★ 「ハーニャの庭で」どいかや(偕成社)(2007.5.7読了) |
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ハーニャが住んでいる小さな家の小さな庭。この庭の四季を通じていろんな生き物がやってきます。とってもきれいな色鉛筆の世界。猫のハーニャと自然を通しての物語はとても温かく、癒されます。 |
★ 「カッパでもどうにかやっている」アランジアロンゾ(角川書店)(2007.5.8読了) |
東京、カッパ、ひとり暮らし。なにをするのも「ひとり」。さびしいけれど、そんなに悪くないよ。かっぱえびせんのCMにも出たことがあるんだってね。へぇ~カッパくんてなんか哀愁漂うんだよね。 |
★ 「きつねのはなし」森見登美彦(新潮社)(2007.5.9読了) |
はじめての森見作品。いやぁ~うれしかったです。期待を裏切らない面白い作品で。これが森見的京都かぁ~京都の骨董店「芳蓮堂」いいっすね~味があります。現代版「百物語」っぽくて、薄気味悪いっていうか、ホラーなのか?奇妙っていうか・・・なんともいえないんですよ。何でこんなに上手いんでしょ?個人的に久しぶりのヒット作です。全く感想になっていないけど、最近、妙に人気で図書館でも行列なのがわかります。他のも読んでみたい。どんなワールドが広がるんでしょうか~期待大です。 |
★ 「おもいでごはん」飛田和緒(監修)(薫風社)(2007.5.9読了) |
亀和田武の「スコッチ・エッグ」、クリス智子の「グランマのちらし寿司」、後藤田正純の「麻婆豆腐」…。34のエッセイとお料理。家族や料理に対する思い出。誰もが心に持っているあのあったかい思い出。エッセイもステキですが、それぞれの料理も素朴でいいな。 |
★ 「四季の食卓」飛田和緒(幻冬舎)(2007.5.9読了) |
『信濃毎日新聞』連載をまとめて単行本化。 長野の自然と季節の食材の素晴らしさ。飛田さんちのごはんレシピはどれも作ってみたい逸品です。 |
★ 「うりずん」吉田修一(文)左内正史(写真)(光文社)(2007.5.10読了) |
小説と写真のコラボレーション。テニス、野球、サッカー、相撲にダンス・・・スポーツのある風景をテーマに小説と写真が上手く溶け込んでいる。 人生における苦い経験や思い出がとても共感でき、しかも巻頭を飾る写真と重なって残像となって目に残る。こういうコラボって何だかいいな。 |
★ 「はじめての文学 村上春樹」村上春樹(文芸春秋)(2007.5.10読了) |
「はじめて」シリーズ3冊目は村上春樹さん。これが一番読みたかった。 どんな作品が入っているのだろう?ワクワクしながら読み始めた。期待を裏切らないラインナップ。そして巻末のメッセージ。作品それぞれに思い入れを書いているのは春樹さん。あなたが初めてです。私の好きな「カンガルー日和」や「かえるくん」も入れてくれてありがとう。余談だが、文春のサイトに行くと、このシリーズの刊行予定や収録作品の一部題名が見れることを知った。 今後の刊行予定者も素晴らしい顔ぶれでこれは毎回読むしかない!とあらためて思った。 |
★ 「虹色天気雨」大島真寿美(小学館)(2007.5.11読了) |
突然の幼馴染・奈津の夫の憲吾の失踪。市子は奈津から一人娘の美月を預かる。一体何があったのか?市子の元恋人も登場したりして何だか意外な展開になってきたぞ~友達っていいなって思わせる一冊かも。これに登場する奈津以外のまりや三宅ちゃんなどの仲間はとってもいい人たちばかり。こういういい人たちに囲まれていると幸せだろうな~どんな問題が起きても一緒になって考えてくれる・・・ような。現実はそうはいかないんだけど、昔からの友達・・・私も大事にしなきゃ。 |
★ 「ドラママチ」角田光代(文芸春秋)(2007.5.11読了) |
タイトルに使われている「マチ」とは中央線沿線の町と変化を「待つ」という二つの意味があるらしい。へぇ~。こういう小さなこだわりって好きかも。 8つの物語からなり、それぞれの女性が何を待っているか、何をもとめているかが描かれている。妊娠や恋愛、プロポーズ・・・いつもドラマのような一瞬を待ちながら生きていると言ってもいいかもしれない。でもこの短編にはキラキラした人生を皆が待っているわけではない。どちらかというと陰湿な感じも多々あったりして、人生ってそんなに簡単に幸せにはなれないぞ!って戒めているような感じもうける。小説だから現実の人と違う素晴らしい人生が描かれていても不思議ではないが、そういうことを書かないところが角田さんの魅力かもしれない。 |
★ 「ももこの21世紀日記 N’06」さくらももこ(幻冬舎)(2007.5.13読了) |
さくらももこ携帯サイトに掲載された「ももこの近況」の2005年11月~2006年10月をまとめ書籍化。 相変わらず面白い。読みながら笑ってしまうのはさくらもももこさんのエッセイの他にはないね。すぐに読み終われるのでコミック感覚でかる~く手に取るとよいでしょう。 そして大いに笑ってください。 |
★ 「おんぶにだっこ」さくらももこ(小学館)(2007.5.21読了) |
テーマは「幼年期」。さくらももこさんが過した幼年期とは・・・悩みや不安ばかりだった幼年期だとももこさんは語る。いつもの腹を抱えて笑えるエッセイとは少し違うけれど、感動したり、同調したり、せつなくなったりとこんな一面もちゃんとあったんだなとますますももこさんが好きになった一冊です。 |
★ 「このベッドのうえ」野中柊(集英社)(2007.5.24読了) |
8編からなる恋愛小説短編集。1作ごとに季節はめぐり、情景はうつり、何でもないような日常から少しだけめまいにもにた非日常がいったりきたりと交錯する。恋愛モノというとものすごい修羅場があったり、不倫があったり、官能的であったりとどうも自分たちがいる現実とはかけ離れている話が多い気がする。そんな非日常な毎日を繰り返している人なんて少ししかいないんじゃないかな。どの作品もアルコールをみんな口にする。酔いということが私には全くわからないが、人は酔ったときに今ここにおかれている現実ではなく、夢のような逃避した世界に入りこんでしまうんだろうな~と読んでいて思った。 料理のシーンが多くてそれがとても美味しそうなにおいがしてきそうでいやぁ~おなかがすいて・・・まいった。天蓋つきのベッド・・・似合う部屋なんて中々ないんじゃないかな・・・でも「マリーゴールド」の73歳のおばあちゃんはかわいらしいなと思った。少女のようなおばあちゃんって少し憧れるかも。 |
★ 「強運の持ち主」瀬尾まいこ(文芸春秋)(2007.5.25読了) |
主人公のルイーズ吉田(吉田幸子)は占い師。ショッピングセンターの片隅で占いをし、意外にも人気があったりする。人の悩みをきき、自分の直感で背中を押してあげる。当たっているのか、はずれているのか、仕事と割り切って占いをしているあたりはすごい。彼女には公務員の彼がいる。この彼・通彦がルイーズにとっての強運・・・らしい。しかも通彦はとんでもない創作料理を作る。こんなものをこの料理に入れるのか?という妙な料理。彼と同棲してもドカーンと一発強運はやってこない。結末が見えるという大学生の武田君が現れてから何となくルイーズにも変化が。そして、竹子さんというアシスタントを雇い・・・3編の連作短編の中でルイーズは少しずつ変化していく。この少しずつの成長が面白い。 |