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2014.01.21
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現役復活した加納朋子の新作を読んだ。

⚪︎ストーリー
幼い頃からユウスケには不思議なモノが見えてしまう。そんな彼の前に〈ハルヒ〉と名乗る少女が現れ、助けを求める。彼は自分の能力を使って、数年おきに手助けをする。ユウスケが彼女の目的を知ったのは、高校に入学してからだった。その真相とは・・・

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加納朋子はいくつかシリーズを持っているが、作品の舞台となっている関東北部の田舎町・佐々良市の名前がついた〈佐々良シリーズ〉はかなりマイナーだと思う。

1作目の「ささらさや」は、夫と死別し、赤ん坊のユウスケと2人だけで佐々良で生きて行こうとする女性・サヤを主人公にしたゴースト日常ミステリー(?)だ。

2作目の「てるてるあした」は、親の事情で佐々良に預けられた少女・照代が、周りの人々に助けられて、徐々に心を開いていく物語だ。

最初の主人公・サヤは児童書の世界でしか出会えないようなホンワカしたお人好しだ。一方で2人目の主人公・照代は、そのサヤを毛嫌いする性格のキツイ少女だ。

当然僕は、圧倒的に照代が好みだったが、新作の3人目の主人公は、サヤの息子・ユウスケだ。また最初のようにイライラさせられるホンワカぶりが発揮されるのかと懸念したが、ユウスケはそこそこ現実的な少年として描かれており安心した。



この作品は6つの連作短編で構成されている。最初の4編は、春夏秋冬を背景にしている。5つ目の作品で、高校に入学したユウスケが描かれ、6つ目の作品で全てをつないでいた秘密が語られる。

この作品は、加納朋子が「ななつのこ」でも描いて見せた、連作短編ミステリーが、最後の最後で1つの物語としてつながるというぱたーんだ。これはミステリー好きとしてはたまらない。

かなりネタバレしているけれども、途中で明らかに前の短編で脇役だったキャラが再登場しているし、なんだかつながりがありそうな空気がしきりにしているのでOKだろう。

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だが今回は、長編にまとめる手腕はあまり手際が良かったとは思えない。最初の春夏秋冬の物語には、こうした意味があった、と説明されても、つなげ方が強引すぎる。つながりがあったとしても、随分と遠回りなことをしていて、あまり確率の高い手法だとは思えない。

どうしても後付けで意味付けをした、という印象があるなあ。

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もちろん、”実は凝り性”の加納朋子なので、それぞれの短編にミステリーとしてのバラエティを持たせていてる。

条件は幽霊が登場するけど、実際は日常ミステリーという枠組みの短編だ。そこに暗号、叙述、密室と、目先の変わった謎解きが仕込まれている。

こういうところは頑張るんだよねえ。

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あと、ヤボかも知れないけど、ユウスケが好きだったのはハルヒの方だったんだよね。うーん。

でも久々の加納朋子作品が、しっかりといつものカラーだったのは嬉しいことだった。









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Last updated  2014.01.21 21:52:35
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