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2005年の読了本(1月)

2005年の読了本

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*1月*
「砂浜」佐藤雅彦(紀伊国屋書店)(2005.1.4読了)
「だんご3兄弟」や「バザールでゴザール」などのCMを手がけた著者が物語を書いた。背景は美しい砂浜に透き通るような海、そしてその漁村に住む子どもたち。彼らの成長と美しい風景が調和して描かれている。何となくノスタルジックで、時間が止まったような空間。ふと夢でも見ているかのような絵が浮かんでくる物語でありました。
「ちいさいぶつぞう おおきいぶつぞう」はな(東京書籍)(2005.1.4読了)
モデルのはなさんの趣味は仏像鑑賞。寺院ごとの仏像の解説・・・イラストも可愛いし、写真もある。でも普通の真面目な感じの解説書とは少し違う。はなさんの思い入れが強いのだ。そしてたくさんの仏像たちへの熱い恋心を綴っているようにも思える。仏像に恋するなんて・・・と思うかもしれないが、芸能人などに恋するのと同じ感じがする。ただ、その相手が仏像だっただけで・・・仏像のことを何も知らなくてもこれを読めば「へ~そうだったのか」って基本的なことは一応わかる。つまり軽く入門するにはちょうどいい本なのかもしれない。
「結論は、サイアク!!」上原さくら(メディアファクトリー)(2005.1.5読了)
表紙が可愛いんですよ。大好きな漫画家の矢沢あい先生が描いたので。実はこの表紙および中のイラストだけで読みたかった・・・いや手に取りたかった本なんです。まあ、早い話が中身はどうでもよかったと。所詮芸能人の書いたたわごと・・・と思ってました。(かなりヒドイですね。ごめんなさい。)でも面白かったです。さくらさんって可憐でか弱そうでピンクにフリフリで何だかお姫様みたい!って思っていたんです。個人的には結構こういう人好きだったりするんだけど、彼女のエピソードが面白い。旦那さんもとても優しそうでいい人そうだし。共感したのはゲコの話。とってもわかるな~とうなずきました。私もお酒、飲めないので。彼女は結構な本好きさんらしく、しかも影響されやすいのかな?文章も中々、面白おかしくて、読みやすくてよいです。もしパート2が出たならまた読みたいと思います。
「文学賞 メッタ斬り!」大森望 豊崎由美(PARCO出版)(2005.1.5読了)
芥川賞・直木賞から、ホラー小説大賞、メフィスト賞まで徹底討論。 へ~ほ~ふむふむ。うんうん。あはは!こんな感じでしょうか。感想なんて書けませんよ。大体文学賞受賞作を全部読んでいるわけではないし、賞自体知らなかったりして。でもこれはとても親切なのでよ~くわかります。巻末に点数で斬ってあるのでとてもありがたや~しかし、偏屈物の私。点数の低い本ほど読んで、へ~やっぱりと言ってみたいのである。
「綺譚集」津原泰水(集英社)(2005.1.6読了)
やっと読めた。一体何週間借りていたのだろう?内容は、何といったらいいのだろう?また迷う。幻想的で、耽美と言ったらいいのだろうか?15編の短編が収められているが、とにかく美しい。死という題材をこれほどまでにグロでエロで美しく描けるのだろうか?疑問符ばかりだが、今までに遭遇したことのない世界だったのでいささか戸惑っている。ジャンル的にはホラーだと思うが、怪奇小説という言葉が当てはまるような。どれがよかったというよりもどれもがよかったというべきか。上手く感想がかけないのが難点だが、私的に新しい世界の扉を開けたようなそんな気がする作品でした。
「純愛中毒」 ピョン ウォンミ/ソン ミノ/クァク ジェヨン(著)入間 真(訳)(徳間書店)(2005.1.6読了)
