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2004.12.11
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カテゴリ: わくわく児童文学
たつみや章の大河ファンタジーの最初の2巻を読んだ。

○ストーリー
はるか昔の日本のどこかで,月を敬うアテルイの民と太陽神の子孫だと自称するヒミカの民,2つの文化が出会っていた。不幸な争いを始めてしまった2つの文化の間で,2人の少年だけが少しずつ互いを理解しようとするのだが・・・

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ずーっと読みたかった「月神シリーズ」を読み始めた。全体的な設定は名作「火の鳥〈黎明編〉」に近い。作者もはっきりと書いているが,”野人”と呼ばれている縄文文化のムラの人々と,稲作を始めた弥生文化のクニの人々の出会い・争い・理解を描いている。

もっとも「火の鳥」以上にファンタジーな部分があって,様々なカムイ(神)が姿を見せ,主人公たちを助けたりする。主人公の少年2人もカムイの血が濃く現れていて,他人には聞こえない声や見えないしるしに気付く。ここら辺はギリギリのバランス・・・あまり主人公たちが神仙の力に頼るようだとがっかりするし・・・

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縄文と弥生の対比は,1巻目はかなり類型的に描かれており,2巻目になって弥生側の事情が少しずつ明かされる。

縄文文化は,アイヌとアメリカンインディアンのそれをベースに描かれている。狩猟と採取を中心としていながら,そこそこの文化を持ち,なによりも自然やカムイと共生して生きている。



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こうした対立の状況は,ヤマトとエミシ・アイヌ,西洋と南北アメリカのインディアンを背景に想像されており,ひじょうに”分かりやすい”。縄文文化は理想化されており,弥生文化は多くの問題を抱えている。

気になるのはこの分かりやすさだ。いくら児童文学とは言え,全4巻(プラス別巻1)を支えるには,ちょっとシンプル過ぎないか?

まだ2巻を読んだ段階なので評価は当然保留するけど,「ぼくの・稲荷山戦記」に見られたような,”それぞれは良かれと思って行っているのに対立が起きてしまう”というレベルの物語構成は到達してもらいたいと思う。





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Last updated  2004.12.12 10:47:26
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