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2005年の読了本(5月)

2005年の読了本

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*5月*
「冬のソナタ 下」キム・ウニ/ユン・ウンギョン(作)宮本尚寛(訳)(NHK出版)(2005.5.2読了)
下巻はどこだ~と探していたのですが、めでたく発掘しました。ま、ドラマも見たし、シナリオ文庫も読んだし、別に読まなくてもいいんですけどね。一応、上巻読んで下巻読まないっていうのはね。何だか気持ち悪いので。切ない恋ですな。改めて読むと。下巻にどんでんどんでんがたくさんあって楽しかった(?)ですわ。
「モノ語り一題二話」大田垣晴子(大和書房)(2005.5.3読了)
モノについてのあれこれエッセイ。イラストつき。人それぞれモノに対する愛着はあるわけで。何でこんなもん?っていうようなものから便利ツールまであれこれ。そんなモノに対するお話が面白い。大田垣さんもハロ持ってるのね。うちもよ。(ふふふ。たっちゃんのモノだけど。)あれって結構うるさい!?から今は電池が抜いてある。一緒ね。大田垣さんちと。
「ほうかご探偵隊」倉知淳(講談社:ミステリーランド)(2005.5.5読了)
僕、藤原高時のクラスで連続消失事件が発生。僕は四番目の被害者に。なくなったのはもう授業でも使わないたて笛の一部。棟方くんの絵、ニワトリ、巨大な招き猫型募金箱、そしてたて笛が一日おきに姿を消すという奇妙な事件が五年三組にだけ起こっている。この不可思議な事件を江戸川乱歩好きの龍之介くんと一緒に調べるうちに・・・そこにニワトリ惨殺目撃証言が!町内で起きた宝石泥棒との関連は?龍之介くんの名推理がすべてを明らかにする。 「解決編」が結構長いのだが面白い。思いっきりやられそうになった私。でも待てよ・・・ちょっと・・・そうそう、簡単には終わらなかった。やっぱりミステリーランドのシリーズはわかりやすくて面白い。ま。子ども向けだから当然かもしれないが、装丁も唐沢なをきさんの画でとっても可愛くていいんだな~♪
「BG、あるいは死せるカイニス」石持浅海(東京創元社)(2005.5.9読了)
天文部の合宿の夜、学校で殺害された姉の優子。男性化候補の筆頭で、優等生の姉は誰かにレイプされかけたような状態で発見されたが、男が女をレイプするなんて、この世界では滅多にないことだ。そして謎の言葉「BG」とは何なのか?それから事件は連続殺人へ発展する。今度も同じ学校、天文部の宮下さんが殺された。全人類生まれたときはすべて女性、のちに一部が男性に転換するという不思議な世界。これって所謂SFミステリってやつになるんだろうか?ありえな~い世界での殺人事件だけど妙にリアルさがある。そして最後まで気を抜けないっていうか、最後までネタが割れないので最後の最後にほ~っとうなずいてしまった。こういう仕掛けってありなんだね。あまり書くとネタバレしてしまいそうで書けない。
「La‐bas,papillon アーティストの庭から My favorite garden & interior in Paris」chiharu(講談社)(2005.5.14読了)
インテリア、ガーデニングをテーマにパリのアーティストをちはるさん自ら取材。とにかくお庭がとってもすてきなんです。庭っていうよりもプライベートな森って感じで。一件無造作に生えているように見えて、全体をみるととってもアーティスティックな感じな庭に見える。ここまでは無理だけど、挑戦できそうなジャンクガーデン造りも紹介されてて参考になりますね。インテリアもすてきだけど、自分で作り上げていくっていうのが楽しいし、味わい深いものになるんだろうな~
「ブラフマンの埋葬」小川洋子(講談社)(2005.5.15読了)
夏のはじめのある日のブラフマンと僕との出会いから別れまで。森に住んでいる野生動物のブラフマンは傷ついていたところを僕に助けられた。実にあっけなく終わってしまう話なんだけど。タイトルどおりの話なんだけど。どこかせつなくて、しかもブラフマンっていうのがネコでもなく何だろう?謎の小動物であって・・・とにかく想像力をかきたてられる話なんですよ。しかも僕とブラフマンは日ごとに信頼をましていき、言葉はなくても心で理解できている。素晴らしい関係なんですよね。なのに・・・最後、あっけなく・・・これは雑貨屋の娘の存在が関係しているのか?そんなに深くはないだろうけど、きっと僕の喪失感は大きかったと思うな。ブラフマンに愛着を感じはじめていたのに・・・娘に車の運転を教えたばかりに・・・それ言わんこっちゃない!って感じであっけなくご臨終。最後がタイトルどおりだったとはいえ、えっ?もう終わり。もう少し読みたい気分だったな。
「生まれる森」島本理生(講談社)(2005.5.15読了)
大学生の私は高校の頃、妊娠し、堕胎したことがある。しかし、そのことよりもサイトウさんへの思いの方が大きく、忘れられない。そんな私の夏休み、同級生の加世の留守のかわりに期間限定でその部屋を借りる。そして高校の時の同級生キクちゃんとの再会。キクちゃんの家族とキャンプに行ったことからキクちゃんの兄、雪生や弟の夏生との付き合いが始まる。恋愛以前と言ったほうがいいのであろうか?雪生とはいい関係なんだけど。サイトウさんとはもう終わった関係だし、堕胎の相手ではないけどどうしても引きずっている。終わった恋を忘れるのは苦しいかもしれない。でも読んでいるうちに何度も「だめだよ。野田ちゃん」とつぶやいている自分がいた。もっと強くならなくちゃ。まだ若いんだから。前に進もうよ。少しずつでいいからさ。きっと著者の島本さんも若いから等身大の女の子の微妙な気持ちなんだろうな~
