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2014.09.11
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カテゴリ: びしびし本格推理
若竹七海のデビュー4作目の長編を読んだ。

○ストーリー
佐島兄妹は2人で暮らしている。兄の才蔵は市内の文学記念館に勤め,妹の楓は駆け出しのミステリー作家だ。兄の職場は,明治の財閥一族から生まれた文豪の暮らしていた館と庭園をそのまま記念館にしているのだが,そこで放火騒ぎが起きる。騒ぎに不安を感じる佐島姉妹と同僚の女性・知佳の目の前で,記念館から死体が発見される。さらに行方不明とされた文豪の姉の日記の写しが発見され,記念館は存続の危機に陥る。果たして事件に隠された謎とは?

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主人公と同僚たちも魅力的,舞台も配置図と建物平面図が付されていてワクワクする,仕事の風景もちょっと変わってはいるが面白い,それを描写する若竹七海の文章も無駄が無く読みやすい。

主人公・才蔵と近い立場の同僚,落ち着いたお姉さん風の鶴子,今の言葉で言うとツンデレ系の知佳,可愛いくて病弱で不思議系の夕貴,と,恋愛ゲームかよ?というような,オイシイ状況なのだけれど,才蔵がぼーっとしているのでほのぼのとした空気で物語は進む。それを引き締めるのが,ミステリー脳(?)の妹だ。

それなのに,物語の流れはスムーズには行かない。なんだろう,このもどかしさは?

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物語が置かれている状況としては,文学記念館に放火などなんらかの妨害工作が加えられており,それにどういう大きさで対応するか?というところだ。ただ,妹・楓が心配しても,兄・才蔵は,ゆっくりと対応をしていて,物語は進展が無いまま中盤まで進む。



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状況的にはツンデレでツンツン状態の知佳と,大人しく優しい才蔵が上手くいっていると思っていたのに,主人公の才蔵は鶴子に惹かれていたということが分かる。ええっ?なんか伏線あったっけ?

そうした違和感がぬぐえない内に,鶴子さんのイメージがガタガタと崩れる情報がどんどん明らかになる。でも,それって必要だったかな?作者が意図的にキャラクターの悪いところを描いて,引き摺り落とそうとしているような印象を受ける。

読んでいて,ぞわぞわと気持ちが逆なでされるような,嫌な気分になるのはそれが原因だと思う。

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読者をイヤな気分にさせたいのと,ミステリーを書きたい。若竹七海はどっちを優先させたいのだろう?

はっきりさせてから作品を発表すべきだと思う。









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Last updated  2014.09.13 20:34:36
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