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★
世界銀行が本年の世界経済についての成長率見通しを年初の2.9%から
2.4%に下方修正している。
1.原油、金属、農産物などの一次産品の輸出価格が大きく低落しており、
産出国であるブラジル(B)などの南米諸国、ロシア(R)、東欧、中央アジア、
中東(制裁解除のイランを除く)、アフリカなどの成長が鈍化する見込み。
2.他方で原油などの一次産品輸入国では、原油安などで恩恵を受け、
インフレ率低下により個人消費は促される。その効果は、
アフリカなどでは旱魃、高失業率、通貨安などで一部相殺される。
ヨーロッパ西方では燃料価格低減、ユーロ圏の内需の伸びが追い風となる。
東ウクライナ、コーカサス、トルコなどでの武力衝突、テロは影を落としている。
3.好調な米国との取引の強いメキシコ、中南米、カリブ海諸国は上昇の見込み。
4.中国を除くアジアでは投資拡大と内需が好調であり、
原油価格の低落で低インフレを享受し、南アジアでは安定した送金フォロー
の恩恵も受けている。
5.中国については、予想が据え置かれた。
6.新興国・途上国共通の問題では金利低下で民間債務が急増しており
不良債権の占める割合が4倍にも増えた例が珍しくない。さらに、財政圧迫が
加わると急激な成長圧迫の要因が高まる可能性がある。
7.日本については、民間消費支出が実質所得の伸び悩みの中で萎縮し、
輸出は外需の減退をうけている。労働市場はタイトに見えるが高齢人口の
増加を反映したものである。
労働需要は製造業では減退、サービス業では堅調である。
成長での最重要な鍵は「高齢化する労働力」をどうとらえるか。
企業マインドは脆弱であり、強まっている円、熊本震災が成長を
0.5%と予想させている。
日銀のマイナス金利政策は、インフレの期待手段としては物足らず、
円が評価される状況をもたらし、金利政策の効果を問題提起する。
10%消費増税の延期は短期的には経済成長を刺激するが、
財政健全化を遅滞させる。・・・
8.小生は語学が苦手なので、自由にダウンロードできる
Global Economic Prospects June 2016 を
賢明なる諸兄はご覧下さい。
・ 世界銀行経済見通し(成長率:%) 2016.6改訂
項目 |
FY2014 |
FY2015 |
FY2016 |
FY2017 |
FY2018 |
---|---|---|---|---|---|
( 世界 ) |
2.6 |
2.4 (0.0) |
2.4 (▲0.5) |
2.8 (▲0.3) |
3.0 (▲0.1) |
米国 |
2.4 |
2.4 (▲0.1) |
1.9 (▲0.8) |
2.2 (▲0.2) |
2.1 (▲0.1) |
ユーロ圏 |
0.9 |
1.6 (0.1) |
1.6 (▲0.1) |
1.6 (▲0.1) |
1.5 (▲0.1) |
日本 |
▲0.1 |
0.6* (▲0.2) |
0.5 (▲0.8) |
0.5 (▲0.4) |
0.7 (▲0.6) |
( 先進国計 ) |
1.7 |
1.8 (▲0.1) |
1.7 (▲0.5) |
1.9 (▲0.2) |
1.9 (▲0.1) |
中国(C) |
7.3 |
6.9 (-) |
6.7 (-) |
6.5 (-) |
6.3 (▲0.2) |
インド(I) |
7.2 |
7.6 (0.3) |
7.6 (▲0.2) |
7.7 (▲0.2) |
7.7 (▲0.2) |
ロシア(R) |
0.7 |
▲3.7 (0.1) |
▲1.2 (▲0.5) |
1.4 (0.1) |
1.8 (0.3) |
ブラジル(B) |
0.1 |
▲3.8 (▲0.1) |
▲4.0 (▲1.5) |
▲0.2 (▲1.6) |
0.8 (▲0.7) |
( BRICs など他計 ) |
4.2 |
3.4 (-) |
3.5 (▲0.6) |
4.4 (▲0.3) |
4.7 (▲0.2) |
・原油価格指数 |
▲7.5 |
▲47.3 (▲0.8) |
▲25.7 (▲17.2) |
32.5 (25.3) |
6.5 (▲0.7) |
・非エネ商品価格指数 |
▲4.6 |
▲15.0 (▲0.2) |
▲12.2 (▲10.4) |
10.5 (8.6) |
2.3 (0.4) |
( )の数字は今年1月の推計からの改定値の増減を示す
( * 日本は世銀と同日付で発表したGDPのFY2015第二次速報値が
0.8%である。
世銀の改定値は0.6%(←0.8%)である。
→しかし、日本について「 閏年修正すると 」GDPの二次速報値は0.5%の伸びに
過ぎないから世銀の改定値よりもGDP成長率は低いかも知れない。
慎重に考えれば世銀の改定値の方が事実に近いかも知れない。
引き続いての「停滞」が想定されている。)
★
繰り返すが、賢明な諸兄は原文194Pagesをお読み下さい。
★
「追記」
世界情勢を記載しているうち、日本商社の先を見ての
先行投資が今回の米国オイルシェールについて失敗したことが気に掛かる。
確かに、投資は商行為ではあるが、日銀は、マイナス金利などの将来を
悲観するような、マイナス思考の政策に拘泥せず、このような遙か先には
「日本経済の種」となる資源投資を重点的に支援すべきではないだろうか。
オイルシェール投資は、米国だけでなく、今後の海洋開発にも関係する
重要な投資であるからである。
★
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