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2006.01.06
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「匣の中の失楽」で有名な竹本健治のジュブナイル向け作品だ。

○ストーリー
寄宿舎も備えたミッション系の学園で,神父が2人死ぬ。1人は落雷に打たれ,1人は密室で焼死する。学園を覆う暗い影,神父たちの動揺,学園一の美少年の苦悩。変わり者4人で作ったサークルの部長の主人公タマキは,この謎を解くために乗り出す。一方でタマキは毎晩のように,狂った赤い馬の悪夢を見るようになっていた。赤い馬と事件のつながりとは?

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竹本健治は自分が通っていた学園を思い出しながら書いた,とあとがきにあったが,読んでいる方は萩尾望都の「トーマの心臓」「小鳥の巣」をイメージした。日本を舞台にして,そうした雰囲気をかもし出すのが可能なのか?と疑うだろうケド,あそこまできらびやかではないが,一種独特のスノッブで,優しいけどさめている雰囲気が良く出せていると思った。

変わり者の4人も魅力的に書けているが,美少年ツバサも光っている。主人公自身も,直接の表現はないけれど,明らかにツバサに惹かれていて,そのとまどいが秀逸だと思った。”赤い馬”がどこまで主人公の隠された心理を表しているかは分からないが,この年令や,こうした私立学園に通う子たちが,”赤い馬”を心の奥底に飼っていることは,すんなりとナットクが行く。

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ミステリー小説でありながら,ゴシックホラー風の味わいもある。建物や,学園の寄宿舎の描写が,淡白な表現ながら,物語の背景として十分な効果をあげている。有名ミステリー作家の”教室シリーズ””囁きシリーズ”など,学園を舞台にした作品はかなりあるけど,この小説の学園の方が,はるかにリアリティをもって迫ってきたように感じた。

またジュブナイル小説でありながら,決して子供向けに書いておらず,少しも手を抜いていないと感じた。一部の少年たちには熱烈に支持されるだろうと思う。



僕が個人的に好きな見取り図がなかったことが残念だ。とは言え,決して全ての謎がきれいに解明されるワケではないのだが,強い読後の印象を残してくれた。

さらにこの作者を読んでみたいと思わせる作品だった。





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Last updated  2006.01.06 11:17:22
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