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2017.05.03
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「時には懺悔を」に続き,打海文三のハードボイルド小説を読んだ。

〇ストーリー
不登校になっていた中学2年生の姫子は,かつて家族で住んでいた多摩の山村を訪ね,そこで阪本という青年に出会う。数日後,姫子を警察が訪ね,彼女は阪本がある殺人事件の容疑者であることを知る。姫子と女性探偵の老女・鈴木ウネ子は彼を救おうとするが,事件には大きな背景があった。そして・・・

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「時には・・」に引き続き,大手探偵社〈アーバン・リサーチ社〉に関連する人々を主人公にした物語だ。登場人物は一部重なるが,前者とは独立しているのでこの作品から読み始めても楽しめる。

メインの主人公は,不登校の少女・姫子だ。思春期らしい攻撃性,思い込み,傷付きやすさ,一途さが描写されており,打海文三の筆力には驚かされる。

さらにもう1人の主人公は60代の探偵・ウネ子だ。元結婚詐欺師で,まだまだ男を魅了する女性だ。どちらかと言うと西欧のキャラクターのような個性の強さだが,時に姫子を助け,時に出し抜きつつ,真相へと迫る。

「時には・・」は中年の探偵を主人公にした,ある意味典型的なハードボイルドのフォーマットに沿っていたが,今回の作品はそれを離れ,魅力的な女性たちを活き活きと描いている。

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だが姫子とウネ子が協力して導き出した手掛かりから見えてきた真相には正直落胆を覚えた。真犯人の生い立ちも不自然だし,何よりも主人公たちが救おうとしている阪本という男の行動が理解できない。

阪本は優しいから,という描写があるが,複数の女性とずるずると関係を続けるのに,妙に正義感ぶる態度は,男の敵としか思えない。女の敵でもあるはずなんだけど?彼らが巻き込まれた事件を,懸命に大ごとにしようとするのにも無理を感じた。

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プロットだったり,阪本の行動は好きにはなれないのだが,ほかの登場人物たちの感情の動きは深みをもって描写されており,この作家の他の作品も読んでみたいと思わせる魅力がある。

















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Last updated  2017.05.04 11:19:53
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