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2024年02月04日

東海テレビドキュメンタリー「人生フルーツ」を観ました。

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カテゴリ：映画

２０２４年２月３日（土）

節分の日です。
夫と、恒例の豆まきをしました。
愛犬がいたときには、お面をかぶせて鬼の役をさせたなあ。。。。
豆を喜んで食べていたっけ。

ＢＳの日本映画専門チャンネルが、東海テレビ制作のドキュメンタリーをいくつかまとめて放送したので録画しました。

今日観たのは、「人生フルーツ」
「風と、雑木林と、建築家夫婦の物語」とサブタイトルにあるように、９０歳の建築家と８７歳の妻の３０畳一間の家とまるで雑木林のようなお庭での生活が描かれます。

津端修一さんは、戦後最大の都市計画「高蔵寺ニュータウン」の基本設計をした人。

その高蔵寺の一軒家に住み続けて、約５０年。
未だに建築家として設計や構想を練る日々。

とにかくお二人ともかくしゃくとしていらして、耳も遠くない。
自分の足で歩いて作物を作り、たくさんの実のなる木に取り囲まれての生活。
料理も買い物も、この高齢夫婦はなんなくやってしまう。

でもある日、お昼寝した夫は目を覚ますことなく・・・。
その死に顔までも写し出す、東海テレビ。
それが不思議なほど死相がなく、ただ眠っているかのよう。

一人となった妻英子さんの暮らしは、その後も夫が生きていた時と変わらず続きます。

ナレーションは、樹木希林さん。
樹木希林さんと東海テレビの関係は、やはり東海テレビ制作のドキュメンタリー映画「神宮希林　私の神様」を多摩の映画祭が取り上げたとき、初めて知りました。

多摩の映画祭では樹木希林さん主演の映画「あん」も上映され、トークショーもあり樹木希林さんが直接私たちにいろんなエピソードをお話をしてくださったんです。

その時から東海テレビ制作のドキュメンタリー映画はとっても気になっていたのですが、観る機会がなくって。
関東ではほとんど上映されなかったのでね。

今回「人生フルーツ」を観て、制作力の高さとあまりにも自然な制作姿勢に感動いたしました。
「風が吹けば落ち葉が落ちる。落ち葉が落ちれば土が肥える。土が肥えればフルーツが成る」という建築家津端修一さんの言葉が何度も繰り返され、街の設計は完成させすぎてはいけない、余白をたっぷりと残し住む人が時間をかけて自然と一緒に完成させていくという考え方の、象徴となっています。

１９５９年、伊勢湾台風が襲来し、伊勢湾には５０００人もの遺体が浮かびました。
その教訓で、ニュータウンは高台が選ばれたのだそうです。

建築家津端修一さん最後の仕事は、精神を病む人のための病院の基本構想。
病院長の、「コンクリートで固めた四角い建物では精神を病んでいる人の助けにはならない」という考えで、津端氏に手紙で相談がありました。
建設予定地に夫婦でおもむきその地をしっかり見て、津端氏は基本構想を何枚もの絵にしました。
それは、およそ病院という私たちの持つイメージとはかけ離れた世界。

いくつかの大きな木造の棟。
その周囲に広がるのは、やがて雑木林になることを想定して植えた植物たち。
そこにはいくつもの散歩道があって、患者が散策できるようになっているのです。

その完成を津端氏が見ることはできなかったのですが、映画は写し出していました。
いろんなことで苦しみ心を病んでしまった人たちも、この環境なら少し心を開放できるのではないかと思える建物とお庭。
最初から完成されているのではなく、人と自然が一緒に作り上げていくという病院。
建築家津端修一さんの考え方や生き方が、集約されています。

それにしても東海テレビ、いい作品をたくさん作っているなあ。
全国放送でもっと取り上げてほしい、って思いました。

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