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2022.07.16
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山城に関連する史料が残っているところは、稀であるが、この城には「はまいは掟」の史料が残っていて、当時の城兵の様子がが想像できる。県立21世紀の森の駐車場からさらに尾根筋の開けた場所まで車道がついているが、途中からショートカットの山道があるので、ここを樹木の間から見える景色を楽しみながら登ってゆく。開けた場所に着いたら、展望所へ方面の脇の尾根道を辿って行くとまさに樹木の茂る尾根道の中に浜居場城跡の痕跡がある。ここを含め箱根連山の中に作られた山城は尾根を通る古道を遮るように築城されているのは面白い。
<地図>
足柄平野から西北を望むと、足柄の山並みからひときわ高く頭を突き出した矢倉缶が目につく。頂上からは相模・駿河の展望に優れ、文字どおり足柄の物見櫓といった感が深い。矢倉岳の東北1.3㎞に矢倉岳北面中腹を東西に抜ける尾根筋があり、そのピークの一つ、標高700mに浜居場城の中心部がある。この尾根は、足柄城の支砦がある阿弥陀尾より山伏平を経て内山部落へ続く。
いわゆる街道ではないが、甲斐・駿河・足柄北部・丹沢方面を結ぶ、古来非常に利用度の高かった古道である。浜居場のある峰を矢倉岳東南麓の矢倉沢部落では「フトヤマ」、東北の内山部落では「城山」と呼んでいるが、城域は大部分が字城山に属する。浜居場城に行くには、県立21世紀の森の駐車場から始めは広い車道を進み、途中から山道をひたすら登ると、公園の頂上付近の平坦な場所につく。そこから尾根道を樹木の中を進むと浜居場城址につく。
<遺構>
史料に登場する城であるが、規模があまり大きくない。主郭①は削平はあまり良くない。地域支配の拠点となり得ぬ当城の性格をよく表わしている。「櫓台」と呼ばれる馬出Aが西に付く。①は土塁が巡っていたようであるが、宝永火山灰や近世の耕地化によって判然としない。馬出を出ると②であるが、ほぼ自然地形の平坦な尾根で100m以上も続く。しかしその西端に堀切Bが現れる。全体的に見ると、縄張りは西側、つまり足柄城方面(さらに言うと駿河方面)を強く意識したものとなっている。逆に東側(山北城・
小田原方面)は緩傾面であるが処理しておらず、西側に対してのみ指向性を示す。規模からしても大軍で守るような城ではないので、城掟が指示する通り、通行監視が主目的であろう。もっとも、この周辺で包囲籠城戦に耐えうる縄張りを持つのは、東方約3.5Kmにある河村城のみであり、西側に極端な指向性を示す縄張りは足柄城も同様である。

<歴史>
後北条時代、浜居場城は足柄城と密接な防衛関係を持ち、足柄山全体防備の一翼を担ってていた。こうした状況は、後北条後期に武田氏との関係が緊迫するにつれ、防備態勢が固められてきた結果であった。天正九年に発せらた世に名高い浜居場城管理指導要項ともいうべき「はまいは掟」には、「はまいはと足柄の間の道、往還の事、一切停止せしめおわんぬ」とあり、足柄・浜居場間が特に厳重な監視態勢下に置かれていたことがうかがえる。浜居場城は、「古は大森寄栖庵の持城」であったことが地元の口碑や「岩原村古城略記」に伝えられている(「新編相模国風土記稿」)。駿東郡鮎沢庄から山北の川村城を落として、西相模に進出を確定的なものとした大森氏にとって、浜居場ルートはきわめて重要なものであったことは想像に難くない。しかし、今日みられる遺構は明らかに甲斐・駿河側に対して備えられたものであり、大森氏以後、後北条氏によりて拡大再構築されたものであることは疑いない。城番の将は、『はまいは掟』によって松田氏であることが知られ、実質的にはその代官須藤源次郎・村野安芸守・小沢孫七郎の三人によって交代で管理されていた。今日、阿弥陀尾・浜居場問の古道は藪に隠れて途切れがちであるため、春・冬季以外の通行はかなり困難である。
<出典>日本城郭大系、中世神奈川城郭図鑑(西股総生)</出典>





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最終更新日  2022.07.16 05:41:48
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