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2006.04.22
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邪悪な推理作家・麻耶雄嵩が子どもに向けて書いて見せた禁断の推理小説を読んだ。

○ストーリー
ぼく,芳雄は4年生だ。町内の友人たちと探偵団を結成している。探偵団は,近所で発生している猫の連続惨殺事件の犯人を捜していた。芳雄は不思議な転校生の鈴木君から,事件の犯人を教わる。鈴木君は自分が神様だから,全て知っていると言うのだ。
そんな中,突然探偵団の秘密基地の裏庭で,ぼくの親友が死体で発見される。ぼくは鈴木君に,犯人に対する天誅をお願いする。そして翌日,事故にあって死んでしまったのは,驚愕の人物だった。天誅は正しく犯人を示しているのか?そして共犯者とは?

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あちこちで書かれているけど,これはジュブナイル作品ではない。ミステリーランドシリーズで,この作品を発表している作者と出版社の良識を疑う。子どもが読む本を必要以上に制限する必要はないけど,悪趣味な内容をあえて子ども向けとして発表する必要はないと思うからだ。

主人公は両親の本当の子どもではなく,町では猫がバラバラにされて殺され続け,担任の新卒の美人先生は暴行され,テレビのヒーローを演じていた役者は飲酒運転でひき逃げをし,親友は殺され,その犯人は○○で,あこがれの美少女は○○○され,殺人事件の共犯者は○○で,と良いことが何も起きない作品だ。

別にハッピーエンドが必須だとは思わない。けれども,世界ってもう少しいい所だし,夢も希望も,少しだけならあるハズだから,できるなら子どもにはそれを示してあげたい,と思う。

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設定のあちこちに趣味の悪さはあるものの,ミステリーとしては論理性が保たれており,新しい趣向だしなかなか面白い。

が,残念ながら最後の3ページで驚愕のどんでん返しが待っており,読者は大混乱のまま突き放され,作品は終わってしまう。これにはびっくりだ。

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さて,この結末はどういう解釈をすれば成立するのだろうか?

1)神様が間違えた。それまでのミステリーとしての展開とは整合性が保てるが,「神様ゲーム」の作品内でのルールは破綻する。

2)神様は正しく天誅を行った。これとミステリー部分を両立させるには,共犯者を○○がかばわないとならない。複数の共犯者がいて,一方だけ裁かれている?かなり設定的にキビシイ。

3)神様は意味を込めて天誅を行った。共犯者を間接的に犯罪へ仕向けた人物に対して天誅が下った。直接的な共犯者よりも関節的な方が裁かれる??これも設定的にキビシイ。

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西澤保彦の「死者は黄泉が得る」でもラストのどんでん返しで,ミステリーとしての整合性がおかしくなっていた。技巧派の作家は,読者を驚かせようとするあまりに,作品をひねり過ぎるのではないだろうか?

「神様ゲーム」でもルールがおかしくなっているような気がした。









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Last updated  2006.04.22 12:44:12
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