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2008.10.03
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カテゴリ: びしびし本格推理
久々に吉敷刑事がきちんと主人公を勤めている島田荘司作品を読んだ。

○ストーリー
女性がマンションで自殺をし,彼女と文通があったと思われる作家が同じ日に刺殺されていた。女性は作家に脅迫めいた手紙を送っており,彼女による逆恨みによる犯行として事件は片付けられようとしていた。だが吉敷刑事は事件を追い続け,その裏に潜み意外な事実を掘り起こしていくのだった。

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印旛沼という作家の強気,ワガママ,そして甘えた生き方が事件の引きがねとなっている。この作品の中で糾弾されている驚くほど多くの人々の中でも一番の悪人,というカンジなのだが,一方でひじょうに作者・島田荘司自身とオーバーラップする。

少し精神的に不安定な読者から,作品中の日本語表現や間違いについて厳しく避難されるという設定自体が,島田荘司の個人的な体験を基にしているのでは?という印象だ。

作品では,作家・印旛沼の主張が,やや表現が強いながらも非難の手紙よりも説得力がある,ということになっている。僕が読む限りでも,それに賛同せざるを得ない。だが,この非難の手紙の件が,島田荘司にとっての事実となると,それをネタにして作品を書き,かつ作品内でも手紙の内容を論破してみせる,という行動は,やり過ぎのような気がする。

もちろん,あくまでも非難の手紙が,島田荘司にとって実在したら,という仮説でしかないが。

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それだけ大きな話になってくると,どうも話がぼやけてしまって,圧倒はされるのだけど,読んでいて小説として面白くない。ときどき島田荘司の物語は,こうした傾向がある。物語に『社会派に負けない』厚みを持たせようという狙いなのだろうか?逆に,それによって話がギクシャクしているように思える。

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個人的には,吉敷竹史が職場での対人関係に対して,やたらシニカルなのが気になった。吉敷刑事は静かだけれど,熱い男でいてもらいたいなあ。









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Last updated  2008.10.06 00:09:42
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