愛しい人を守るために兄の魂が弟に宿った。イ・ビョンホンが主演の映画「純愛中毒」のノベライズ。 実はまだ映画は見ていない。内容は、両親を早くに失ったファン・ホジン、テジン兄弟は、ホジンが大恋愛のすえに恋人ハン・ウンスと結婚してからも、一つ屋根の下で仲睦まじく暮らしていた。ところがある日、カーレーサーのテジンがレース中に、ホジンはそのレース会場に急ぐ途中で、同時刻に事故に遭遇。共に昏睡状態に陥ってしまう。そして一年後、テジンは奇跡的に意識を取り戻すが、その肉体は兄ホジンの魂を宿していた。というなんとも不思議な話である。映像ではどうなんだろう?小説の中では細かい心情がよく出ていると思う。はかなくもせつない恋愛小説という感じか?映画を見て初めていろんな場面が繋がる気がする。
「空色 水曜日」谷村志穂(角川書店北海道)(2005.1.12読了)
朝日新聞北海道版に連載されていたものを中心に構成された北海道のあれこれについてのエッセイ。札幌とその周辺のガイドブック的役割も果たす著書。2本の書き下ろし短編も収録。ちょうどこの頃、「海猫」を執筆していたとみられ、それに関する発言もちらほら。これが「海猫」の舞台なんだ~とちょっとだけ小説の裏側をみれた感じで楽しく読めました。もちろん、美味しいもののマップも巻末に収録。札幌へ行く機会があればここであれを食べてみたい!な~んてチェックできますよ。しかし、谷村さんって小説に「ジャスト」のコメンテーターに講演会にと大忙しですね。しかも一児の母でもありますしね。今度は小説読みたいです。
「村田エフェンディ滞土録」梨木香歩(角川書店)(2005.1.18読了)
百年前の日本人留学生村田君の土耳古(トルコ)滞在記。あの「家守綺譚」に出てくる綿貫の友人・村田ですよ。彼が主人公のこの小説。異国での友情が美しい。ギリシャ人のディミトリス、ドイツ人のオットー、下働きのトルコ人のムハンマド、そして下宿屋敷の女主人のディクソン夫人。彼らの交流も淡々と描かれているものの、素晴らしい交友ですよ。村田が帰国してからの話は戦争に巻き込まれていく人々の姿が悲しく描かれていたけど、最後のオウムの一言がいいね。感動しました。このオウムが全てを見ていたんだね。はじめは淡々としすぎていてどこが面白いのだろうか?と疑問に思えてくるほどだったけど、後半は一気読み。そうか、こういうことだったんだ・・・って。深く納得した私。この感想を読んでいる人には何のことかさっぱりわからないかもしれないが、一言でこうだ!って言えないんだよね。これは読んでみるといいよ!と私は勧めるね。でもまず「家守綺譚」を読んでからの方がいいね。
「天国はまだ遠く」瀬尾まいこ(2005.1.19読了)
自殺願望を胸に抱き、たどり着いた先は山奥の民宿。睡眠薬を飲み、ここで終わりにするはずだった千鶴は何故か目覚めてすっきりする。あ~失敗したのね。でもこれで終わらないのが瀬尾さんのいいところ。田村という民宿の主と関わるうちに段々心も体も再生していくんだね。田舎の何もない景色や人の暖かみも癒しの一つかもしれないけど。自分で何もかも抱え込むと息ができなくなっちゃう。だから死を選択するんだね。でもその先には何があるの?千鶴はこの民宿へ来てのいろんな体験でそういうことを全部乗り越えちゃったような気がする。きっとまた都会へ帰っていったときに試練があるかもしれないけど、ここで暮らした日々は決して無駄ではなくて生きる材料になったと思うよ。この本は結構ストレートにいろんな思いを書いていて気持ちよかったな。
「百万の手」畠中恵(東京創元社)(2005.1.20読了)
音村夏貴は時々過呼吸の発作に見舞われる中学生。親友正哉の家が火事になり、彼が焼死。両親を助けようと夏貴の目の前で燃えさかる火のなかに飛び込んでいったのだ。放火か?そして不思議なことが起こる。夏貴の耳に親友の声が聞こえてきた。彼の遺した携帯から。画面には死んだはずの彼の顔が。不審火の真相を調べていくうちに・・・これは小説の世界に入り込んで読んでしまったね。根底には親子愛みたいなのがテーマであるんだろうけど。義父の東(元ホスト)との関係や息子を溺愛しすぎる母親の関係など。 はじめは親友の言葉どおり、事件の真相を探っていくんだけど、いつの間にか自分自身が狙われるようになって。何故なんだろう?って思っていたらすごい真相が待ち受けていて。何だかすごい話だな~っていうのが正直な感想。しかも医療現場(特に産婦人科系)の裏側みたいなのがいろいろわかってというか現実にはないと思うけど、妙に生々しかったりして、ちょっと恐怖だったな。畠中さんの作品は初なんだけど、また他の作品も読んでみたいな。