「ちーちゃんは悠久の向こう」日日日(新風舎文庫)(2005.5.16読了)
「ちーちゃんこと歌島千草は僕の家のとなりに住んでいる幽霊好きの幼馴染。そんなちーちゃんに振り回されながらも、「僕」の平穏な日常はいつまでも続くはずだった。高校生になりちーちゃんはオカルト研究会に入部、そして学校の七不思議を調べ始めるが。幽霊が見たかったちーちゃん。そんなちーちゃんの生活は次第に壊れはじめ・・・ジュブナイル・ホラーっていうのか。ふ~ん。しかも日日日ってふざけたネーム(あきらって読むのだそうだ。)だとおもったら現役高校生とな。ほ~。新風舎文庫大賞受賞。他にもいくつか受賞されているそうで。天才高校生作家なのだそうだ。すごいね~でも・・・作品的には乙一っぽいものを感じる。ちょっと変わったちーちゃんといい、語り部の僕といい、中々のものだね。私的には面白く読めたよ。最後はあっけない終わり方だったけど、ま、これからの作品に期待ということで。
「青柳啓子さんのようこそ!ナチュラルダイニング」青柳啓子(主婦と生活社)(2005.5.17読了)
お料理にワイヤークラフトに季節を感じる自然なダイニング。やっぱりすてきですね。こういう暮らし方できたら楽しいだろうな~私の好きなページはエプロンのところ。青柳さんはちくちくと手縫いで作ってしまうんですね。私もハギレやお気に入りの布で作ってみようかな~箸置きのページも既製の陶器とかのやつじゃなくてグリーンや貝殻や野菜まで自分で作ってしまうんですよね。こういうセンスは是非まねしたいもの。ワイヤークラフトは憧れてやってみたんだけど、失敗してしまって。私にはそういうセンスはないんだな~とあきらめました。なのでこちらのページはただ眺めるだけ。青柳啓子さんの本は他にも何冊か出ているけど、図書館にはコレしか見当たらなかったので。今度はハンドメイドの本を探して借りたいな。
「Q&A」恩田陸(幻冬舎)(2005.5.21読了)
都内郊外の大型商業施設において重大死傷事故発生。死者69名、負傷者116名。未だ事故原因を特定できず。質問と答えで物語が進行する。謎が謎を呼ぶ。ひとことで言うと「怖い」。休日の大型スーパーMで普通に買い物をする人々に何が起こったのか?それぞれの証言から浮かびあがってくるそのときの状況。まるでうめき声が聞こえるかのように。原因が特定できないだけにもし、現実にこういうパニックが起こったら?と考えるととても恐怖感が増します。でも恐怖感だけでなく、Q&Aによって微妙な違和感もあり、これが恩田作品の持ち味だな~と思い知らされる。実はホラーだったのかと。で、読後の後味が悪い。人間が全く信じられなくなりますね。ま、読めばわかるんだけど、人間って体裁をまず考えるでしょ。質疑応答を繰り返していくうちに心の闇というか本音の部分が見えてきてとっても嫌な気分になる。これが狙いだったのかもしれないが。小説としてはこういう試みは面白いと思ったよ。
「ドリームタイム」田口ランディ(文芸春秋)(2005.5.22読了)
エッセイのようなフィクションのような13の短編集。夢と現実のはざ間っていうんでしょうかね。何となくほろ酔い気分のような。個人的には「シェルター」あたりが面白いと思いました。ちょっとしたゲームなんですけどね。内容は長くなるので書きませんが、あと多重人格者の「闇のなかの女」とか「読書」なんていうのは日常的な感じがして今までの神聖な感じがするランディさんの話とは少し違う傾向で面白かったと思います。それでもやっぱりというか、ランディさんらしい話もありまして、「繭のシールド」の風水師フーチバさんの話などは心が透明になってしまう気分というか、なんともいえない不思議な感覚が蘇ってくるような・・・上手くいえないけど。命とか神とか実際に目に見えないものをものすごく感じてしまうんですよ。いつもなんだけど、ランディさんの本を読むと心身ともに浄化されてしまう気がする。
「刀」辻仁成(新潮社)(2005.5.23読了)
『幼い頃から魂に棲み着いた一本の刀が、私を脅かす。すべてを書け、お前のすべてを、と。東京の郊外に生まれた少年が、ロックへ、映画へ、文学へと飛翔するまで。二度の離婚と三度の結婚を経て、女優ナナとパリに漂着するまで。そして真実の愛、運命と出逢うまで。』主人公のトオルは刀の精・ヒカルとともに成長してきた。分身ともいえるヒカル。ヒカルの言葉が全てトオルの人生に影響を与えている。世間の好奇心の目で見ると辻氏の自伝的私小説と言えるこの作品は、主人公氏家透を=辻氏、後に妻となるナナ=みぽりんの最終的恋愛案内のように思えるがそうではない。何も彼の女性遍歴を坦々と述べた作品ではなくて、人生において模索し続ける彼の旅路を描いているように私は思うのです。トオルはとても弱い人間だったと思う。彼にもっと思い切りがあったら別の人生が待っていただろうに。でもそんな弱き人間だからこそ、失敗し、挫折を繰り返して今があると思う。ナナとの出会いは彼の人生に花を持たせた。それまでの仮面をかぶった人生から脱皮し、自然な流れに身をまかせられるようになったんだと思います。私はこの作品が読みたかった。決して好奇の目からではなくて、自分に共感する部分があったから。この場では自分については言わないけれど、少なくとも同じように感じ、同じ思いをしたことは読了できてよかったと思う。正に「やっと会えたね。」

mitu n



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