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2010.12.02
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バー〈まりえ〉を舞台にしたハードボイルド風ミステリーを読んだ。

○ストーリー
雷鳴と共にバー〈まりえ〉に入ってきた男は,拳銃で客たちを脅して店に立てこもる。だが客たちは,店から出なければならない理由を持っていた。そんな中,ラジオから近所で殺人事件が起きたという臨時ニュースが流れる。果たして殺人者は誰なのか?

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逢坂剛は,ハードボイルド作品で有名だが,その中にはミステリー的なトリックも使われることがある。この短編集では,ミステリアスなママ・まりえが1人で切り盛りするバーという,ハードボイルド作品としては,かなり”ベタ”な舞台を用いて,逢坂剛が披露するどんでん返しの楽しさを味わえる。

この作品は,短編集「まりえの客」で登場した,バー〈まりえ〉の物語をシリーズ化した,連作短編集だ。

物語の舞台の半分以上は,バー〈まりえ〉で,別の短編の主人公がチラリと他でも登場するのも楽しい。舞台設定は限定されてしまうが,それぞれの短編にヒネリがあり,なかなか味わい深い。

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なんと言っても魅力的なのは,ママのまりえだろう。長いストレートの黒髪に,黒いワンピース。年令は不詳で20代にも40代にも見える。どちらかと言うと愛想が無く,たとえヤクザであってもひるまない。



逢坂剛の新しい魅力を発見した。

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各編について簡単に述べる。
「闇の奥」:石段で人とぶつかって転落をしてしまった僕は,元にいたバーに戻る。だがいつの間にか僕は命を狙われる存在になっていたらしい。その理由とは?・・・ショートショート風の驚きと,ハードボイルドのスタイリッシュさの組合せが楽しい。

「奈落の底」:妻を追う男と,妻の妹が言い争う。行きつけのバーで,そんな場面に出くわしてしまった猿渡を,さらなる恐怖が襲う。真実を語っているのはいったい誰なのか?・・・これはなかなかコワイ。正気な人間がいないような気がしてくる。

「雷雨の夜」:嵐の夜,バー〈まりえ〉に集まった客たちは,それぞれ他人に言えない事情を抱えていた。そして雷が鳴ったとき,悲劇は起きる。・・・一番派手な短編かも知れない。舞台劇のような緊張感が素晴らしい。

「デスデモーナの不貞」:元警察官の村園は,行きつけのバーで他の客から,彼の妻の浮気調査を頼まれる。だがその男は村園の調査結果に満足をせず,ついに・・・うーん?表題作だけど,これはちょっとハズレかな?

「まりえの影」:ヤクザに借用書を握られている喜多村は,偶然幼なじみの三木に救われる。三木のおかげでルポライターとして再起するきっかけをつかんだ喜多村だが,まりえは不吉な予言をする。・・・まりえのキャラクターが急に変わっているような気がした。喜多村の切実なカンジはリアルなんだけど,とにかくヒネリが無く,この短編集の中では面白味に欠ける。







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Last updated  2010.12.03 23:15:39
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