続いてスカイダイビング。思い切ったね。 「KISS」島村洋子 昔、いじめられっこだった同級生の女の子がグラドルに。写真集の発売記念サイン会に友達に促されて行く。覚えてないのかな?素っ気無い彼女。でも後日のTVで。ちゃんと覚えててくれたじゃないの。しかも好きだったんだって。これからどうなるのかな? 「迷い蝶」下川香苗 悠さんと私はただの同居人。でも実は悠さんは・・・これは中々よいお話でした。 「恋する、ふたり」前川麻子 母の新しい恋人。出会い系で知り合った。不思議な三人の関係。 「鳥籠の戸は開いています」安達千夏 ごめんなさい。内容忘れちゃったよ。 「恋愛小説を私に」倉本由布 中学の同窓生との飲み会の席。史紀と出会う。7つも年下。淡い恋心。 「chocolate」横森理香 甘~いチョコレートが食べたくなったよ。 「彼女の躓き」唯川恵 付き合っていた彼。このまま結婚はしたくない。だって彼は少々暴力的。友達に引き合わせ、乗り換えさせた。そして私は友達の彼と。でもお互いに・・・ちょっと怖い女の心の底。これだけ何だか雰囲気が違う話だったな。 友達以上恋人未満ってどんな感じだろうか?もしそれが好きな人だったら切なくはないだろうか?でもあいまいな関係が逆に都合よいこともあったりして。 |
★ 「悪意」 東野圭吾(講談社ノベルス)(2004.7.28読了) |
人気作家・日高邦彦が仕事場で絞殺された。第一発見者はその妻・理恵と昔からの友人の野々口修。逮捕された犯人が決して語らない動機にはたして「悪意」は存在するのか。加賀恭一郎が刑事になる前のこととの絡みもあり、「いじめ」がキーワードだったりとかなりの難題です。超一流のフー&ホワイダニットによってミステリの本質を深く掘り下げた作品でもある。 人は動機があれば殺しをするのか?そのことばかりに気を取られていると 思わぬ落とし穴があるかも。 |
★ 「モンテロッソのピンクの壁」江國香織(作)荒井良二(絵)(集英社文庫)(2004.7.28読了) |
モンテロッソへいかなくちゃ!猫のハスカップのはるかなる旅の物語。いつも夢に見てたピンクの壁。そこへ行かなくちゃと立ち上がった猫。出会いと別れ、困難、勇敢な旅立ち!荒井さんの描くピンクがとってもきれいなんですよ。文庫絵本とはいえ、手を抜いてませんね。これは一生の宝物です。最後に金原ひとみさんの巻末エッセイ?あり。その名も「血まみれのモンテロッソ」この文は金原さんらしいのか?小説を読んだことがないのでわからないが。 |
★ 「わたしの布のほん」伊藤まさこ(集英社)(2004.7.29読了) |
布にまつわる64のおはなし。布っていろんな柄や生地があるんだな~見てるだけで楽しくなる。ジャムのびんにはこの布カバーとかじゃがいもはワッフル地の布で包むとか伊藤さんの最近のお気に入りはすみれ色とか・・・ |
★ 「暮らしのラブレター」王由由(文)安東紀夫(写真)(東京書籍)(2004.7.31読了) |
エピローグに「愛する人、いとしい人、大切な人に、”大好きです””いつでもおもっています””ありがとう”等々、そんな気持ちをしるした手紙は、みんなラブレターではないでしょうか?」とあります。ラブレターというと「愛の告白」、とてもドキドキして何度も何度も書き直して結局出せずじまい、って感じですが、もっと気楽にかしこまらずに手紙に記せたらきっとすてきですね。安東さんの写真もすてきで、うっとりしてしまいます。 表題どおり、由由さんの大好きな人へのラブレターから暮らしの参考になる事柄まで、とても素敵な本です。王由由さんは・・・生活雑貨のお店「トゥワイス」の経営者。著書もたくさんあります。 |
★ 「鬼神伝 神の巻」高田崇史(講談社・ミステリーランド)(2004.7.31読了) |
現代に戻った天童純が、今まで自分の身に起こったことが全部夢だったのではないかと疑い始めたころ、純は六道珍皇寺に現れた小野篁によって平安時代に呼び戻され、再び鬼神たちとともに貴族との戦いに加わることになった。一方貴族は、鬼神たちを封じ込めるために三種の神器を揃えようと、 最後の一つ、純の持つ剣を血まなこになって探していた。とてつもない破壊力を持つ「弥勒」を招致しようとする貴族たちとの激しい戦いの中、純は今まで一緒に戦ってきた仲間を失う。素戔嗚尊の血を引く純が、命よりも大切なものがあると気づいたとき…。「鬼の巻」の続編ですね。今回は一回り成長した天堂純が見ものですね。でもやっぱりこれはミステリーではないのかな?面白いけどね。あとがきは「中学生のころ」の著者の話。時代がわかるな~という内容でした。 |