「冬のソナタ 特別編2」「冬のソナタの人々」特別編集委員会(編)ユンユンドウ(訳)(晩聲社)(2005.1.20読了)
韓国のファン「冬のソナタの人々」によって綴られたイ・ミニョン&ペ・ヨンジュンのへの熱い思い。そしてドラマの中で失明の危機とユジンへの失意のうちにアメリカへ渡ったミニョンの心の葛藤から運命的なユジンとの再会までを描く。何とタロットカードもついています。そうジョンア姉さんが占ったあのタロットカード。この本は第二弾ということで、もちろん第一弾もあるわけで。韓国のソナチアン(っていうのかな?)の熱い思いがこめられた一冊ですね。「冬ソナ」を堪能したい人には嬉しいかも。
「とおくはなれてそばにいて 村上龍恋愛短編選集」村上龍(KKベストセラーズ)(2005.1.20読了)
「ひとりで過ごす夜におくるビター&スウィーツな恋愛小説セレクション」とあるが・・・あまりにもビターすぎる。村上龍さんのことですから、甘く切ないお決まりの恋愛小説ではなく、どちらかというと、危険で裏過ぎる恋愛小説なんですよね。この短編集のほとんどが、恋愛=SEXでできていて、しかも言葉にはかけない裏っぽいんだよね。そういうのが好きな人にはいいが、最近求められている「純愛」を好きな人には全く合わない本だね。
「高野優のおひさまランドセル」高野優(講談社)(2005.1.27読了)
いわずと知れた育児エッセイ&マンガでおなじみの高野優さん。実は今まで、パラパラと立ち読みの拾い読みで済ませてきてしまった彼女の本。今まで申し訳ないことをしてきた・・・と深く反省。同じ子を持つ親として共感する部分多し、しかも面白い。小学生になったリンちゃん、マイペースのナギちゃん、そして末っ子のシオちゃん。どんどん成長するさまが手に取るようにわかる。子どもって早いのだ。あっという間に大きくなる。しかも発想が豊かで大人では考えつかないことを次々と生み出す。育児は楽しいことばかりではない。辛いことも悲しいこともおこるけど、高野さんのエッセイを読んで少しだけ笑ってみるのもいいかもしれない。
 「ぱんぷくりん 亀の巻」宮部みゆき(文)黒鉄ヒロシ(絵)(PHP研究所)(2005.1.27読了)
「ふるさとに帰った竜」「怒りんぼうのだるま」「金平糖と流れ星」の3話収録。これが宮部ワールドかはわからないが、絵本を書いたという意外性は面白いかも。個人的には自分の顔に不満がある「怒りんぼうのだるま」の話がよかったな。もちろん、黒鉄さんの絵も昔話絵風でいい感じ。
 「ぱんぷくりん 鶴の巻」宮部みゆき(文)黒鉄ヒロシ(絵)(PHP研究所)(2005.1.27読了)
「宝船のテンプク」「招き猫の肩こり」「鳥居の引越し」の3話収録。縁起物が出てきて、民話みたいで、何だか楽しい話。大人も子どもも一緒に楽しめそうだ。「招き猫の肩こり」が個人的には面白かった。そうか~招き猫って・・・肩こってたんだね。ずっと腕上げっぱなしだもんね。思わす、くすっと笑ってしまったよ。
「gift」古川日出男(集英社)(2005.1.31読了)
短編集いや掌編集と言った方がいいかな。一つずつはかなり短い。でも中身はすごい。これだけのみじかさでこんなにもいろいろ語れるなんて。でも続きがありそうでない。何だか予告編を見ているような気分。これからが始まりなのに~。一番最初の「ラブ1からラブ3」の妖精の足跡・・・なんかはとってもキュンとさせるところが個人的は好きだな。

mitu n



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