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2011.04.06
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萩原浩のハードボイルド探偵物語のパロディを読んだ。

○ストーリー
「私」は探偵だ。この街の裏道,倉庫街,公園で失踪した対象を探して,生計を立てている。問題は対象のほとんどが,ペットの犬や猫だということだった。ダイナマイト・ボディの秘書と共に,失踪した犬を探していた「私」は,人間の死体に出くわし,かつてない事件に巻き込まれていく。

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ハードボイルド小説には一定のセオリーがある。そうしたルールを笑って見せる,という気持ちは共通らしく,ハードボイルドのパロディは東西を問わず数が多い。題名から明らかなように,この作品は,そうしたパロディの1つだ。

まあ,ぶっちゃけ現代の日本を舞台にしたハードボイルド小説,というだけでイタイ。フツーにマジメに書いていても,現実からズレまくりだ。それだったらパロディで攻めよう,と考えても不思議ではない。

和製ハードボイルドとしてキチンと成功している優れた作品も存在するが,この作品はパロディとして存在をアピールしている。

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早々にばれてしまうのが,主人公が探偵とは言え,ほとんどペット専門であり,言わば「迷い犬,迷い猫の捜索人」である,ということだ。



ペットを捜して,地面に転がったり,木に登ったり,河川敷のススキの中に分け入ったりするならば,オーダーメイドのスーツは場違いだと思うなあ。

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さてこの作品も,「犬はどこだ」同様に,ペットの捜索が殺人事件へとつながっていく。主人公の「私」はかなり頼りなくて,自分と他人の相対評価がズレまくりなのは,二階堂黎人の〈ボクちゃん探偵シリーズ〉を思わせる。

だいたい元イジメられっこで,口下手,運動もダメ,酒も弱い。こんなヤツの脱サラって逃避としか思えない。

主人公と唯一ハードボイルドについて会話が出来るマスターJがいるバー「J」が,だんだんと「おでんの店 治作」に変貌していく姿は哀れだ。

なんだかみょーにリアルだなあ。

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と,さんざん笑った後に,ほめておこう。

この作品意外と骨があるストーリーを用意している。主人公は突然ヤクザの事務所に乗り込んだりと,相変わらず無計画だが,起きている事件とそれを巡る人々は,なかなかリアルでハードだ。

犯人探しでツイストもあり,このあたりは悪くないと思う。ただし,やはり探偵なのだから,気絶する前に自分で事件は解決しないといけないと思うな。

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この2人の気持ちのズレが,一番読んでいて笑えた。彼女の機転のおかげで「私」も何回も救われており,本当の相棒に昇格させてあげてもいいのに,と思う。

ラストで事務所を去ってしまった綾だが,続編でひょうひょうと再登場しそうな気もする。それくらい存在感があった。









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Last updated  2011.04.06 23:19:48
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