QBスニーク

クロール

『正常値』

○クロール[mEq/l]:98~110


【クロール】

 クロールは,細胞外液(血漿)の陰イオンの大部分を占めている.細胞内液には存在しない.
 クロールの異常自体では特に症状をみないが,ナトリウムやカリウムなど他の電解質と相まって,水分,浸透圧,酸塩基の調節をしている.クロールは,ナトリウムとほぼ比例して変動するが,他方,同じ陰イオンである重炭酸イオン濃度に逆比例し,陽イオンとの平衡を保つ役割がある.


【クロールの上昇(高クロール血症)をみる要因】

 ①脱水症(ナトリウムの上昇を伴う)
 ②腎不全および尿細管障害
 ③呼吸性アルカローシス(過換気症候群)
などである.


【クロールの低下(低クロール血症)をみる要因】

 ①脱水症(下痢・嘔吐による喪失)
 ②薬剤性(利尿剤,副腎皮質ステロイド,漢方薬服用中)
 ③慢性閉塞性肺疾患(肺気腫,慢性気管支炎など)=呼吸性アシドーシス
などである.
[2002.12.14更新]
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