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2008.07.08
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女性と女性が火花を散らす,という雰囲気の心理ミステリーを読んだ。

○ストーリー
今年も洋館に5人の女性が集まる。彼女たちは,この館に住み服毒死をした耽美派小説作家・時子の縁者たちだ。なごやかに始まる3日間をかけた故人をしのぶ宴会。だが,彼女たちはどこかで同じように思い詰めており,語り始める。今年こそ,時子を殺した犯人を突き止めるために・・・

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恩田陸の読破を進めている最中だが,正直この作品を読むまでは,「ジュブナイルの方が向いているんじゃないの」と,気持ちの上でどこか”小物”扱いをしていた気がする。

まったくもってゴメンナサイだ。この作品で,恩田陸は一流の女流作家であることを証明して見せた。

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この作品の魅力は,まず文筆業である5人の女性の会話だろう。それぞれ異なるジャンルで成功していて,また長い間付き合っているという設定だが,それを見事に生き生きと表現している。

以前にも書いたが,男性作家のほとんどは女性の描写が不得手で,一方女性作家の描く女性はミョーにくたびれていて魅力が乏しいことが多い。



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3日間の生活と同時進行で,次々に新しい事実が明らかになり,1つの仮説が出たと思ったら崩れ,というパターンの推理劇が続く。過去の服毒死についての謎解きだから,あまり血生臭い展開にはならないのだが,丁度新しい手掛かりが発見されたタイミングで章が終わったりなど,次への”引っ張り”方がひじょうに巧みなので,ページをめくる手が止まらなくなってしまう。

女性5人ともにフツーの性格の人で,中には子供のころからの長い付き合いもあるのだけど,そこであえて行う”腹の探りあい”が読み応えたっぷりだ。

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そして全体の背景として,不自然ではない程度の豪華さの洋館で,不自然ではない程度の豪華さの料理がちりばめられている。

質の良い映画,あるいは舞台劇のような,満足感を味わえる作品だ。








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Last updated  2008.07.12 11:44:39
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